サッカー上達法を考える

小学校からの友人にKサッカー少年団中毒のIさんがいます。いつも、「凄いな~」と感心しています。

そんなこともあって、「最近の少年サッカーの育成法はどんなもんだろー」と興味をもち、クラウス パブストのモダンフットボールというDVDを見つけました。

続いて、もし「50年以上前にこのような教材があったらどんなことになっていただろう?」との思いが浮かびこの中古DVDを買ってみました。

うまくなりたいと思い、シュート板に向かってボールを蹴ったり、ひとりでドリブルしたり、リフティングをしてみたりと、練習が休みの時も時々個人練習をやっていました。

今回。このDVDを見て練習の奥深さを実感しつつ、「もっと頭を使って練習していたらうまくなっただろうな~」と後悔しました。また、特に3対3などの実戦的な練習は個々の要素の結集でもあり、非常に重要だなと再認識しました。

もし、誰よりも3対3の実戦練習をうまくできるようになりたいとしたら、どんな事に心がけて練習をしたら良いのだろうかと思い、小中学生に戻ったつもりで真剣に考えてみました。

監修:クラウス・パブスト

発売元:株式会社イースリー

まず、その前にこのDVDがどんな内容なのか、概要をお伝えします。

CONTENTS

メッセージ

クラウス・パブスト プロフィール

DVDの特徴

コーチングメソッド

コンセプト

ドリブル/フェイント

・ボールプラックティス1

・ボールプラックティス2

・ボールプラックティス3

・シューティング1

・シューティング2

・ミニゲーム1

・ミニゲーム2

・ミニゲーム3

パス

・ボールプラックティス1

・ボールプラックティス2

・ボールプラックティス3

・シューティング1

・シューティング2

・ミニゲーム1

・ミニゲーム2

・ミニゲーム3

ボールコントロール

・ボールプラックティス1

・ボールプラックティス2

・ボールプラックティス3

・シューティング1

・シューティング2

・ミニゲーム1

・ミニゲーム2

DVDの特徴(CHARACTERISTIC OF THE DVD)

・サッカー(実戦)、テクニック、トレーニングを提供する。

・3つのサッカー技術を向上させる

1.ドリブル・フェイント

2.シューティング

3.ミニゲーム

・「ボールプラックティス」と「シューティング」は反復練習を通して、技術とフィジカルを向上させる。

・「ミニゲーム」では、選手は試合のような環境下で、ボールプラックティス&シューティングで得た技術を応用することができ、ゲームの知性を養うことができる。また、ミニゲームを行うことで、これらのトレーニングで得た、「テクニック」「判断」「フィジカル」を効率よく発揮することができる。

・豊富な種類のトレーニングにより「ゲームで反映させる」アジリティ能力を最大限に引き出すことができる。

・「ボールプラックティス」は試合前のウォーミングアップに使うことができる。

・選手のセルフトレーニングに使えるトレーニングが多い。

・このDVDのトレーニングはブンデスリーガチームのJrアカデミーで使われている。

画像出展:「モダンフットボール」

ーチングメソッド(COACHING METHOD)

・試合で使われるテクニックは多くの「繰り返し練習」によって学ばれるものである。

・実戦で発揮するためには「繰り返し練習」が必須である。

・ミニゲームでもほとんどは「基礎技術」(ボールプラックティスとシューティング)である。

・練習の強度を細かく変えていくことが重要である。

-選手間の距離を変える。

-選手を減らして一人当たりの負荷を高める。

-エクササイズのスピードを変える。

-2対2や3対3の対人トレーニングの時間を変える(最長3分)。

-合間のインターバルは少なくとも1分の休みを取る。

・ドリブルだけ、戦術だけと個別に行うのではなく、実戦と同じく、様々な要素を融合させることで、高効率的なトレーニングになり、技術とフィジカルを同時に高めることができる。

ライフキネティック

『ライフキネティックは、誰でもできる簡単な動きを通じて脳に刺激を与え、脳機能の向上と神経の伝達機能強化を促すことを目的としています。ライフキネティックは脳科学、運動学などを融合したプログラムで、数多くの研究所からライフキネティックに関する調査や研究の結果が出ています。

ケルン大学やマンハイムメンタルヘルス中央研究所で、ライフキネティックの効果検証が行われ脳機能の改善がみられたという検証結果が発表されています。

-目で情報を取り入れて、頭で考え、実際に動かす。このような連動した流れを養うことも重要である。

-トレーニングにおいて、マーカーの色やコーチの合図に合わせて進行方向を変えたり、視覚、情報処理と実行の組み合わせを取り入れたメニューを組み込むことも必要である。

-「ライフキネティック」によって鍛えられるのは、①ボールを扱う技能 ②視覚的な能力 ③認知の能力 ④インテリジェンス である。

コンセプト(CONCEPT)

「コーチ自身も楽しむ」

・サッカーにおいて「正解」はない。それは指導方法についても同様である。

・特に単調な反復練習は選手もコーチも飽きてしまい、大切な集中力も欠いてしまうため良い練習にならない。

「新鮮で新しく、飽きさせないメニュー」

・エクササイズとミニゲームは「ハードワークトレーニング」と「遊びの雰囲気」の2つを両立させる必要がある。

・経験の浅く、自分のメニューに自信のないコーチは、自問自答して「楽しい」と思える練習を行うようにする。

画像出展:「モダンフットボール」

DVDで特に印象に残ったクラウス パブストコーチの言葉

●最も大切なのはトレーニングには様々なバリエーションやオーガナイゼーションがあり、それらを理解した上で質の高いトレーニングを行い選手のレベルを上げることである。

●反復練習ではたくさんボールに触れる機会を作る。

●基礎練習で習得した技術(シュートに繋げるためのドリブル/フェイントやシュートにつなげるパス、ボールコントロール)でゴールの奪い方を学ぶ。

●指導の際に心がけているのは、「雰囲気づくり」である。それは選手にとって心地良い状況であり、楽しめる環境を作ることである。人は快適な環境の中で良いパフォーマンスを発揮できる。

選手がトレーニングに集中できれば選手は何かをつかむ。

ジュニアの重要な戦術は、ボールを持たない時の動きの質とボールを持った時のアイデアである。

●弱点を克服する以上に、強みを伸ばすことが重要である。

●パス練習の工夫では、仲間とタイミングを合わせる。顔を上げて自分の位置を確認しアイコンタクトを心がける。

●ドイツではコーチは子供の立場になって考えるようにと言われる。これは選手になったつもりで考えるという意味である。

3対3の実戦練習を誰よりもうまくなるための要素

[ボールをもっている時]

1.ボールを取られないボールコントロールのテクニック(=キープ)

●ボールと相手の間に自分の体を入れてボールを相手から隠すテクニック。

・ボールを細かくタッチできるテクニック(力の加減)。

・足の内側、外側、足の甲、足の裏で扱えると、よりキープのテクニックは向上する。

・左右の足で同じようにできると、よりキープのテクニックは向上する。

2.ボールを自分のコントロールできる範囲に止めるためのトラップの技術

●敵に取られないところにボールをトラップする。

・パスを出しやすい場所にトラップする。

3.相手にとられず味方にパスするキックの技術

●パスする味方がどこにいるか分かる。味方は2人いる。

・キープしながら、顔をあげることができる。

・キープしながら、周りを見て2人の味方(A・B)の場所が分かる。

・キープしながら、周りを見て2人の味方(A・B)にパスが出せる状況かどうかが分かる。

●相手に取られない場所に正確に蹴れること。

・足の内側、外側、つま先など、もっとも適切な蹴り方を選択して、適切なパススピードで蹴れること。

[ボールをもっていない時]

4.キープしている味方からパスをもらえる場所にいる。

●敵から離れなければならない。

・味方がパスを出せる瞬間に、味方がパスをだせる場所にいなければならない。

・味方がパスを出せない状況では、敵につかれていても問題はない。

●もう一人の味方と同じ動きをしてはいけない。2つのパスコースを作る

・キープしている味方とボールを持っていないもう一人の味方の場所と状況を把握できる。

※決定力

「日本人選手は決定力が課題である。ストライカーが育たない」などと言われ続けていますが、3対3の実戦練習を本気で取り組めば、以下のような得点を取るための技術は身につきます。残るは誰にも負けない得点に対する強く、冷静な気持ちとゴールイメージだと思います。

・シュートできる最適な場所に置く(トラップする)。

・ゴールとGKの位置を把握する。

・冷静に狙った場所に蹴る。

感想

「繰り返し練習」が非常に重要であることは間違いありません。また、目的、目標、問題意識、そして創意工夫の気持ちを持ち続け、楽しむこと。そして、小さな発見を積み重ねることが重要だなと思いました。

また、DVDの中の練習は高度なもののありますが、楽しさと集中力が伝わってきます。昨日より今日、今日より明日と少しずつでもうまくなりたいと思って日々工夫すること、そして、たくさんボールに触れることが最も大切なことだと思いました。