第2章 心と腸のコミュニケーション
・人が怒り心頭になり、まさに怒りの表情に変わったとき、筋肉とともに消化器系に特徴的なパターンでシグナルを送り、消化器系はそれに対して強い反応を示す。胃は激しく収縮する。その収縮で胃酸の分泌が増大し、食事した物はなかなか胃から出ていかなくなる。同時に腸はねじれ、粘液や他の消化液を分泌する。不安や動揺でもパターンは異なるが類似の胃腸の反応が生じる。意気消沈した場合は、腸はほとんど動かなくなる。以上のように脳で生じるいかなる情動も、胃腸の活動に反映されることが知られている。

画像出展:「AI(Perplexity Pro)が作成」
『このように、感情と胃腸の動きには密接な関係があります。これは「脳腸相関」と呼ばれる現象の一部です。心身の健康を維持するためには、ストレス管理や感情のコントロールが重要であることがわかります。』

画像出展:「胃もたれの原因」(くすりと健康の情報局)

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●嘔吐が止まらない男
・周期性嘔吐症候群に関し、UCLAの研究チームなどの数十年にわたる調査の結果に基づけば、周期性嘔吐症候群は脳内の過剰なストレス反応が、過度の内臓反応を引き起こしているというものである。意識的か無意識を問わず、このような脅威を検知した脳は、生存に関わる機能を調整する視床下部にシグナルを送り、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRF)を分泌する。
・CRFは限度を超えた場合、腸を含む身体のあらゆる組織や細胞がストレスモードに切り替わり、腸からのシグナルだけでなく様々な刺激に対しその人を鋭敏にする。激しい腹痛はそのためである。腸は収縮の回数を増やし、内容物を排泄しようとして下痢になる。一方、胃の働きは遅くなり、内容物を下ではなく上へと戻そうとする。
・ステーキを食べたときの反応は次の通りである。
ステーキの一片を咀嚼して嚥下する前から、胃には酸電池に匹敵するほどの酸性度の高い濃塩酸で満たされる。咀嚼されたステーキの断片が胃に達すると、胃は強力な研磨力を行使してステーキの断片を細かな粒子に粉砕する。その間、胆嚢と膵臓は脂肪分の消化を助ける胆汁や種々の消化酵素を注入することによって、小腸の仕事の準備を整える。細かく砕かれたステーキの破片を胃から受け取った小腸は、消化酵素と胆汁の働きで分解された栄養素を吸収し送り出す。消化の過程が進むと、腸壁の筋肉は蠕動運動と呼ばれる収縮運動を行い、食物を下方に押しやる。蠕動の圧力、範囲、方向は消化する食物によって異なる。例えば、脂肪や複合炭水化物の吸収には多くの時間をかけ、糖分を含む飲料の吸収にはあまり時間をかけない。それと同時に、腸壁の一部は、消化された食物を収縮の力で壁に向けて動かし、そこで栄養素を吸収する。大腸では強力な波状の収縮運動で内容物が前後に動かされ、水分の90%が吸収される。それから内容物は、さらなる強力な波状収縮で直腸に押し出されることで便意を感じる。
次の食事までには、腸のハウスキーピング(整理整頓)のために、それとは異なる波状の圧力(伝播性筋放電群)がかかる。つまり、胃で粉砕されなかった薬の不溶解残渣や丸呑みされたピーナッツなどの残留物がすべて排出される。この波状の動きは90分ごとに生じ、食道からはじまってゆっくりと直腸に向けて下りていく。そしてその圧力で、未消化の食物や有害な微生物が小腸から結腸へと掃き出される。蠕動反射とは異なり、この腸のハウスキーピング運動は、睡眠中など、基本的に消化管に消化すべき食物が残っていないときにのみ作用し、食物は口に入るとただちに停止する。
・腸は脳や脊髄の助けなしに、一連の作用を連動させているが、この消化の管理は概ね腸管神経系が担っている。なお、腸管神経系とは食道から直腸に至る消化管壁を取り巻く、5000万個の神経細胞からなるネットワークであり、「第二の脳」と呼ばれている。この「第二の脳(The Second Brain)」は本になっているが、著者は解剖学者で細胞生物学者でもあるマイケル・ガーション先生だが、腸のセロトニンシステム研究のパイオニアでもある。
・腸管神経系は自律的に作用するが、情動を司る脳の働きによって作用は滞る。食事中に口論が始まれば、胃の活動は停止し痙攣性の収縮が始まる。すると胃の内容物は正しく押し出されず胃に残る。内容物の滞留があると夜間の収縮運動が起こらず腸の浄化がなされない。
●銃創と内臓反応
・脳は様々なメカニズムを通じて、腸内でその種の運動プログラムを実行する。コルチゾールやアドレナリンなどのストレスホルモンを分泌し、腸管神経系に神経シグナルを送る。その際、脳は腸機能を促進するシグナル(迷走神経を含む副交感神経系によって伝達される)と、抑制するシグナル(交感神経系によって伝達される)という2つの神経シグナルを送る。この2つの神経系は腸管神経系の活動の調節、微調整、連携を行なって、その都度の情動の状態を反映する腸の活動を形成する。
・情動は腸内の各種腸細胞、腸管神経系の細胞、100兆個の微生物に様々な影響を与える。
●腸の情動反応をプログラミングする脳
・情動と消化管を含めた身体への影響のメカニズムには大脳辺縁系が深く関与している。
・大脳辺縁系は生命が脅かされるような状況に直面したとき、ただちに無数のメッセージを編成して身体中の組織や細胞に送り、それぞれの振る舞いを変える。胃に送るシグナルは活動に必要なエネルギーを浪費しないように、内容物の除去を命じる。心循環系は酸素の多い血液を腸から筋肉に回して消化を遅らせ、闘争(もしくは逃走)の準備を整える。
・進化は危険な状況に対処するための集合的な知恵、脅威に自動的に反応する神経回路やプログラムという形態で授けた。
・情動操作プログラムは、遺伝子に書き込まれている。この遺伝子コードは両親から受け渡される。
●腸がストレスを受けるとき
・情動操作プログラムはシグナル分子を用いる。例えば、鎮痛剤としても作用し、快活さをもたらすエンドルフィン、欲求や動機に働きかけるドーパミン、「愛情ホルモン」とも呼ばれ、信頼や魅惑の感覚を刺激するオキシトシン、ストレスのスイッチとして機能するCRF(副腎皮質刺激ホルモン放出因子)などが放出される。
・CRFは副腎で生成されるコルチゾールの分泌量を調節し健康維持の任務を遂行している。
・ひとたび情動操作プログラムが起動すると、その効果は数時間、ときには数年間持続する場合もある。思考、過去の出来事の記憶は脳腸相関の活動に影響を及ぼすことがあり、それは苦痛に満ちたものになる恐れもある。
●腸の鏡像
・怒り、悲しみ、不安などの情動が恒常的に生じる場合には、腸やそこに宿る微生物に有害な影響がおよんでいることを理解する必要がある。
第3章 脳に話しかける腸
●過敏な脳
・消化管で集められた感覚情報の90%以上は、意識にのぼらず刺激を無視することができる。しかしながら、腸管神経系はこれらの刺激を注意深く監視している。
・感覚系の複雑なメカニズムを通じて粛々と消化管の小さな脳に送られ、消化器系の機能を日夜最適なものに保つために必須の情報として利用される。内臓刺激の流れは脳にも達する。迷走神経を介して伝達されるシグナルの90%は消化管から脳へと流れ、逆方向には10%にすぎず、脳に頼ることなくほとんどの活動は維持できる。
・『消化管が発する、どの情報が重要なのだろうか? 実のところ、重要な情報は想像以上に多い。消化管が備える多数のセンサーは、最適な収縮パターンを形成するために必要となるあらゆる情報、具体的にいうと蠕動の圧力や方向を定め、消化対象の食物を胃腸内で送る速度を調節し、消化が適正に行われるよう酸や胆汁の分泌量を決定するために必要な情報を腸管神経系に伝達する。またそれは、胃に残存する食物の量、摂取した食物の量や密度、消化された食物の化学組成、さらにはマイクロバイオータの活動に関する情報を収集する。一連のセンサーは、緊急時には寄生虫、ウィルス、病原菌、病原菌の産生する毒素、さらには消化管の炎症反応を検知する。事実、急性の炎症は、通常の刺激やできごとに対し、多くのセンサーを過敏にする。センサーからの情報は消化管の機能を適正に保つのに必須だが、腸管神経系は意識にのぼる感覚を生み出さない。』
・24時間365日、消化管と腸管神経系と脳は、つねに連絡を取り合っている。このコミュニケーションネットワークは、私たちの健康や快適な暮らしに、想像よりもはるかに大事な仕事を担っていると考えられる。
●消化管で感じる
・消化管の内分泌細胞は非常に多く、きわめて効率的に神経系にシグナルを送り、健康維持に重要な役割を果たしている。内分泌細胞以外にも消化管を本拠地としている細胞には免疫系と免疫細胞が分泌するサイトカインと呼ばれる炎症分子からなる別系統のシステムがある。消化管の免疫細胞は小腸内のパイエル板の他、虫垂にも見られ、小腸、大腸の腸壁にも存在する。
・消化管を本拠地とする免疫細胞は、内部の空間とは薄い細胞層で隔てられているが、樹状細胞と呼ばれる細胞は、この薄い細胞層を貫いて伸び、腸内微生物や病原菌と相互作用をしている。樹状細胞が分泌するサイトカインは、消化管壁を越えて体循環に入り、やがて脳に達する。それとは別に、ホルモンを含む消化管の細胞が生成したシグナル分子は、迷走神経を介して脳に送られる。
・『消化管の精巧な感覚系は、人体における国家安全保障局とでもいえよう。食道、胃、腸など、消化器系に属するあらゆる組織から情報を収集し、大多数のシグナルは無視して、疑わしきものを検出したときや、非常事態が発せしたときに警報を鳴らすからだ。消化管は、人体でもっとも複雑な感覚器官の一つなのである。』
●消化管の気づき
・『消化管のデータ収集システムが送る報告は、消化管の小さな脳(腸管神経系)にも頭部の大きな脳にも、さまざまな必須情報を提供する。大小二つの脳はどちらも、飲食物を摂取するとこの必須情報の入手にいそしむが、おのおのは別々の情報に関心を寄せる。
小さな脳は、最適な消化反応を生むために、また、必要なら嘔吐もしくは下痢によって、消化管の両端から内容物を排泄して毒素を除去するために、消化管が発する情報―食物の摂取量、消化管に入った内容物(脂肪、タンパク質、炭水化物などの成分についてや、濃度、密度、粒子の大きさについて)など―を用いる。また、汚染した食物に含まれる毒素、細菌、ウィルスなど、有害な侵入者に関する情報も含まれる。小さな脳は、脂肪分をたっぷり含むデザートを食べたという情報を受け取ると、食物が胃から排出される速度や、腸を通過する速度を落とす。それに対し、低カロリーの食物を摂取したという情報を入手すると、腸で十分なカロリーを吸収できるよう、胃の内容物を排出する速度を上げる。また、有害な侵入者を検知した場合には、水分の分泌を促し、蠕動に方向を変えて胃の内容物を取り除き、食物が小腸と大腸を通過する速度を速めて有害物をすみやかに除去する。
一方、大きな脳は、全体的な健康に焦点を絞り、消化管から送られてくる種々の徴候を監視して、その情報を身体の他の部位から送られてくるさまざまなシグナルや、環境に関する情報と統合する。腸管神経系で生じている事象も監視するが、怒ったときの胃や結腸の激しい収縮、気が滅入ったときの消化活動の低下など、情動の影響も密接にチェックしている。つまり、脳は自分の作った芝居は消化管という舞台で上演される様子を監視しているのだ。また、ほぼまちがいなく、脳は、腸内に宿る兆単位の微生物が生み出す情報を受け取っている。この腸と脳のシグナル交換は、ここ数年のあいだに注目されだしたにすぎない。脳は消化管から送られてくるあらゆる感覚情報を常時監視しているが、日常業務は地方自治体、すなわち腸管神経系に委任している。大きな脳が直接関与するのは、本人が意図した場合か、脳の反応を必要とする重大な脅威にさらされたときに限られる。
こういったさまざまな感覚メカニズムを通して、消化管は1日中、起きていても眠っていても、身体の奥深くで生じるあらゆる事象に関する情報を、ミリ秒単位で脳に送っている。もちろん、中枢神経系にフィードバック情報を常時送っているのは、消化管だけではない。脳は、身体のあらゆる細胞や組織から常時感覚情報を受け取っている。たとえば、肺や横隔膜は呼吸をするたびに、心臓は鼓動するたびに脳に筋肉の動きに関するシグナルを送り、動脈壁は血圧に関する情報を、筋肉は筋緊張に関する情報を送っている。
持続的に送られてくる身体の状態に関する報告、つまり身体システムのバランスと機能を円滑に保つために脳が用いる情報を、科学者は「内受容性の」情報と呼ぶ。内受容性の情報はあらゆる細胞から送られてくるとはいえ、消化管やその感覚メカニズムが脳に送るメッセージは、その量、多様性、複雑性において抜きん出る。消化管の感覚ネットワークは表面全体に分布しており、その総面積は皮膚の200倍、いい換えるとバスケットボールのコートとほぼ同じ大きさになるという事実を考えてみるとよい。そしてこのバスケットボールコートには、選手の動き、加速、減速、跳躍、着地などに関する情報を集める。無数の小さなセンサーが備わっているのだ。しかも、消化管が発するシグナルには化学物質や栄養などに関する情報も含まれるので、このたとえは、内臓刺激としてコード化される膨大な量の一部を表わすにすぎない。』
●消化管と脳を結ぶ情報ハイウェイ
・脳への内臓刺激の伝達には、迷走神経がとりわけ重要な働きをする。消化管を構成する細胞や内臓刺激をコード化するレセプターの大多数は、迷走神経を介して脳と緊密に連絡している。また、マイクロバイオータが脳に向けて発するシグナルのほとんどはこの経路を通る。
●セロトニンの役割
・『セロトニンは、腸と脳のシグナル交換に用いられる究極の分子である。セロトニンを含む細胞は小さな脳と大きな脳の両方に密接に結びついている。腸を本拠地とするセロトニン・シグナルシステムは、食物、腸内微生物、薬の作用によって生じた反応を消化器系の活動、さらには感情に結びつけるのに重要な役割を果たす。その一方、腸の神経や脳に含まれる少量のセロトニンには、それとは別の大事な役目がある。セロトニンを含む腸内の神経は蠕動反射の調節に関与し、脳内の一群の神経細胞は、さまざまな脳領域にシグナルを送って、食欲、痛覚感受性、気分など、生存に必須の一連の機能に影響を及ぼす。』
・腸では脳の感情をコントロールする中枢に直に結合する迷走神経の経路の近くに、膨大なセロトニンが蓄えられている。
●情報としての食物
・感覚レセプターが消化管壁に沿って広範かつ濃密に存在していることを考えると、消化管は消化に関する複雑なプロセスによって、また、そこに宿る100兆個の微生物が生み出す膨大な量の情報を常時脳に送っていることが分かる。つまり脳腸相関は、大量の情報収集、蓄積、分析、それへの反応という機能を考えれば、消化管は真のスーパーコンピューターである。細胞の数という点では脳をはるかにしのぎ、能力という点でも脳のいくつかの機能に匹敵する。
・体内に取り込まれた食物と感情の結びつきには、腸内微生物が注目すべき役割を担っている。

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セロトニンと迷走神経の関係について質問したところ以下のような回答でした。
『セロトニンは迷走神経の近くに多く存在し、両者は密接に相互作用していると言えます。この関係は、消化器系の機能、気分の調節、ストレス応答など、様々な生理的プロセスに重要な役割を果たしています。』
第4章 微生物の言語
●腸と脳のコミュニケーションを媒介する微生物
・腸は熱、冷たさ、痛み、張力、酸性度、含有栄養素に関する情報を監視している。腸の表面は大規模かつ高度な感覚系とみなせる。そこで発せられた内臓刺激は、ホルモン、免疫系のシグナル分子、そして迷走神経をはじめとする感覚神経の活動を通じて、小さな脳(腸管神経系)と大きな脳に伝えられる。
・『情動によって引き起こされる内臓反応は、ねじれや痙攣に限らず、無数の内臓刺激を引き起こす。内臓刺激は脳に送り返され、そこでそれをもとに内臓感覚が生じたり調節されたりし、また、その経験が情動的な記憶として蓄えられる。さらには、世界中の科学者が驚いたことに、内臓反応と内臓刺激の相互作用の統合に腸内微生物が大事な役割を果たしていることが、最近になってわかってきた。現在では、この目に見えない生命のかたまりが、ホルモン、神経伝達物質、あるいは代謝物質と呼ばれる無数の小さな化合物からなる種々のシグナルを介して、常時脳と連絡を取り合っていることが理解されるようになった。このような代謝物質は、微生物の特異な食習慣によって生成される。つまり微生物が、消化されなかった食物の残滓や、肝臓から消化管に分泌された胆汁酸、あるいは腸を覆う粘液を食べることによって生み出されるのだ。事実マイクロバイオータは、高度な生物化学言語―今後は「微生物語」と呼ぶことにする―を用いて脳と長い対話を行なっている。』
●微生物物語の夜明け
・『複雑な動物が進化すると、原始的な神経系は、消化器系外の精巧なネットワークとして発達しはじめる。このネットワークは腸管神経系と密接な関係にあるとはいえ分離しており、シグナル交換のメカニズムのほとんどを備えていた。新たに進化した精巧な神経ネットワークは、やがて中枢神経系へと発展し、頭蓋骨の内部に司令部を置くようになる。
中枢神経系は、元来はもっぱら腸管神経系が処理していた。状況に応じて他の動物に近づく、危険な動物を回避するなどといった外界に対する行動の管理を、徐々に受け持つようになっていった。やがて行動管理機能は情動を司る脳領域に移管され、腸管神経系は、基本的な消化機能だけを担当するようになる。この分業は、私たちの脳腸相関でも維持されている。』
●微生物語と体内インターネット
・腸と脳のコミュニケーションは、特定の分子が炎症シグナルとして脳と連絡を取る方式、ホルモンのように血流を伝わる方式、神経シグナルの形態で脳に達する方式など、伝送方式が異なるいくつかの並列的な「伝送経路」に沿って生じる。
・腸内微生物は多様でその数も多い。腸内微生物は、人体には消化不能な物質の消化が可能で、その活動を通して数十万種類の代謝物質が産生される。
・微生物が産生した代謝物質の多くは血流に入り、そこで循環するあらゆる分子のほぼ40%を占める。その多くは神経刺激性の物質と考えられており、神経系と交換し合うことができる。このような代謝物質には、大腸で吸収されて血流に入るものもある。このように血液循環に乗った代謝物質は、ホルモン同様、脳を含む様々な身体組織に達する。
・微生物の代謝物質が脳にシグナルを伝えるもう一つの重要な方法は、腸壁に存在するセロトニンを含む腸クロム親和性細胞を介したものである。