ドグマチール(スルピリド)による薬剤性パーキソニズム

年始に「薬剤性パーキソニズム」が原因で、転倒された患者さまがおいでです。
お話を伺うと、平坦な道にもかかわらず、ツツツッと足が勝手に運ばれ、止まることができず転倒してしまったとのことでした。この転倒は姿勢反射障害によるものであることが懸念されました。
また、ご友人からは「〇〇さんは足を引きずるように歩いているから、注意した方がいいよ。」と言われるとのお話もされていました。これについては、足の運びだけでなく、歩行時の腕振りに問題があるのではないかということを考えました。

パーキンソン病の症状は姿勢反射障害の他、振戦(手のふるえ)、筋強剛(腕が歯車のようにカクカクした動きになる)、無動(思うように体が動かない)などが代表的な所見ですが、今回は姿勢反射障害によると思われる転倒以外の所見はありませんでした。しかしながら、万一のことを優先し、脳を診てもらえる病院に行かれることをお勧めしました。
地元の病院での診察結果は、パーキンソン病かどうかははっきりしないが、レボドパという強力なパーキンソン病の薬を2週間分渡されるというもので、原因および今後の展開は不透明な状況となっていました。
この薬は副作用の問題を抱えており、パーキンソン病やパーキンソン症候群(薬剤性を除く)の患者さま以外は服用する薬ではないと認識していました。そこで、現在の状況と問題点、更に今後の進め方について、患者さまに率直にお話したところ、ご納得いただき、後日、小平市にある国立精神・神経医療研究センター病院で診察を受けられることになりました。

診察の結果、数年前から服用していた「ドグマチール」の副作用による「薬剤性パーキソニズム」であると診断されました。そして、レボドパの服用はただちに中止されました。また、薬の代謝の問題と思われますが、ドグマチールの影響は2週間程続くので、今後2週間は特に転倒に注意してほしいとのお話があったそうです。こうして、年始の転倒の原因と今後の治療の進め方が明らかになり、一件落着となりました。

 

 

 

住所:東京都小平市小川東町4-1-1 / 予約センター:042-346-2190

 

 

「パーキンソン病の診断手順」に基づくと、今回のケースは「薬剤性パーキソニズム」になります。

せせらぎメンタルクリニック精神科・心療内科」さまのサイトをご紹介させて頂きます。

ドグマチールの特徴、副作用などについて大変分かりやすく解説されています。

補足.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これらはすべてパーキンソン症候群(パーキソニズム)の疾患です。

画像出展:「病気がみえる 〈vol.7〉 脳・神経」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ほぼ中央に赤字で「スルピリド」、代表的商品名「ドグマチール」が紹介され、下段には「スルピリドが薬剤性パーキソニズムの原因となる頻度が最も多い」という説明が加えられています。

画像出展:「病気がみえる 〈vol.7〉 脳・神経」