塩と高血圧1

昨年夏、母親が定期的に行っている血液検査で、軽い“低ナトリウム血症”と診断されました。この頃、母親は時々頭痛を訴えていました。更に、たまにですが「気持ちが悪い(嘔気)」と発するときもありました。

水分には気を遣っていましたが、塩についてはノーマークでした。また、塩というと血圧と腎臓病との関係から、“減塩”を意識し、実際、減塩醤油や減塩味噌を使っていました。塩といえば、「減らすべきもの」という先入観を持っていました。

塩は腎臓病患者さまにとって要注意とされていますが、特に中高年の腎臓病の患者さまの場合、高血圧の薬を服用されている方が多く、以前から“高血圧”については詳しく知る必要があると感じていました。

このような経緯から、今回は“塩と高血圧”をテーマとしたのですが、最初に拝読したのが『塩を変えれば体は良くなる!?』という、まさに塩について詳しく説明されている本でした。そして、この本の中で青木久三先生を知り、青木先生の著書の中から、一般の人向けに書かれた『減塩なしで血圧は下がる』という本で勉強させて頂くことにしました。

高血圧に詳しくない私にとっては非常に勉強になったですが、ご注意頂きたいのはこの本の出版が昭和59年(1984年)4月と36年前に書かれた本であるという点です。最新の知見とは合わない部分もあるかもしれません。少なくとも、日本高血圧学会が発表している”高血圧治療ガイドライン”とは差があります。 

 

 

画像出展:「日本心臓財団

下記の図は、“降圧剤を使用するときの年齢別降圧目標”になります。

青木先生は、前提として「高血圧の人は正常血圧まで下げることを目標としない」というお考えですが、その理由は次の三つです。

1.無理な降圧は体への負担が大きく、血圧低下に伴う血液不足によるリスクが大きくなる。

2.高血圧の人は、もともと高めの血圧の方が体に適している。

3.降圧剤が増えれば、それだけ副作用のリスクが高まる。

画像出展:「減塩なしで血圧は下がる」

著者:青木久三

出版:1984年4月(昭和59年)

発行:主婦の友社

 

減塩を否定する本のため、目次の中には「どうなんだろう?」と疑問に思う項目も多く、そのため、青木久三先生のプロフィールを目次の前にご紹介することにしました。

また、私にとっては新鮮なお話ばかりで、ブログがかなり長いものになってしまったため、5つに分割することにしました。

ブログは要点と感じた部分をまとめる形式が大部分ですが、正確にお伝えしたいと思った個所は、そのまま引用させて頂きました(『』括られています)。また、目次の中の灰色の項目に関しては触れていません。

著者ご紹介

昭和8年名古屋市に生まれる。昭和33年名古屋市立大学医学部を卒業後、京都大学大学院をへて、名古屋市立大学医学部第二内科入局。昭和39年から約3年間、アメリカ・クリーブランドクリニックの研究所で、高血圧の世界的権威ページ博士より指導を受ける。次いで、昭和43年から1年間、米国文部厚生省(NIH)の主任研究員を委嘱され、現在、名古屋市立大学医学部助教授[1984年時点]

昭和57年には、高血圧学会のノーベル賞といわれる高血圧学会賞を米国心臓学会より受賞。現在[1984年時点]、日本高血圧学会評議員、米国心臓学会高血圧誌編集委員。国際高血圧学会所属。

専門は、内科学、循環器病学、高血圧病学。

主な著書に「高血圧の臨床―本態性高血圧症と二次性高血圧―」「本態性高血圧症とその治療」、「Ca拮抗剤の基礎と臨床」(共著)、「Ca拮抗剤の最近の知見」(共著)、「臨床心臓病学」(共著)がある。この他、ネイチャー、サイエンスをはじめとする外国の学術誌に英語の論文も多数発表。

米国心臓学会 高血圧学会賞:失礼だと思いましたが、ちょっと調べてみました。下記のページをスクロールして頂くと、”1982”のところに、3人の先生の氏名が出ています。青木先生は、Kyuzo Aoki, MDです。

 ”CIBA Award for Hypertension Research 1996

目次

第一章 塩をとっても血圧は上がらない 血圧対策の常識が変わった

塩は高血圧とほとんど無関係であることが判明した

減塩のしすぎはかえって体に異常をきたす

塩を減らさなければいけない人は意外に少ない

こんな人は塩を気にする必要はない

減塩が必要な体質かどうかを知るチェックポイント

治療が必要な高血圧の人は案外多くない

食事からとるコレステロールを気にするのは無意味で大きな誤り

貝やイカはコレステロールを上げるどころか逆に下げることがわかった 

人気のリノール酸は逆に血管を傷め、動脈硬化によくない

動脈硬化によいと評判のビタミンEにひそむ重大な死角

中年からジョギングを始めるとかえって危険なことが多い

60歳を過ぎてからの高血圧は心配しなくてよい

塩よりも肥満のほうが血圧を上げていることを忘れてはいないか

第二章 高血圧は塩が原因ではなかった 突き止められた血圧を上げるメカニズム

高血圧の専門医もまちがう高血圧の本当の意味

これだけはまず知っておいてほしい高血圧の基礎知識

高血圧があなどりがたい重大な成人病であると言われる理由

「高血圧=塩」の神話はいかにして作られたか

一匹のネズミが従来の誤った学説を放逐した

食塩を減らしても血圧が下がらない場合が多いことが証明された

高血圧の遺伝は「メンデルの法則」を抜きに考えられない

血圧はこのような仕組みで調節されている

血管の太さを調整し、血圧を調節する物質がわかった

生まれつき高血圧になりやすい人は血管の細胞膜に異常がある

突き止められた血圧を調節する細胞膜の仕組み

高血圧の人は、もともと血管の筋肉が収縮しやすい

第三章 血圧はこの方法で下げなさい あなたのやり方では高血圧は治らない

高血圧と心臓病の危機を脱した私の体験から話そう

動物性タンパク質を十分とると狭心症や脳卒中も防げる

みんなが敵視する肉は、実は血圧が高い人にも必要な栄養食

血圧の高い人にはまるごと食べられる卵や小魚が最高の治療食

水を十分に飲むと脳卒中にも心筋梗塞にもなりにくい

寝しなに水を飲めば、明け方に多い心臓発作が防げる

十時と三時のお茶は、高血圧の人に欠かせない大切な健康法

起き抜けのラジオ体操を実行すれば、一日じゅう血圧を低く保てる

朝晩散歩する習慣をつけるかどうかで高血圧の合併症予防にこれだけ差がつく

血圧が高めの人は、昼休みに碁や将棋をしてはいけない

体重を5キロ減らすだけで高血圧が治ることがある

血圧の重い人が重い荷物を持つのは非常に危険

階段の駆け上がりは、高血圧の人には絶対にすすめられない

血圧はちょっとしたことで大いに変動する

高血圧の人でも眠っている間の血圧は低いことを知ってほしい

私がすすめる高血圧の人のための特効献立

第四章 効き目に差をつける降圧剤の使い方 安易な服用はかえって危ない

降圧剤に関する無知と誤解があまりにも多すぎる

「降圧剤は一生服用しなければならない」というのは迷信にすぎない

降圧剤はこんな人に使ってはいけない

降圧剤で正常血圧まで下げてしまうのは、大きな誤り

これだけは知っておきたい降圧剤の種類と副作用

降圧剤は一種類から始めるのが理想的

副作用がなく、血圧を即座に下げる薬が開発された

なぜこの薬は、こんなにすばらしい効果を発揮するのか

従来の降圧剤より、ここがこれだけすぐれている

降圧剤の副作用は、カルシウム拮抗剤をいっしょに使えば防止できる

カルシウム拮抗剤の効きめを最も高める使い方

緊急事態を招いた重症高血圧でも、この薬を使えば簡単に危機を脱出できる

降圧剤は、高血圧の程度でこのように使い分けよ  

第五章 高血圧の不安を一掃する早わかり相談 この知識であなたの血圧対策は万全なものとな

実のところ塩はどの程度とればよいのでしょう?

高血圧の人にとって最も大切な食事の注意を教えてください

高血圧の人が、ぜひ避けなければならない食品は何ですか?

血圧が高い人がやってはいけない健康法はありますか

万能降圧剤のように思えるカルシウム拮抗剤に欠点はないのですか?

カルシウム拮抗剤は日本でも広く使われているのでしょうか?

降圧剤を山ほどもらってきます。やはり全部飲むべきでしょうか?

飲み忘れた降圧剤を、次回にいっしょに飲んでもかまいませんか?

塩を減らさなければいけない高血圧のタイプを教えてください

高血圧家系の人は、何歳ごろから、どのような点に注意すればよいでしょう?

酒とタバコは、やはり百害あって一利なしなのでしょうか?

健康にいいと言われるカルシウム剤も高血圧の原因になりますか?