免疫学者の警告2

著者:荒川 央

初版発行:2022年3月

出版:花伝社

目次は”免疫学者の警告1”をご覧ください。

3章 コロナワクチン=「遺伝子ワクチン」の正体とは何なのか?

セントラルドグマとmRNA

・コロナウィルスはRNAウィルスである。自身のRNAを複製するためにDNAは必要なく、RNAからRNAを作る。これは分子生物学の基本概念であるセントラルドグマ(遺伝情報は、「DNA→(転写)→mRNA→(翻訳)→タンパク質」の順に伝達されるというルール)の例外である。

・コロナワクチンのMIT総説論文

-2021年5月発表。査読済論文

-「病気よりも悪い?COVID-19に対するmRNAワクチンがもたらしうる予期せぬ結果を検証する」

-「RNAの選択と修飾における留意点」

Worse Than the Disease? Reviewing Some Possible Unintended Consequences of the mRNA Vaccines Against COVID-19, Stephanie Seneff, Greg Nigh, International Journal of Vaccine Theory, Practice, and Research 2021, 

・mRNAは生体内ですぐに分解されるため不安定である。

・免疫は外部から侵入した感染体を識別して攻撃するため、RNAを体内に導入しようとしてもすぐに分解される。

RNAワクチンの登場は、RNAの不安定さを技術的に克服したために可能になった。その技術とはRNAワクチンを脂質ナノ粒子で保護することである。しかしながら、どの位の期間生体内で残るのかは分かっていない。

mRNAと遺伝暗号(コドン)

RNAワクチンはmRNAと類似した構造を持つが、RNA分解耐性を上げ、タンパク翻訳効率を上げているため通常のmRNAよりもはるかに大量のスパイクタンパクを生産する。

なぜワクチンに使われる遺伝子の毒性をなくさなかったのか?

・コロナウィルス、コロナワクチンに共通する毒性はスパイクタンパクによるものだが、その毒性にはいくつか要因がある。主なものはACE2に結合することによって、血管内皮細胞を含むACE2発現細胞を障害することである。他には、スパイクタンパクの棘、フリン切断部位、プリオン様モチーフなどがある。

・『なぜ世界中の健康な人間に打たせる為に作ったワクチンの毒性をなくす努力をしなかったのか。そのデザインは偶然なのか、失敗なのか、無知なのか、やはり疑問が残ります。』

4章 スパイクタンパクの危険性

どうしてコロナワクチンで血栓が出来るのか

・コロナウィルスは神経症状(頭痛、吐き気、めまい)を起こすが、同様のことがコロナワクチンの副反応としても報告されている。ACE2は前頭葉皮質のさまざまな血管にも発現しており、スパイクタンパクが血液脳関門を超えられることを考えると、コロナワクチンの遺伝子から作られたスパイクタンパクが、脳内皮細胞に炎症を引き起こしている可能性がある。

・『整理すると、コロナウィルスは血栓を起こし、肺や心臓、脳にも障害を起こすにはウィルスは必要ではなくて、スパイクタンパク単独でも同様の障害を起こしてしまうということが分かってきました。ウィルスが犯人だと思っていたら、実はワクチンにも使われるスパイクタンパクが犯人だったということです。

スパイクタンパクの毒性―スパイクタンパクはACE2の抑制を介して血管内皮機能を損なう

・『Circulation Research』に掲載されていた論文

・「SARS-CoV-2 スパイクタンパクは、ACE2の抑制を介して内皮機能を損なう」

SARS-CoV-2 Spike Protein Impairs Endothelial Function via Downregulation of ACE2, Lei et al, Circ Res. 2021, 

スパイクタンパクの全身の血管への毒性

・『コロナウィルスとコロナワクチンのスパイクタンパクは血管に対し同様の毒性を持ちますが、毒性の強さが同じとは限りません。量の問題です。コロナウィルスに感染した際、まずは最初に自然免疫系が対処します。そしてそこで対処しきれなかった場合、つまりコロナウィルスが免疫系に抵抗し増殖し始めた場合には、免疫系の精鋭部隊である獲得免疫が出動し始めます。コロナウィルスが体内で増殖する場合、体に備わっている免疫系が抵抗するため、ADEが起こったりしない限りは、感染してすぐに身体中に爆発的に増えるような事態は起きないのです。

それに対し、コロナワクチンは接種後に細胞内でスパイクタンパク生産を開始し、量はいきなり最大量に達します。そしてシュードウリジン修飾されたmRNAワクチンは分解されにくく、長い間スパイクタンパクを生産し続けます。そしてその場合のスパイクタンパクの生産量はワクチンの方がずっと多いことが想定されるのです。このことが血管への毒性の高さに関係しているのではないでしょうか。

・ACE2受容体が精巣のライディッヒ細胞に高発現していることから、ワクチンによって内因性に生成されたスパイクタンパクは、男性の精巣にも悪影響を及ぼす可能性がある。

・複数の研究により、コロナウィルスのスパイクタンパクがACE2受容体を介して精巣の細胞にアクセスし、男性の生殖を阻害することが明らかになっている。

・『血管は全身を巡っており、生殖器官にも存在します。ACE2受容体が精巣にも高発現していることから、ワクチンによるスパイクタンパクは精巣にも悪影響を及ぼす可能性があります。また、脂質ナノ粒子は卵巣にも分布することが報告されており、卵巣を障害するかもしれません。このようにスパイクタンパクが卵巣、精巣の血管を障害することで不妊に繋がる可能性も出てきます。』

スパイクタンパクは血流を循環するか

・ワクチンの副反応である血栓症の原因を作っているのは血流中のスパイクタンパクの可能性が高いが、それぞれの形態の毒性の違いは不明である。また、個人差があるということは、スパイクタンパクが更に長期間にわたって血流を循環する可能性もあるということである。

コロナワクチンと不妊

・コロナワクチンが妊娠に影響を与える可能性、リスク要因。

筋肉に注入されたコロナワクチンの脂質ナノ粒子は接種部位に留まらず、全身を巡回し、特に卵巣に蓄積することが報告されている。スパイクタンパクが卵巣で発現すれば、ワクチンに選択されて作られた抗スパイクタンパクは卵巣を標的にして攻撃し始めると考えられる。

コロナウィルスのスパイクタンパクは細胞表面のACE2を標的にして細胞に感染する。その後、ACE2の発現を低下させるが、これがミトコンドリアの機能不全に繋がり、細胞の損傷、組織の炎症に繋がるのではないかと考えられている。ウィルスがなくてもスパイクタンパク単独でも同様の障害を起こすことができる。

”コロナワクチンで血栓が出来る理由”(荒川先生のブログより)

ACE2を発現している細胞、組織はコロナウィルスのスパイクタンパクの標的になる。ACE2は広範囲な細胞で発現し、卵巣、精巣、子宮内膜、胎盤などの生殖器官でも発現している。つまり、スパイクタンパク自身が卵巣、精巣、子宮内膜、胎盤の炎症や損傷を起こす可能性がある。

胎盤は細胞融合により形成される。細胞融合に必要なシンシチン(内在性レトロウィルスのenvという遺伝子で作られたタンパク質)スパイクタンパクと同じくフソゲン(fusogen:融合活性を持つ物質)で、スパイクタンパクと構造が類似している。可能性は大きくないが、スパイクタンパクに対する抗体がシンシチンを攻撃すれば、胎盤をきたしそれは流産につながる。

ACE2は酵素でもあり、ACE2によって産生されるAng-(1-7)ペプチドが卵胞の発育、ステロイド産生、卵子の成熟、排卵などの卵巣の生理機能を調節することが知られている。

以上のことから、スパイクタンパクによるACE2の酵素活性阻害自体が不妊に繋がる可能性は否定できない。

・『コロナワクチンには複数の異なった機構で生殖系を阻害、または攻撃、損害する可能性があるわけです。むしろ効率的に不妊を起こしかねません。現在日本でも12歳以上へと接種年齢の引き下げが始まっていますが、将来妊娠出産を控えている世代にこういったリスクを負わせる必要性は私には感じられません。』

5章 コロナワクチンは免疫不全の原因となる

ワクチンと抗体依存性感染増強(ADE)

・抗体はウィルスに利用される場合がある。抗体依存性感染増強(ADE)とは、ウィルス粒子と不適切な抗体とが結合することにより、炎症や免疫病変が促進される現象である。

・ADEには少なくとも2種類のメカニズムがある。一つは抗体を介してマクロファージに感染する機構。もう一つの機構は抗体と複合体を作ったウィルスが免疫系を刺激し、炎症を暴走させる仕組み(サイトカインストーム)である。いずれの場合も抗体の存在がウィルスの感染を誘導し、免疫系の症状を暴走させる。

・SARS(重症急性呼吸器症候群)の原因ウィルスもコロナウィルスで、正式名称はSARS-CoV-1である。新型コロナウィルスの正式名称はSARS-CoV-2。コロナウィルス自体はありふれたウィルスで風邪の10~15%の原因を占めている。

・『SARSの流行時にもコロナウィルスに対するワクチンを作ろうとする研究があったのですが、動物実験での結果は散々でした。このため、コロナウィルスワクチンを接種するのは危険ではないかと言われてきました。』

なぜワクチン接種が自己免疫疾患に繋がり得るのか

・『COVID-19が陽性であっても、その多くは症状がない。無症状のPCR陽性例の数は研究によって大きく異なり、最低で1.6%、最高で56.5%となっている。COVID-19に感受性の低い人は、おそらく非常に強い自然免疫系を持っている。健康な粘膜バリアの好中球とマクロファージは、ウィルスを速やかに排除し、多くの場合、適応システムによる抗体の産生を必要としない。しかしこのワクチンは、自然の粘膜バリアを越えて注射することと、RNAを含むナノ粒子として人工的に構成することで、意図的に粘膜免疫システムを完全に回避している。カーセッティ(2020)の論文で述べられているように、自然免疫反応が強い人は、ほとんどの場合、無症状で感染するか、軽度のCOVID-19疾患を呈するだけである。しかし、そもそも必要のないワクチンに反応して抗体が過剰に産生された結果、前述のように慢性的な自己免疫疾患に陥る可能性がある。』

・『コロナウィルス感染とワクチン接種の双方とも自己免疫疾患の発症に繋がる可能性はありますが、どちらの方がリスクがより高いでしょうか。コロナウィルスに自然感染して無症状または軽症で治癒する場合、対処するのはまず第一に自然免疫です。自然免疫は抗体を用いる獲得免疫とは別系統です。そして獲得免疫は抗原と出会う場によっても対処法を変えます。呼吸器感染症の最前線に当たる獲得免疫は粘膜免疫です。粘膜免疫で主に誘導される抗体はIgAのクラスですが、これは粘膜免疫担当の抗体で、全身を循環するIgGクラスの抗体とは別のクラスです。こういった意味でも、無症状や軽症の場合の自然感染ではワクチン接種と比較すると自己免疫疾患に繋がることは限定的でしょう。

また、コロナウィルスに自然感染した場合には、ウィルスは免疫系の抵抗を受けながら増殖します。無症状のPCR陽性者や軽症者ではスパイクタンパクの曝露量は限られるので、大きく曝露されるのは重症者の場合と考えられます。それに対しコロナワクチンは接種後に細胞内でスパイクタンパク生産を開始しますので、量はいきなり最大量に達します。シュードウリジン修飾されたmRNAワクチンは分解されにくく、長い間スパイクタンパクを生産します。スパイクタンパクへの曝露量はワクチンの方がずっと多いでしょう。つまり、ワクチン接種者はもれなく大量のスパイクタンパクに曝露されます。一方、コロナ感染の場合大量のスパイクタンパクに曝露される確率は、コロナ感染確率×感染してから重症化する確率となり、ワクチン程ではないということです。』

スパイクタンパクはDNA修復、V(D)J組換えを阻害する

・DNA修復機構が働かないと、変異は固定され癌の原因になる。また、DNA修復機構は免疫系の遺伝子組換えにも必須である。よってスパイクタンパクがDNA修復を阻害するならば、コロナワクチン接種が癌や免疫不全に繋がる懸念が出てくる。

コロナワクチンと癌

・『コロナワクチンの副反応にリンパ節の腫脹が知られています。リンパ節は局所的な免疫応答の場です。抗体を産生するために一時的にリンパ節が腫れることはよくありますが、リンパ節の腫瘍が疑われる場合もあります。コロナワクチンの別の副反応として、ワクチン接種後の最初の数日間にリンパ球の減少が見られることがあり、免疫の低下に繋がります。この2つの副反応は一見反対に見えますが、個人差もあるでしょうし、タイミングの違いもあるでしょう。また、免疫不全になるにはリンパ球全体の細胞数の減少が必要でもなく、免疫を構成する特定の細胞種がワクチン接種を繰り返すことにより減少しているのかもしれません。

今回のケースではコロナワクチンが直接活性化する細胞に起源をもつ癌細胞がワクチン接種によって急激な増殖を開始したと考えられます。しかし、そうした特殊なケース以外にも、コロナワクチンには癌の進行をもたらす複数の作用機序があります。免疫低下は感染症を招きますし、癌の悪性化に繋がる可能性もあります。スパイクタンパクはBRCA1、53BPIなどの癌抑制遺伝子の働きを抑えることが報告されており、これらのタンパクの機能低下はDNA修復の機能不全に繋がり、癌細胞の発生や悪性化の両方に繋がります。

癌は増殖制御の仕組みを受けつけずに勝手に増殖を行うようになった細胞集団であり、いったん増殖した癌細胞は免疫系で対処することは難しいのです。すでに癌を患っている人はコロナワクチンによる癌の悪性化を警戒する必要があるでしょう。』 

感想

友人から、「2度目、3度目の接種では40度近い発熱がありとても辛かったが、実際にコロナに感染したときは37度台だった」との話を聞きました。

これは何故だろう? ワクチンのおかげと言えるのだろうか? しかし、副反応が40度近いというのは明らかに異常なことではないか。と思っていました。

これは、荒川先生が指摘されている、感染では粘膜バリアともいえる自然免疫系が必死に戦うためウィルス側も思ったように動き回れない(曝露できない)のに比べ、ワクチン接種ではノーガードでスパイクタンパクを曝露するため、体への侵襲が大きくその結果、修復作業の第1段階でもある“炎症”が強く、広く出るのだろうと思いました。

やはり、コロナワクチン、未知のmRNAワクチンの隠された脅威が存在するのは間違いないと思います。