3章 コロナワクチンと自己免疫疾患
●コロナワクチンと肝炎(2) T細胞依存性自己攻撃による新しいタイプの肝炎か
・『ファイザーの内部文書によると、筋肉注射された脂質ナノ粒子は全身に運ばれ、最も蓄積する部位の1つが肝臓です。スパイクタンパクは免疫組織化学による解析(スパイクタンパクに対する抗体での解析)では肝臓で確認されませんでした。これは2回目ワクチン接種時から27日後に行われたため、時間が経ち過ぎたせいかもしれません。また、T細胞が認識するのはスパイクタンパクそのものではなく、細胞表面に提示されたスパイクタンパクの断片の抗原決定基(エピトープ[相補的な抗体が特異的に結合する小さな部位])です。それぞれの抗体が認識するのもタンパク内の1つの小さなエピトープであり、T細胞と抗体のエピトープが異なっているために抗体による解析では検出できなかったことも考えられます。むしろスパイクタンパクそのものが検出されなくなった時期でも、スパイクタンパクの一部を目印として持つ細胞に対するT細胞の攻撃が続く可能性があります。
まとめると、スパイクタンパクを認識する細胞障害性T細胞が活性化して肝臓に滞留しており、肝炎の症状はそうしたT細胞の挙動と一致するということです。スパイクタンパクを持つ肝臓の細胞をT細胞が攻撃した結果、肝炎を発症したと推測されます。
コロナワクチンの目的は抗体と細胞性免疫の両者を誘導することです。さらに遺伝子ワクチンの仕組みからすれば、ヘルパーT細胞だけではなく細胞障害性T細胞ができるのは自然なことです。
コロナワクチンの遺伝子ワクチンの作用機序では、スパイクタンパクは細胞内で生産されるためにクラスⅠMHC上にウィルス抗原を提示することになります。つまり、コロナワクチンを取り込んだ細胞はコロナウィルス感染状態を模倣した細胞であり、そのまま細胞障害性T細胞に駆逐され得る運命にもあります。今回紹介した論文は、スパイクタンパクを認識するT細胞が肝臓に集まり、肝炎の原因となっているという報告です。肝臓はコロナワクチンが一番集積しやすい臓器であり、肝臓細胞でスパイクタンパクを生産している可能性は充分考えられます。そうした細胞がT細胞によって攻撃されて肝炎を発症したのではないでしょうか。
タンパクに対する抗体を持っているかどうかを検査することは難しくありません。抗体はタンパク上のエピトープに直接結合するので、タンパクを抗原として用いれば、多様なエピトープに対する抗体をまとめて検査できるからです。T細胞の抗原特異性を検査するにはウィルスの断片とMHCの組み合わせが必要です。タンパクの断片の1つずつを検討しなければならないのですが、さらにMHCの個人差が非常に大きいため、同じT細胞でも人によって抗原に対する反応性も異なります。抗原特異的T細胞を検出することは技術的に簡単ではないのです。
コロナワクチン後遺症として免疫系を攻撃する作用機序には、①自己免疫疾患、②抗体依存性自己攻撃に加えて、③T細胞依存性自己攻撃があることがわかってきました。今回の論文は氷山の一角であり、T細胞依存性自己攻撃は実験によって検出されるよりもはるかに多いでしょう。』
4章 様々なコロナワクチン後遺症
●コロナワクチン接種後の心筋炎および心膜炎および性別による危険度
・心筋は心臓を構成する筋肉であり、心膜は心臓を包む結合組織性の膜である。心筋炎、心膜炎はこれらの炎症性疾患である。
・心臓の癌が極めて珍しいのは心筋の細胞は増殖しないからである。これは、心筋は一度損傷すると回復するのが難しいということを意味している。
・心筋炎は、多くは風邪症状や消化器症状などの前駆症状を伴うが、これらの自覚症状がない場合もある。また、前駆症状の1~2週間後に、胸痛、心不全症状、ショック、不整脈などの症状を呈する。
7章 新型コロナウィルスは人工ウィルスか?
●奇妙なオミクロンはどこから来たのか?
・オミクロンは明らかにアルファやデルタのような初期の亜種から発展したものではない。
・オミクロンはこれまで公開されてきた数百万のSARS-CoV-2のゲノムとは大きく異なる。他の株から分岐したのは2020年の中頃ではないか。

画像出展:「コロナワクチンが危険な理由2」
『それぞれの点はウィルスの塩基配列です。点と点との距離は進化上の距離、つまりお互いの塩基配列の相同性を表します。縦軸は突然変異の数、横軸は時期です。この図からわかるのは、オミクロンは他の変異株よりも突出して変異が多いこと、進化上の距離がかけ離れていること、2021年10月に突然現れて塩基配列上も時間的にも進化上の中間体が見つからないことです。これを見ると、オミクロンの前身が1年半以上もどこに潜んでいたのか? という疑問が湧いてきます。』
・オミクロンの前身が1年半以上もどこに潜んでいたのか? という疑問に対して、Science誌の中で科学者達はいくつかの可能性について述べている。
①COVID-19に慢性的に感染している免疫不全症の患者の中で発生した可能性。
②ウィルス監視や配列決定がほとんど行われていない集団の中で循環し進化した可能性。
③人間以外の生物種で進化し、それが最近になって再び人間に流入した可能性。
④アフリカのワクチン接種率が低いため。
・現時点では、オミクロンの起源と同様にオミクロンの進化の過程は未知のままである。
●フーリン切断部位の謎
・『コロナウィルスの大きな謎の1つに「フーリン切断部位」があります。フーリン切断部位は新型コロナウィルスの感染力に関わるのですが、これはSARS-CoVを含む近縁のコロナウィルスには本来見られないものです。では新型コロナウィルスが進化の過程でどうやってフーリン切断部位を獲得できたのか? このことはコロナ騒動の当初から一部の科学者の間では議論の的になっていました。
フーリン切断部位の配列が、モデルナ社が特許を取得した遺伝子上の配列と一致することを報告する論文が2022年2月に発表されました。
この特許が出願されたのは、コロナ騒動が始まる数年前の2016年です。
そのため新型コロナウィルスが人工ウィルスではないかという議論が現在再燃しています。』
※“伊崎労務管理事務所”様のサイトに「フローリン切断部位」などに関する解説が出ていました。
●変異株を含めて新型コロナウィルスは人工ウィルスではないか?
・『もしもこのウィルスが本当に人工のものならば、そもそも各国におけるコロナウィルスの流行すらも自然なものなのかどうかを考えてしまいます。その場合はもはや性善説に基づく常識的な科学や医学からの判断だけでは対応できないでしょう。
この解析につきましては論文形式としてまとめ、現在プレプリントサーバにアップロードしています。原文をお読みになりたい方はこのURLからアクセスしてください』
Mutation signature of SARS-CoV2 variants raises questions to their natural origins. Hiroshi Arakawa
8章 コロナワクチンの副反応は他者に伝播するか
●コロナワクチンシェディング
・『SNSや私のブログのコメント欄でも、コロナワクチン接種者から他者への副反応の伝播をうかがわせる報告が散見されます。いわゆる「シェディング」です。本来の「ワクチンシェディング」とは、生ウィルス(ウィルスそのもの)を使ったワクチンを打った人間がウィルスに感染してしまうことによってウィルスを周囲に放出するという現象です。そういった意味では、そもそも生ウィルスを用いていない遺伝子ワクチン接種者から他者への副反応の伝播を便宜的に「シェディング」と呼ぶことにします。
シェディングの症状で多く耳にするのは、月経不順や不正出血などの生殖系の異常です。そして、皮膚症状、頭痛、関節痛、下痢など報告される症状はある程度共通しており、具体的なものが多く、一概にその全てが気のせいや勘違いまたは捏造だとは言えなさそうなのです。そしてシェディングの症状を訴えるのは、基本的にワクチン接種者ではなくて非接種者です。したがって、ワクチン接種者が社会の大半を占める現状においては、シェディングを感知し得る人自体が少数派ということになります。
シェディングの現象が確かにありそうだと思える根拠の一つが、しばしば耳にするコロナワクチン接種者の「体臭」が変わるという体験談です。体臭に現れるということは「ワクチン接種者が何らかの揮発性の物質を分泌」しており、それが「他者が嗅覚受容体で感知し得る」物質であることを意味します。実際に嗅覚受容体遺伝子の数は膨大であり、また嗅覚受容体にはゲノムレベルでの差異が数多く存在するため、認識できる匂いにも個人差が存在します。このため全ての人が「接種者特有の匂い」を感知できなかったとしてもおかしくはありません。私を含め、接種者の体臭に変化などを感じた体たお験が特に無いという人も実際多いです。
コロナワクチン後遺症の存在する否定する医療機関が多い現状においては、ワクチンシェディングという現象があると仮定した場合、それを引き起こしている物質の正体は一体何なのか?いくつか考えられる可能性を挙げてみます。
まず第一に考えられるのは、コロナワクチンによって作られるスパイクタンパクです。スパイクタンパクはエクソソーム上で数ヶ月以上血中を循環することが分かっています。また、フーリン切断部位で切断されたスパイクタンパクそのものも血中を循環している可能性があります。汗の原料は血液であり、血中を循環するものは汗として分泌されてもおかしくありません。ただ私が気になるのは、シェディングによる症状はワクチン後遺症と似てはいるが、同一ではないという点です。このため、スパイクタンパクがシェディング現象の本体かどうかは不確かです。
第二に考えらえるのは、コロナワクチンによって接種者の体調が変化し、何らかの揮発性の物質を分泌するようになったという可能性です。人間にもフェロモン様の物質とその受容機構があります。例えば、フェロモンにより、女子寮のルームメイトの月経周期が同調するといった現象は知られています(McClintock, M.K.: Menstrual synchorony and suppression, Nature (1971).)
フェロモンを感知するのも嗅覚受容体ですが、前記のように嗅覚受容体は個人差が大きく、そのためフェロモン様物質などの分泌性物質が原因であった場合、シェディングの個人差が大きくとも不思議ではありません。
第三の可能性はコロナワクチンへの生ウィルスの混入汚染です。もちろんこれはあってはならないことです。
第四の可能性は、その他の全くの未知の仕組みによるものです。例えば放射線や電磁気力は肉眼では見えませんが、直接の接触が無くとも対象に影響を及ぼすことはよく知られています。製薬会社との取り決めにより、現時点ではワクチンの成分の全てが明らかにされていない以上は、本来どのような可能性も頭ごなしに否定すべきではないというのが科学的な態度でしょう。
シェディング現象が事実であれば大問題です。けれども現状では情報がまるで足りず、現象の存在の有無、症状の多様性、作用機序を含めて現時点で断定できることはありません。例えばもし、ある現象を「理論的にありえない」と否定する人がいるとします。しかしその現象は実際に繰り返し観察されており、それぞれ複数の人が独立に経験しているとします。その場合には、現象が存在するのが正しく理論自体が間違っているという可能性を考えなくてはなりません。』
おわりに
●病気とホメオスタシス(生体恒常性)
・『西洋医学では病気の症状が治療の対象になりますが、体が自己修復をしている過程が症状として現れることもあります。症状を取り除く薬が病気や怪我を治しているとは限りません。免疫系やホメオスタシスを損傷するような「薬」を使用した場合、逆に薬が病状を悪化させてしまうこともあり得ます。私達は本来自分自身の持つ自分の身体を治す作用を日常的に使っています。意識せずとも、私達の細胞、組織、臓器は生きるための努力を毎日続けています。壊す作用よりも治す作用の方が強ければ、本来は体は回復する方向に向かうはずなのです。
コロナワクチン後遺症の患者が医者に相手にされず医療機関をたらい回しにされる話もしばしば耳にします。つまり、我々は未知のリスクのあるコロナワクチン接種を勧められながらも、実際に有害事象が起きた際にはそれは認められていないという歪んだ医療体制の中にいるわけです。免疫系、血管系、生殖系、心臓、脳。このどれもが私達の生命線であり、またコロナワクチンの後遺症として特に報告されている対象でもあります。事実としてコロナワクチンは最新の医学の産物です。こう考えると、そもそもワクチンとは、薬とは、医療とは何なのか。立ち止まってもう一度よく考え直す必要があるのではないでしょうか。』
ご参考:“新型コロナワクチンを接種できる人・できない人”
上記は長野県駒ケ根市のホームページに掲載されているものです。そして、この情報は、2021年6月時点のファイザー社製ワクチンに関する資料が元になっています。
この記事に関心をもった理由は、コロナワクチンは高齢者や基礎疾患のある人こそ、重症化リスクを減らすために積極的に接種するという方針だったと思います。しかしながら、ここに書かれている内容はニュアンスが異なり、以下に列挙したものは【基礎疾患のある方はかかりつけ医に相談を】となっています。弱毒化されてきたとされるコロナウィルスの現状を考えると、これはとても重要な情報だと思います。
次のような疾患のある方は、かかりつけ医の了承を得てから接種をしてください。
慢性の呼吸器の病気
慢性の心臓病(高血圧を含む)
慢性の腎臓病
慢性の肝臓病(ただし、脂肪肝や慢性肝炎は除く)
インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病またはほかの病気を併発している糖尿病
血液の病気(ただし、鉄欠乏性貧血を除く)
免疫の機能が低下する病気(治療や緩和ケアを受けている悪性腫瘍を含む)
ステロイド、免疫機能を低下する治療を受けている
免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患
神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障がい等)
染色体異常
重度心身障がい(重度の肢体不自由と重度の知的障がいとが重複した状態)
睡眠時無呼吸症候群
感想
ワクチン後遺症の存在は公にはなっていないように思います。しかし、患者さまと日々接している先生(医師)からは、臨床の異常な現場(例えば、急激に増えた帯状疱疹患者等)に直面しているとのお話を伺っています(私の狭い人脈の中での確かな情報です)。
また、荒川先生のような分子生物学や免疫学をご専門にされた先生が、周囲からの反発等を恐れることなく、その大きな違和感を科学者の視点で語られています。
やはり、今求められるのは、全く新しいメカニズムをもった遺伝子(mRNA等)ワクチンを【調査】することだと思います。