統合医療について調べていたところ、この「統合医療情報発信サイト」を見つけました。
これは厚生労働省による運営サイトで、非常によくできていると思います。簡単に概要をご紹介させて頂きます。
「統合医療」情報発信サイトは、統合医療について信頼できる、正しい情報を紹介しているウェブサイトです。
情報発信が目的なので、事実に基づいた有益な内容であれば、海外発のレポートでも全く問題ないと思います。その海外情報の発信元は現在のところ、NCCIH:国立補完統合衛生センター[米国]、NCI:国立がん研究所[米国]、ODS:国立衛生研究所(NIH)内のダイエタリーサプリメント室[米国]となっています。
また、「統合医療エビデンス」の中の「コクランレビュー」にアクセスすると、臓器・疾患別に整理された[補完代替医療]のトピックスが充実しています。ただし、こちらは和訳されていないものもあります。
医学論文のシステマティック・レビューを行なう国際的団体のコクラン共同計画が作成されているものです。
ところで、「そもそも、厚生労働省の統合医療に対する取り組みの目標、目的などはどうなっているんだろう?」
と気になり、調べた結果は以下のようなものでした。
・平成22年2月:統合医療プロジェクトチームを厚生労働省内に設置。
「統合医療」に関する現状の把握 と今後の取組方策について概括的に検討。
・「統合医療」に関する知見の創出を目的として、厚生労働科学研究が実施された。
・ 平成21年度 8課題(予算額:約8千万円)
・ 平成22年度 34課題(予算額:約10億円)
・ 平成23年度 36課題(予算額:約 8億4千万円)
・並行して「統合医療」に関する実態把握等を目的として、平成22年度の厚生労働科学特別研究において、以下について研究を実施。 (予算額;約1,200万円)
・「統合医療」に関する科学的な評価法の検討
・国民による「統合医療」利用の調査
・海外における情報発信に関する調査 等
・平成25年2月「これまでの議論の整理」が発表された。
「おわりに」には次のことが書かれています。
『本検討会では、今後の「統合医療」のあり方に関し、様々な議論が交わされた。 一例としては、これまで近代西洋医学が、国民の健康の向上に大きな成果を挙げてきた一方で、様々な病態が解明されていくに従い、医師等の専門性が臓器別等に細分化されていく中で、患者全体を診る全人的医療の重要性が話題に上った。また、医師をはじめとして各種の医療従事者等が連携して関わっていくチーム医療の重要性も改めて指摘された。 このように、今回の検討においては、個別の療法の如何に関わらず、医療とはそもそも誰のためのものであり、今後どうあるべきかといった根本論について思いを致す場面があった。 これらの議論は極めて本質的なものと言え、今後、「統合医療」に関する科学的知見が集積され、その詳細が明らかにされていく中でも、医療に関わる様々な立場の者にとって、引き続き意識されるべき命題と言える。』
そして、平成27年度に向けて以下のような要領が発表されました。これを見ると、 情報発信及び情報発信に伴う照会等、 国内外研究機関との連携、 「統合医療」サーベイランスが今後の取組の柱になるようです。