国語力

偏差値45からの東大合格 成績アップは「国語」で決まる!』の著者である神田直樹氏は、中学時代はドイツ・ミュンヘンの日本人学校に通い、帰国後NHK学園高等学校(通信制)に進学し、東京大学文科一類に合格されました。そして、現在は、個別指導塾「ヨミサマ」を運営する株式会社Overfocus代表取締役をされています。

画像出展:「東大新聞オンライン

画像出展:「ヨミサマ

本書に関心を持ったのは、単純に「凄い!」ということと、「国語が決め手とはどういうことだろう?」という疑問に加え、ブログ“英国のエリート教育”で知った、英国の“ザ・ナインと呼ばれている伝統校では昔から「文書作成」に力をいれており、この英国エリート高校の取り組みと神田氏の取り組みには何か共通点があるのだろうかと考えました。

著者:神田直樹

初版発行:2025年5月

発行:ダイヤモンド社

 

目次

Prologue

国語の勉強法を確立させて偏差値45から完全独学で東大合格

Part1

成績アップに直結!「記憶」は国語力がモノをいう

Part2

成績を底上げする「語彙力」の高め方

Part3

全科目成績アップにつながる「問題集」との上手なつきあい方

Part4

国語が得意な人の「問題文」の読む方

Part5

国語が得意な人の「問題文」の解き方

Part6

国語ができる人の「仮説」の引き出し方

Part7

多くの東大生が実践した国語力を高める「対話勉強法」

Part8

成績をみるみる伸ばす「勉強習慣」のつけ方

Part9

わが子の成績を伸ばすために親ができること

Epilogue

自分の人生を選び取るための武器となる「国語」

「頭がいい=国語力が高い」―僕はそう思っています。国語力を総合的に磨いておけば、それ以外はすべての科目の理解度も深まり、試験の成績も上がります。』

画像出展:「成績アップは「国語」で決まる!」

この「理解する力」、「熟考する力」、「伝達する力」の3つが重要であり、これらの力をつけるために神田氏は国語力を磨きました。読書は哲学書を中心に1日11時間、4ヵ月で200冊ほどの本を読んだとのことです。つまり、神田氏の国語力とは主に読解力を指していると思います。

ここで疑問に思ったことは、「読解力」と「文章作成力」はそれぞれ、どのような力を向上させるものなのかということです。

画像出展:「AI(Perplexity)が作成」

本を読むことも文書を書くことも知性を磨くうえで極めて重要ですが、「読む力」はパッシブ、「書く力」はアクティブな力だと思います。

昭和40年代、国語の授業で作文はありましたが記憶に残っているのは「感想文」くらいで、文章を書くことはあまり多くはなかったように思います。

そこで、今の日本はどうなのか、また欧米と比べてどうなのか調べてみました。

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文章作成教育の欧米との違い.pdf
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英国エリート校の文書作成力.pdf
PDFファイル 162.8 KB

これを見ると、日本と欧米では文書作成の質や目的が異なっているのが分かります。日本の場合は「感想文」や「生活文」が主であり、これは相手の気持ちを考えたり、協調性を高めたりするところに主眼があるように思います。一方、欧米の中学・高校では、主張を明確にし、理由と具体例で支える論理的文章(アカデミック・ライティング)を早期から訓練するのが特徴とのことです

続いて、1970年以降の日本における国語教育の変遷と現状について調べてみました。

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文部省による国語教育の変遷と現状.pdf
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文部省による取り組みは明らかに変化してきています。

1970年代以降の国語教育は、「詰め込み的な現代化 → ゆとりと個性 → 生きる力・言語力強化 → 主体的・対話的で深い学びと情報化対応」という流れで変化してきました。』

その一方で、世界的には日本人のリーダーシップは浸透しているとはいえないようです。その原因は以下となっています。

1.教育効果のタイムラグ:2008年以降の教育を受けた世代が社会の中核を担うには時間がかかる。 

2.社会・企業文化との乖離:学校で論述や討論を学んでも、就職後は年功序列・協調重視の環境に適応を求められる。 

3.評価軸の違い:日本の学校教育は依然として「正解を出す」ことに重きがあり、「自分の意見を持ち、主張する」ことへの評価が相対的に弱い。 

4.文化的要因の根深さ:「和」を重んじる文化や「出る杭は打たれる」風土は教育政策だけでは短期間に変わりにくい。

サッカーに関しては、3人の選手がドイツの所属チームでキャプテンを務めています。

長谷部誠氏:ブンデスリーガ・フランクフルトで公式にチームキャプテン(主将)を務めた初の日本人とされます。

酒井高徳氏:ブンデスリーガ・ハンブルガーSVで、クラブ史上初の日本人キャプテンとしてブンデス1部のチームを率いました。

遠藤航氏:ドイツ・シュツットガルトで正主将に選ばれた事例があり、日本人が伝統クラブでキャプテンマークを託された象徴的なケースとされています。

2008年に高校1年生だった人の多くは32歳です。10年後、これらの世代の人が40歳台になった時、日本にも新しい組織文化が台頭してきているかもしれません。日本らしく協調性を大事にしつつ、責任を全うする強いリーダーシップで、日本を再び豊かな国にしてもらえればと思います。

画像出展:「HISTORIST

一人当たりのGDPはG7では最下位、G20では9位というのが、今の日本のポジションです。

画像出展:「AI(Perplexity)が作成」