新3年生、2年生で戦う新人戦は、母校である埼玉県立浦和西高が南部支部の優勝校となりました。
上位リーグである県リーグ2部(S2)に所属する川口市立高校に競り勝ち、準決勝でも同じくS2のさいたま市立浦和高校との厳しい試合にも勝利することができました。ここ数年、市立浦和高校には常に先行されてきただけにOBにとっても会心の勝利でした。その勢いを維持し、決勝でも強豪の大宮南高校を破り、支部優勝を果たしました。
画像出展:「Yahoo」
県大会の出場権も手に入れ、初戦を突破すれば当面の目標ともいえる、県内ベスト8に入ります。その大事な一戦の相手は県リーグ1部(S1)の上位リーグ(プリンス2部)で戦っている西武台高校でした。
前半に失点を許したものの、0対1で折り返し、まだまだ勝負の行方は分からない試合展開でしたが、後半立ち上り3分にPKを与えてしまい0対2となった時点で、西高にとっては非常に難しい状況となり、終わってみれば0対4という厳しい結果になりました。
50年前、さいたま市ではなく浦和市の時代、野球一色だったスポーツ界でしたが、浦和ではサッカーが第一でした。そして、浦和市立南高校、浦和市立高校、埼玉県立浦和高校、県北にあった児玉高校、そして浦和西高の5校が県内では強豪チームとなっていました。当時のことを思い浮かべると、「ベスト4からが本当の戦い」と思って大会に臨んでいました。もっとも3年間で2試合、不甲斐ない試合をしてしまったことはあるので100%ではないのですが、思うに、この強い気持ち、「勝って当たり前」という強いメンタルが大きかったのではないかと思います。
言いたいことは、西武台vs浦和西の試合はメンタルにおいて、西武台>浦和西になっていたのではないかということです。この壁を突破できないと格上相手に勝つことは難しいと思います。
「どうしたらメンタルを強くすることができるのだろうか?」と思って、見つけたのが今回の『サッカーメンタル強化メソッド』でした。霧が晴れるというか謎が解けたというか、素晴らしい内容の本だったため思わず顧問の先生にメールしてしまいました。
はじめに
モチベーションと競技力
1 モチベーション
2 外発的動機付けのエスカレート性
3 指導者、親は気をつけたい外発性動機付けの報酬
4 やる気の勘違い
5 目標とモチベーション
6 結果目標
7 目標設定の書き方 ―8つのルール―
8 プロセス目標
9 目標設定を日常生活で活かす方法
10 仮説を立てて行動してみよう
11 アチーブメント・ゴール・セオリー(達成目標理論)
12 目標設定の注意点
13 指導者に求められること
14 目標設定用紙との上手な付き合い方
15 指導者にとっての「モチベーター」、「ディモチベーター」の分かれ道
16 継続的モチベーションを持つために必要な自分の型
イメージトレーニング
1 実力発揮とイメージトレーニング
2 対応策の蓄え(ソリューションバンク)
3 メンタルコーチの重要性を痛感した2014年W杯でのブラジル代表
4 サッカーで「2点リードは危険なスコア」と言われる理由
5 新たな技術、戦術を身につけるためのイメージトレーニング
6 2種類の真似学習
7 五感を使うことの重要性
8 イメージ力を上げるための工夫
9 ボトムアップ理論
10 試合当日のイメージトレーニング
11 プロ選手が試合のためのバス移動で音楽を聴く理由
セルフコントロール
1 自信の作り方
2 準備からの自信を作る
3 理想的な心理状態とは
4 集中力とその種類
5 広島がG大阪に逆転勝利した試合
6 試合前は多くを話さない。できるだけシンプルに
7 「ゾーン」を作るには
8 リラックスするためにはどうしたらいいか
9 斬新的筋弛緩法でリラックス
10 練習への落とし込み方
11 コントロールできないものはコントロールしない
12 パフォーマンスルーティーン
13 ポジティブシンキング
試合に対する心理的準備
1 試合当日の朝の使い方
2 調子の良かった日、悪かった日の分析
3 会場の下見
4 試合当日に喋り出す選手と無口になる選手
5 ドーピングは“勝ちたい”からするのではない
6 指導者は結果を求めていいのか?
7 心理的な柔軟性
8 サッカーにおけるコミュニケーション
9 話し上手、喋るのが得意なだけではリーダーシップは発揮できない
10 ノンバーバルコミュニケーションを用いて心理的に優位に立つ方法
11 チームビルディング
12 リンゲルマン現象
参考文献
おわりに
モチベーションと競技力
1 モチベーション
・モチベーション(やる気)がなければ、メンタル強化は意味がない。宝の持ち腐れである。
・人間のモチベーションは「外発的動機付け」と「内発的動機付け」の2つがある。重要なのは「内発的動機付け」であり、「自己決定理論」とも呼ばれる。これは自分で考えて行動していく力を養うことにより成長する。
4 やる気の勘違い
・やる気の根源は、自分の中で「やれそうだ」、「できそうだ」というポジティブな見方が増えていくことで生まれる。
・「やる気は周りや結果が作るもの」は勘違いである。この勘違いをなくすことが、サッカーのメンタル強化には必要である。人間の理想的なやる気というのは、自分でしか作ることができない。
・モチベーションに有効なものは目標設定である。
5 目標とモチベーション
・目標設定はメンタルトレーニングのベースになるものである。目標がなければメンタル強化はうまくいかない。
・明確な目標があるからこそ、人はやる気が出て、強い気持ちで前へ進んでいくことができる。
・目標設定には「結果目標設定」と「プロセス目標設定」の2種類がある。
9 目標設定を日常生活で活かす方法
・目標は意識することである。意識すると頭の中にある“センサー”の感度が良くなる。そして、見たもの、聞いたものをどうやって活かすのかを考えるようになる。
・「こうすれば、こうなるんじゃないか?」と行動に仮説を立てて、実際にやってみる。このやり方を繰り返すことで、少しずつ目標達成に近づいていく。
11 アチーブメント・ゴール・セオリー(達成目標理論)
・目標に対する考え方、捉え方でその人のやる気、行動、感情が変わってしまうという理論が「アチーブメント・ゴール・セオリー(達成目標管理)である。
・『自我目標思考性が強い人というのは成績を考えた行動をします。これも行動が変わります。さらに言うと、課題目標思考性が強い人が目指すものは自分の新しい技術の習得や自分自身です。つまり、進化、グレードアップを目指すわけです。自我目標思考性が強い人は結果、評価、比較を重視して、目指すべきものが好成績と高評価になります。こうなると、情報の進め方、対応の仕方が変わってくるわけです。つまり失敗やミスというものに対する考え方、対処の仕方に関し、課題目標思考性の強い人は、失敗やミスに対する対処として「すぐに切り替えて次の準備」、「一つ発見できた」、つまり「成功の情報源を得られた」というプラスの捉え方になります。
しかし、自我目標思考性が強い人は「ミス、失敗=低評価」の情報源となります。評価が下がる情報と考えるわけです。自分自身の成績が下がる情報源となりますので、それを隠そうとしたり、不安を見出してしまう。これにより次のプレーの質も変わってくる。当然ながら、その影響はプレーにも出てきます。ミスを恐れたプレー、失敗を恐れたプレーによって、ますます視野が狭くなる。味方しか見ることができなくなってしまいます。サッカーは相手あってのスポーツのはずですが、重要な相手が見えなくなってしまうのです。そうした状況で起きてくるミスとしては、相手の残像にパスを出したり、できることだけを一生懸命、惰性的にやろうとして無理やりドリブルでゴリゴリやってボールを失う。難しいシュートを無理に打って外してしまう。味方に出そうと思って出したものの、手前に相手がいて真正面でカットされてしまう。
しかし、課題目標思考性が強い人はミスをチャレンジに変えますから、ミスする度に次のプレーを模索したり、ミスも次の駆け引きに利用します。つまり、目標というものを考えた時に、結果目標が大切ですが、そのためのプラン・プロセスというのが大事になるわけです。
プラン・プロセスからどんな気づきがあって、近い将来どういう役に立つのかということが大事なのです。つまり、結果を出すためだけでなくて、そのための中身、工夫、内容、小さなプラン、これが大事になってくるということです。』
12 目標設定の注意点
・「いけそうだ、できそうだ」というのが“結果期待感”である。ミスに対して「ミスは気づきや発見だ」と捉えることができれば、ミスも「よい結果につなげられる」とイメージすることにより、自分自身で“結果期待感”を上げることができる。
・“効力期待感”は自分の長所や得意なプレーに対して、それを「このチームにとってこう役に立つ」とか「こうやれば点が取れそうだ」といった具体的なプランを考えることで得られる。
・「こうすれば」、「こうやれば」という工夫を増やす。そして「今すべきこと」に意識を向ける。この作業は自信の構築にもつながる。
13 指導者に求められること
・『「どんなことに気づいたか?」、「どんな見立てを立てたのか?」という質問をどんどんしていきましょう。選手が持っていたイメージ、どんなチャレンジをしたのか、どんな欠点、見立てを立てていたのか、それについての質問をしていくことが大切です。練習、試合においてはあまり局面的な結果をその場で評価しないということも大事です。』
14 目標設定用紙との上手な付き合い方
・やらされているという意識では忍耐力が続かない。大切なことは自己実現意欲である。
15 指導者にとっての「モチベーター」、「ディモチベーター」の分かれ道
・モチベーターとはリーダーである。選手に「目標達成は可能」という気持ちにさせられる人である。選手のトライ&エラーを寛容に受け止め、それに対して選手に適切なフィードバックを行う。一方、「お前なんか・・・」といった言葉はディモチベーターの特徴である。


