概要
花粉症は今や国民病ではないかと思えるまでに年々患者は増え、現在は3人に1人が花粉症であるといわれています。これは本来は害を及ぼすものではない花粉を敵と見なし、攻撃を仕掛けてしまうというアレルギー症状です。
ポイント
1.花粉症治療の基本は自律神経系を整え、免疫寛容が正しく機能することです。
2.長野式の「内ネーブル4点(お臍の際に4本刺鍼)」という処置法を使います。
補足説明
本治では脈診を中心とした四診により治療穴を決めます。そして、標治ですが、花粉症治療については長野式の治療を行っています。
長野式とは理学療法士でもあった、故長野先生が開発された素晴らしい鍼灸治療法です(ご興味ある方はこちらを参照ください。http://naganoshiki.ciao.jp/web/)。私事で恐縮ですが、この長野式の基礎講習を受講しました。花粉症治療はお臍の際に刺鍼します。自分自身でも容易にできるため、花粉症キャリア30年の私は自らを実験台として、その治療を試してみました。すると、膀胱方面に強いひびきがあり、そして1回の治療で症状が80%近く軽減されました。
結局、その年は病院でもらったアゼプチンを2回服用しただけであとは捨てることとなりました。そのような体験があり、鼻の近くへの刺鍼や耳鍼なども有効とされているのですが、現在は長野式の「内ネーブル4点」という刺鍼を積極的に使っています。ちなみに今年は病院に行くことなく、薬も飲まず済みました。
付記1
「なぜ、お臍の際に鍼をすると花粉症の症状が大幅に低減できるのか?」大変不思議に思い調べました。
その結果、腸管免疫と経口免疫寛容という2つの両輪があり、腸内環境が整い免疫寛容が正常化すれば、アレルギー症状を改善することができる。ということを理解しました。つまり、腹部への刺鍼には根拠があることを納得しました。
人の最大の免疫機能は腸管免疫です。仕組みは「自己」と「非自己」を区別することで、病原菌やウィルスといった有害な物質が体内に入ってしまった時に「非自己」と認識し攻撃し排除します。一方、口から入る飲食物も「非自己」になりますが、これを排除してしまうと栄養を摂取することができなくなってしまいます。
この必要不可欠な栄養を排除することなく、体内に取り入れるために働くのが経口免疫寛容です。経口免疫寛容の働きが弱まると免疫反応が活発化して、花粉症などのアレルギー症状を起こしやすくなります。
付記2
患者さまとの会話の中で、花粉症治療についてご説明する機会があったのですが、あらためて、「経口免疫寛容」について、何か良い資料はないかとネット検索したところ、下記の論文を見つけました。内容は専門的ですが、ご紹介させて頂きます。
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