概要
3か月以上に渡って、腎臓機能に何らかの障害が見られる病気で、主な症状は貧血、倦怠感、むくみ、夜間尿などですが、通常、これらの症状だけでは病院を受診する人は多くないため、一般的に病気の発覚は遅れがちになります。
ポイント
1.主な原因は高血圧、糖尿病、脂質異常性などですが、糖尿病を併発すると食事制限は非常に大変です。最下段の「腎臓病と糖尿病の自己管理の比較」を参照ください。
2.本治は腎精強化、原穴治療を候補としますが、四診により治療方針を決定します。
3.標治は体のこわばり、特にお腹、背中、首肩およびふくらはぎ(下腿三頭筋)を緩めるのが目的です。
4.予防はバランスの良い食事、こまめな水分補給、睡眠、適度な運動、そして禁煙です。
補足説明
腎臓病の常識は、「悪くなった腎臓、クレアチニン値を改善することはできない」。というものでした。静岡トレーニングクリニックの廣岡院長の著書、「腎臓病を自分でなおす -私たちはクレアチニン値を自分で下げた-」には、個人差はあるものの、クレアチニン値を改善された患者は数多くいるということが記載されています。
そして、その方法は自然治癒力を高めることに目標をおき、低周波通電療法などにより、血液循環を通じて豊かな酸素と栄養素を腎臓をはじめとする各臓器、組織に届けるというものです。これは方法は異なりますが、狙っているポイントは鍼灸治療とほぼ同じです。
本治は四診、特に脈診を重視し、顕著に腎が虚していれば腎精強化を考え、特に目立つ経絡がなければ、虚実いずれにも使用可能で免疫向上に有効な原穴治療(肝・脾・肺・腎の原穴)を選択することを基本としています。また、標治は体の硬結を取り除くことを第一に考えますが、特に腹部、脊柱の両側、後頚部を重視しています。また、第二の心臓といわれる腓腹筋と深層のヒラメ筋、後脛骨筋にも治療を加えます。