「気療」について考える

「気を酸素とイメージする」これは日本伝統医学研修センターで教えて頂いたものです。もちろん、「気」と「酸素」は同じものではありませんが、私自身もこの考え方は大変気に入っています。それは次のような理由です。
1.気も酸素も目に見えない。
2.気も酸素も極めて重要な自然エネルギーである。
3.気も酸素も健康に関係している(気力がなくなると不健康になる。酸素がなくなると死に至る)
4.猛毒だった酸素と共存するという進化によって、生物は飛躍的に発展し人類も生まれた。
5.気を酸素とイメージすると現代医学との関係性を説明しやすい。
この考え方を変えるつもりはないのですが、神沢瑞至先生の「気療」をテレビで知ることになり、今一度、「気」について真剣に考えなければと強く思うようになりました。

 

著者:神沢瑞至

出版:たま出版


ブログの概要
本書の内容を否定することなく、テレビに映っていた野生の動物が気療で眠ってしまうという驚きの事象と向き合うことからスタートしました。続いて本書の内容を吟味し、「二感覚神経と気応感覚」について自分流に編集してみました。
なお、神沢先生の「気療」を正しくお伝えするため、ポイントになると思われる部分を抜き出し、最初にまとめてご紹介させて頂きます。取り上げた内容は以下の通りです。
はじめに(p1~p3)
目次(p4~p9)
眠ってしまった動物に起きたこと(p79~p80)
気療の原点(p96~p97)
一人交流(気療体得)エクササイズ1・2(p105~p113)
「気療体得(エクササイズ)」については、13ある「一人交流」の中から最初の2つのエクササイズのみ、絵と表を含めてご紹介させて頂いています。

はじめに
『「気は存在そのもの」という言葉どおりに、気療(治療)によってこれまで多くの人々が病気やケガを癒し、健康を回復してきました。そればかりでなく、この方たちが併せて気の力を感知できるようにもなった事実を見て、「気は万人共通」なのだとの思いをさらに深くしました。
前二著([気療]、[遠隔気療])は、治療を主体としたもので、その気療方法は今も変わってはいません。気療師の方たちも、そのとおりに実践して大きな効果を挙げてきています。気療には素晴らしい癒しの力があり、結果が出れば良いのであって、論ずるものではないと言えば、言えなくもありません。
しかし今から考えてみますと、実は論ずるにも気療には、それを語り説明する言葉も用語もほとんどなかったのです。ですから気療実績を述べるにとどまっていたのです。
その後、1996年に気療塾学院を開きましたが、当初は塾生の皆さんを指導するにも、理論や気療用語がなくて苦悩しました。そんなある日、被気療者や塾生の皆さんが、自分の受けた「気の感覚」を表現した「チリチリ」とか「スースー」とかのさまざまな言葉に、気の本質が表れているのではないかと直観しました。これらの表現に、気療に際して生じた感覚神経の働き、すなわち気の力と感知・判別する力が表されているのではないかと考えたのです。
それでは、この気の力と感知・判別する感覚神経をどのように名づけたらよいのかと長く苦しんだ末に、気の力を「気療神経」、感知・判別する力を「波動感知神経」と呼ぶことにしました。その詳細は、本書の第二章「二感覚神経の発見」に述べてあります。もとよりこれは、今の西洋医学で認められているものではなく、気療という観点からの考え方です。
この二感覚神経を発見し、感覚現象を言語化して以来、「集合エネルギー」とか「やわらぎ空間」などの気療用語も数多く生まれ、塾生の指導育成も楽になりました。気療師や熟生も増え、学院は活気に満ちてきました。
こうして十余年の歳月を経た今、本書を執筆したいと考えるに至った動機には二つあります。
一つは、気療には治療するだけでなく、その体得エクササイズによって次の四つの力を体得できることがわかってきたからです。それは、①気の力の体得、②感知・判別能力の体得、③予防気療(病気にならないように未然に防止する力)です。いずれも本書の中に詳述してありますので、ぜひお読みください。
もう一つは、2002年に、「健康増進法」が公布されたことです。少子高齢化社会を迎えて、生活習慣病などに対処するために、国ばかりでなく、国民も一人一人が健康を管理し、健康増進に努めて欲しいという趣旨の法律です。
私は気療を体得することと、健康増進法のこの趣旨とは一致していると思います。ぜひ一人でも多くの人々が本書を読み、気療体得(エクササイズ)をして、健康を回復し増進してくださるようにと願って止みません。(以下省略)』

目次
第一章 動物との気の交流
 テレビ出演にいたるまで
 動物との気の交流
 オーストラリア編
  オーストラリアへロケーション慣行
 スペイン編
 アフリカ ケニア編
  バッファローとの対決
  再びマサイ族の村へ
 シベリア編
  ヒグマとの対決
  シベリアンタイガーとの対決
 動物との交流による「気」の発見
  「起」として、オーストラリア編
  「承」として、スペイン編
  「転」として、ケニア編
  「結」として、シベリア編
 動物の生理的仕組み
第二章 二感覚神経の発見
 思考の世界から感覚の世界へ
  気療塾学院の設立
  痛み感覚または痛みのような感覚
  思考の世界から感覚の世界へ
 二感覚神経の発見
  気療は神経の働きに着目
  二感覚神経の発見とその命名
  二感覚神経の相互作用
 二感覚神経を呼び起こせ
  二感覚神経を呼び起こせ
  神経伝達還流の原理
第三章 気療体得(エクササイズ)  
 気療の原点
  気療の原点
  気療は癒しの実践から出発
  足応感覚の発見
 気療体得(エクササイズ)
  気療体得の型は画期的な自然発生
  気療体得は神経伝達交流
  一人交流(気療体得)
   基本的な事項
   体得方法
  対面交流
   手応交流・足応交流・身応交流
   かけ手と受け手と相互かけ手(二感覚神経の呼び起こし合い)
   気の交流感覚の基本
   気療体得の「Aの型」「Bの型」「Cの型」
   二人用エクササイズ
   多人数用エクササイズ
 気の力と感知・判別能力の体得
  気の力と感知・判別能力の向上
  感知・判別の性質
 集合エネルギーとやわらぎ空間
  集合エネルギーとやわらぎ空間
  「老い盛りのいのち」の発見
  予防気療と進行防止
   予防気療
   進行防止
  気療体得(エクササイズ)で効果のあった病院
  健康増進法
第四章 気療技術
 気療からみた人体構造
  人体構造のとらえ方
  背筋と内臓(筋)は表裏一体
  骨格筋の気療技術の五原則
   骨格筋気療技術五原則
  筋肉調整と血流調整
 気療技術の基本
  気療技術の基本形
  素手一本と素足一本
 感知・判別の基準
  体内情報の感知・判別
 気療効果
  気療は実践から出発した
  気療の基本的事項
  気療効果の症例
  進行防止と予防気療

眠ってしまった動物に起きたこと
まず、私が動物たちに気を送り始めます。すると気療神経が働き出します。そして同時に波動感知神経も働きだすのです。気を受け始めた動物たちは、波動感知神経で気を感じ始めると同時に気療神経が働き出します。この受けた気の力は、瞬時に脳幹へ伝えられ、刺激を受けた脳幹は、その命令を自律神経に伝えます。
自律神経は、内臓(筋)や骨格筋の筋肉調整を促して、それらの筋肉をやわらかくします。そして、血流調整をして、血液の流れを促します。体内の血液循環がよくなると脳へも血液がどんどん送られ、脳幹は活性化します。血液循環がよくなってくると、動物たちはリラックス状態になり、生命エネルギーを高まります。そして動物たちの波動感知神経の働きは、人間とは比べられないほど大きい、というのが私の実感でした。』

気療の原点
『いつも気になって手のひらを意識するようになり、意識するといつも「スースー」感が私の手のひらにあるのです。やがて、手のひらの「スースー」感が強くなるにしたがって、手のひらを「意識する」から、「意識を置く」といった感じに変わってきました。遊び感覚で、左右の手のひらを左右に開いたり閉じたりして、引っ張り感と圧縮感を楽しむようになったのです。それが日々の生活の中で習慣化して、二年間ほどいつでもどこでも、この「スースー」感覚を楽しんでいました。このことが今日の「感ずるがまま」の原点となったのです。「感ずるがまま」の世界には、創意工夫は一切ありません。まさに、感ずるがままです。そして、この「感ずるがまま」が「気」という自然エネルギーの媒体となったのです。いいかえれば、「気」の媒体となるには、「感ずるがまま」であるほかに方法はないのです。人間の思考活動でもって、広大無辺な気をコントロールすることは、難しいことだと思います。気療にとって、「感ずるがまま」は大きな発見であり、原点であり、すべてです。そして、この「感ずるがまま」が二感覚神経を呼び起こして、神経伝達還流の原理が働き出すと、病気の人は癒され、健康な人はより健康となり、予防気療にもなるのです。

一人交流(気療体得)エクササイズ1・2
『一人交流とは自然エネルギー(天地融合エネルギー)の媒体となって、気応感覚により二感覚神経(気療神経と波動感知神経)を呼び起こす神経伝達交流(気の交流)をいいます。この一人交流によって、気の力及び感知・判別能力を体得します。同時に治癒能力を引き出します。 
―中略― エクササイズを始めるにあたっては、解説やイラストにしたがって、手のひらや足のうらや全身に意識を置いてください。「意識を置く」ことで思考の世界から感覚の世界への「切り換え」となります。そして二感覚神経が呼び起こされます。気療体得の出発です。
意識を置いたならば、あとは「感ずるがまま」です。この「感ずるがまま」が気療の基本であり、すべてです。そして、この「感ずるがまま」が神経に働きかけて、生理的仕組みを活性化させるのです。これが、気の力と感知・判別能力を体得させ、内なる治癒能力を引き出してくれるのです。

エクササイズ1手のひら間隔合わせ交流
心と身体をリラックスしながら左右の手のひらを約十センチあけて両方の手のひらに意識を置いてください。左の手のひらの二感覚神経と右の手のひらの二感覚神経の交流が始まります。何も感じなくても、身体に力を入れたり無理な意識を集中させたり、「気よ、出ろ!」などと思わず、「感ずるがまま」でよいのです。実は、意識を置いた瞬間から、左右の手のひらの気の交流は始まっているのです。最初は手応感覚がないため、それがわからないだけなのです。どんなに微妙でも、いったん反応が感じられるようになれば、これで第一段階はクリアです。意識を止めない限り、気は交流を続けます。

エクササイズ2手のひら気練り交流
今度は左右の手のひらを上下に「感ずるがまま」に動かしてみます。同時に同じ方向に動かすのではなく、片方を上に動かしたら、もう片方は下に動かします。こうすると気の交流感覚が強くなります。手のひらを動かすことで、気の交流感覚がわかりやすくなるのです。


動物との対決(気の交流)
今回の驚きは何と言っても、野生の猛獣たちが気療によって眠ってしまうという衝撃的な映像でした。そこで、現状把握を目的に一覧表にまとめてみました。
表の下の画像は、本書「気療で健康増進」からのものです。

気づいた点は次の通りです。
1.集団には油断、気を許す雰囲気があり、気応連鎖につながる。
2.用心深さや闘うモードは気が通じにくい。
3.思いの強さは気の力を強くするのか。
4.手のひらの手応え感覚と動物が受ける気の影響には関連(交流)がみられる。
5.動物との対決は気の交流であり、猛獣が近づいても恐れや緊張をほとんどもたないようだ。
6.著者の行為は広大なやわらぎ(癒し)の空間をつくること。

個人的感想ですが、『北風と太陽』を思い出しました。もちろん、「気療」は太陽の方です。

 

画像出展:「イソップ童話の塗り絵

最後に下の写真をあらためて眺めてみると、この眠った状態は、体内でからだの修復作業(メンテナンス)が行われている姿なのではないかと感じました。


「二感覚神経と気応感覚」
ここからが本題になるのですが、最初に「地震予知」と「遺伝子」、そして「脳のはたらき」について触れます。
二感覚神経の一つは“波動感知神経”です。これは「感知・判別する力」とされています。ここで私が連想したのは、動物の地震予知能力についてです。これに関してネットで調べたところ、三つの興味深いサイトが見つかりました。

動物や植物は地震を予知できるのですか?
『動植物には、音、電気、電磁波、匂いなどに対する感知力が人間などに比べ格段に優れているものがあることは知られています。一方、地震は、地中の広い範囲で、固い岩盤同士が、破壊し合い、ずれ合う大きなエネルギーの集中や解放を伴うため、徐々に岩盤が変形し始めたり、地下水位が変動したりして、地震の発生前から非常に微弱で特異な音、電気、電磁波、匂いなどが周辺の地面や大気などに現れ、それを動植物が感じ取る可能性もあるのかもしれません。しかし、動植物は地震以外の理由によって通常と異なる行動・反応をすることがあり、また、動植物自体についてまだわかっていないことも多く、ましてや地震の前兆現象も解明できていない部分が多いことから、地震の前にそうした異常行動・反応をする理由について科学的に説明できていない状況です。』

動物たちが地震を予知できるって本当?

『ここで地震の前の動物たちの行動についての前例を見ていきましょう。
東日本大震災の前に、国内の多くの動物たちの不可解な行動が報告されています。カラスは普段とは違う鳴き方をし、50頭あまりのクジラが海岸に打ち上げられました。また2008年の中国を襲った大地震の前には、シマウマが頭をドアにぶつけたり、象が胴体をブルブル揺らしたり、ライオンやトラは寝てるはずの時間にのしのし歩き回り、クジャクは揺れが来る5分前に一斉に鳴き出したとか。これに似たことは2005年津波がアジアを襲った際にもあったそうですよ。1975年、中国の海城市で2000人もの人が犠牲になった地震(M7.3)の際も動物たちの妙な行動が報告されました。』

犬猫は地震を予知できるのか?

このような犬猫の行動、人間から見るととても不思議です。「超能力」があるのではないかと思ってしまいます。が、これらは摩訶不思議な能力というわけではなく、もともと犬猫に備わった優れた能力によるものといわれています。例えば、聴覚の鋭さ。人間は最高で20キロヘルツまでの音しか聴くことができず、それ以上の音は「超音波」と呼んでいます。ですがこの超音波、犬猫には聴こえるのです。犬は約40キロヘルツまで、猫はそれを超える60キロヘルツまでの音を聴くことができます。ですから人間にとっては超音波でも、犬猫にとっては超でも何でもありません。地震の揺れ(主用動/S波)の前には、ごく小さな揺れである初期微動(P波)が起こります。P波は空気にも伝わり、地響きのような音として聴くことができます。犬猫はこのP波をいち早く感じ取っているといわれます。

次は「遺伝子」についてです。

著者:竹内久美子

出版:文藝春秋

竹内久美子先生は、京都大学および大学院で動物行動学を専攻されました。その竹内先生の最高傑作ともいわれる「そんなバカな! 遺伝子と神について」はとてもユニークで驚きが連続する楽しい作品です。

そこでは、「人間は遺伝子を運ぶ器にすぎない。人間を含め、あらゆる生物が遺伝子を生き伸びさせるためにのみ存在している。」とあります。つまり、人間は単なる乗り物(ビークル)にすぎず、ドライバーは遺伝子であるというのです。

そして、遺伝子にとっての関心事は「種の保存」だろうと思います。

長い長い前置き失礼しました。以下のものが、今までの内容を自分流に整理整頓したものですが、ドライバーである遺伝子になったつもりで書いています。

なお、二感覚神経は、気の力である「気療神経」と感知・判別する力の「波動感知神経」であり、この二つには相互作用があり表裏一体となったものとされています。

「二感覚神経」を考える

1.二感覚神経の存在目的は、「種の保存」と考えます。
2.二感覚神経の働きは、「危険を回避する能力」と考えます。
3.対象となる「危険」とは五感(視・聴・嗅・味・触の感覚)では回避できないものと考えます。
 1)地震などの自然災害や、宇宙規模の異変(太陽フレアなど)
 2)体外からの侵入や体内で産生される病となる因子(ウィルス、がん細胞など)
4.自然災害や宇宙規模の異変など(マクロの危険)への対応策
 1)第六感による危険察知能力を備え、災害発生前に安全な場所に退避すること【波動感知神経】
5.病の原因因子(ミクロの危険)への対応策
 1)総合的な防衛システムを備え、病の発症を阻止すること【気療神経】

   ・免疫システムや腸内細菌との共生、細胞レベルの修復システムなど
6.二感覚神経は、波動感知神経と気療神経が表裏一体であるとする理由
 1)未知の危険に備えるには、2つの可能性(「マクロの危険」と「ミクロの危険」)に同時対応できる表裏一体・相互作用型の方が、危険回避できる確率が高まると考えられるため。
7.気療神経が自らの身体だけでなく、他の個体(仲間)に対しても機能を発揮できる理由
 1)「種の保存」の考え方に従えば、自他共に作用を及ぼすことができる方が、多くの個体を守れる可能性が高まると考えられるため。

「気応感覚」を考える
「気応感覚」は二感覚神経を認識するためのセンサーと考えます。手も足もホムンクルスの絵(下)が示しているように、感覚野(左)、運動野(右)とも脳の広範囲に及んでいます。手は上肢の広範囲な可動域により、センサーとして高い機能性を持ちます。一方、足は立位においては大地と接しています。そのため大地からの変動をキャッチしやすい場所にあるといえます。

画像出展:「人体の正常構造と機能」

 

こちらの図は「気応感覚」ということではなく、一般的な感覚刺激の伝達をご説明した絵です。

左端に書かれている通りですが、冷たいコップに触れた手指への刺激は、脊髄と視床でニューロン交代を行いながら、終点である大脳皮質の感覚野に到達します。

 

画像出展:「病気がみえる vol.7 脳・神経」

 

結論

「二感覚神経と気応感覚」といわれるものは存在すると考えます。そして、これらの「気」の力は鍼灸治療にとっても凄い可能性をもった魅力的なものです。まずは、自身の潜在能力を寝覚めさせるため、エクササイズ1と2に取り組んでみようと思います。

付記:「交感神経緊張状態がもたらす四悪

猛獣が眠ってしまうのは、副交感神経が優位になることが最初の変化です。言い換えれば、交感神経優位の状態は闘うモードであり、心身への負荷を伴います。ここでは、その「緊張状態の四悪」についてご説明します。

画像出展:「パーキンソン病を治す本」

出版:ビタミン文庫

なお、下記の文章も全て「パーキンソン病を治す本」からの引用です。

 

 


1.顆粒球過多→活性酸素の大量発生による組織破壊
『自律神経のうち交感神経は、顆粒球の数と働きを支配しています。ストレスで交感神経の緊張が続くと顆粒球が増加して、そこから強力な酸化力を持つ活性酸素が大量に産生されます。それらの活性酸素が細胞を次々に参加し、殺傷していくことで、組織破壊が拡大します。
ちなみに、私たちの体内では呼吸で得た酸素から発生する活性酸素、細胞の新陳代謝から生じる活性酸素など、さまざまなルートで活性酸素が産生されていますが、活性酸素全体の比率では、顆粒球から放出されるものが7~8割を占めます。したがって、顆粒球が増加すればするほど、組織破壊も進むことになります。
2.血流障害
『交感神経が分泌するアドレナリンは、血管を収縮させる作用があります。そのため、交感神経の緊張が続くと、細胞が持続的にアドレナリンの作用を受けて全身で血流障害が起こってきます。
血液は全身の細胞に酸素と栄養を送り、老廃物や体にとって不要なものを回収しています。血流障害によってこのサイクルが阻害されると、細胞に必要な酸素や栄養が届かず、老廃物が停滞するようになります。その結果、痛み物質や疲労物質がたまれば痛みやこりなどが現れますし、発ガン物質や有害物質が蓄積すれば発ガンを促します。それと同時に細胞そのものの活力も衰え、働きが低下していきます。』
3.リンパ球の減少
『白血球の顆粒球とリンパ球の比率は、その人の自律神経のバランスによって変動します。顆粒球とリンパ球は、いつも逆転した動きをします。
交感神経が緊張すると、副交感神経の働きがおさえられます。その結果、副交感神経の支配下にあるリンパ球の数が減り、働きが低下して、カゼをはじめとするウィルス感染などが起こりやすくなります。また、ガンを殺すNK細胞などの活性も低下します。
4.排泄・分泌能の低下
『交感神経が緊張し、副交感神経の働きがおさえられると、臓器・器官の排泄や分泌機能が低下します。これにより便や尿などが排泄しにくくなったり、各種ホルモンの分泌異常が起こったりするようになります。
交感神経の緊張は、以上1~4の障害を連鎖反応的に引き起こし、病気を発症しやすい体調・体質をつくり上げていきます。』

顆粒球とリンパ球
『顆粒球は交感神経が優位になっている日中の活動時には、手足に傷を負いやすく、傷口に細菌が侵入する機会が増えます。こういうときは、サイズの大きな細菌を食べてくれる顆粒球にいてもらったほうがよいわけです。逆に、副交感神経が優位になっている夜間の休息時や食事をしているときには、消化酵素で分解された異種たんぱくやウィルスなど微小な異物が消化管からどんどん入ってきます。これらはサイズが小さすぎて顆粒球では対応できないため、夜間は微小な異物処置の得意なリンパ球が出番となるわけです。
実際、血液を採って調べてみると、昼間の活動時は交感神経が優位になって顆粒球が増え、夜間の休息時には副交感神経が優位になってリンパ球が増えています。こうして自律神経と白血球が連携することで、私たち人間は環境の変化に順応し、命を存続させる最良の状態を作り上げてきたのです。』