ナルコレプシー

概要
昼間に起こる激しい眠気と睡眠発作(通常では考えられない場所や状況で居眠りしてしまう)などを主症状とする原因不明の睡眠障害です。

 

ポイント
1.主な症状は昼間に起こる激しい眠気と睡眠発作です。
2.原因不明ですが、遺伝的体質と環境因子が指摘されています。
3.本治は自律神経の調整を考え、肝経と肺経に注目しますが、四診により
治療方針を決めます。
4.標治は背部などのストレスポイントを中心に硬結を除去します。

 

補足説明
睡眠発作は数分から10数分持続し、自然に回復します。目覚めたときは爽快感を感じますが、2~3時間後に再び耐え難い眠気に襲われます。

他の主症状には脱力発作や入眠幻覚、睡眠麻痺(入眠期の金縛り)があり、これらはナルコレプシーの4主徴とよばれることもあります。

なお、睡眠発作はノンレム睡眠(深い睡眠)ですが、それ以外はレム睡眠関連症状です。レム睡眠は脳波の所見上は覚醒した時と同様な状態を示します。
現代医学では薬物療法が行われます。原因不明ですが、ナルコレプシーになりやすい遺伝的体質と、ストレスなどの環境因子が重なって起こると考えられています。発病のきっかけも不明ですが、頭部外傷、手術、大出血、睡眠不足の続いた時など、大きな身体的ストレスが加わった直後に発症することが考えられます。
鍼灸治療では、自律神経を調えるための治療を行うのが基本です。本治では肝経と肺経に注目します。また、標治では上背部の脊柱上に顕著な圧痛や硬結に対し刺鍼します。