手のひらツボ秘法3

即効 手のひらツボ秘法
即効 手のひらツボ秘法

著者:谷津三雄

発行:1990年9月

出版:マキノ出版

目次は “手のひらツボ秘法1”を参照ください。

 

『最近では、歯科治療をするさいにも、歯を含めた患者さんの全身的な健康管理が必要とされる時代になってきました。私が歯科治療に針、灸、漢方薬、それに手のツボによって全身の病気を治す高麗手指針法などをとり入れているのもそのためです。』

こちらは、日本歯科東洋医学会さまのサイトです。

『現代歯科医学の診査・診断法とは少し目線を変え、鍼灸・漢方・気功・食養をはじめとする東洋伝統医学療法を日常歯科臨床の一助となり得ると確信している歯科臨床家集団です。』

 

※腰痛に大変よく効くと評判の手の甲のツボを人さし指で押す刺激

画像出展:「即効 手のひらツボ秘法」

腰痛は左右のどちらかの手の甲の骨の間に圧痛が現れる。

人体では腰の部分にあって、腰痛によく効く腎兪、大腸兪、環跳などのツボに相当するツボは、手の甲側の手首近くにある。

 

 

画像出展:「即効 手のひらツボ秘法」

 

方法

・圧痛点を人さし指の先で強く押しながら骨にそって振動させる。

・中手骨と中手骨の間を順に手の甲の中央からやや手首の方に向かって人さし指の先で骨にそって皮膚を押しながら振動させていくと、腰に異常がある人はいずれかの中手骨と中手骨の間に、圧痛あるいはしこりがある。そうした反応があるところがツボである。

・圧痛やしこりが強く出ている側の手が治療の対象になる。

・ツボの位置をつかんだら、人さし指の先をツボに当てて、軽く押すようにしながら中手骨にそって振動させる。刺激は少し気持ちよく感じられる程度の強さで、圧痛やしこりがやわらいでいくまで刺激を続ける。目安は10分~15分である。圧痛が残っても15分以上は行わず、翌日、また行うようにする。

※しつこい不眠症でも知らぬまに眠りだす中指の先のツボへのつま楊枝刺激

●不眠の原因の多くは精神的ストレスが神経を高ぶらせ、イライラをつのらせることにある。

●手のツボを刺激することで心身はリラックスし、自律神経の興奮はおさまる。

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①手の百会と太陽のツボの位置

・不眠症の治療には百会や太陽が有名である。

・手の百会に相当するツボは中指の先端の中央にある。そこをつま楊枝などで押したときに圧痛があるところがツボである。ツボを見つけたらボールペンなどで印をつけておき、そこを頂点として一辺が4ミリほどの正三角形を描くつもりで、あとの2点を指の腹の上部の両脇にとる。その2点辺りをつま楊枝などの先で押してみて圧痛を見つける。そこが太陽のツボである。ツボ刺激を数えているといつのまにか眠ってしまう。

・手のひらは交感神経が多く集まっており、そこを刺激すると過度に緊張した交感神経が抑えられ、副交感神経が優位になり入眠がしやすくなる。

※寝違えや首のこりの反応点は中指の背中にありそこに丸いボールペンの軸をころがせば治る

中指の背中、爪の生えぎわから第一関節までの部分は、後頚部に相当し風池、風府、天注などのツボがある。

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①首すじのこるときに用いるとよく効くツボ

画像出展:「即効 手のひらツボ秘法」

①角のない丸いものを用いてやる

・首に異常がある人は、飛び上がるほど強い痛みを感じることが多い。痛みがあったらさらに指の側面の爪の生えぎわと第一関節の間に同じようにボールペンの軸をころがしてみて、もっと強い痛みが出ることもある。一番強い痛みの個所が分かったらそこを中心にボールペンの軸を強く押しながら、10~15秒ころがす。

※耳鳴りや難聴は中指の先を指ではさんでひねればしだいによくなる

●耳鳴りは中指の先の部分を刺激する。まずは中指の先端の中央をボールペンのペン先で強めに押す。少し痛いようだったら左右どちらかにペン先をひねる。このような刺激を4、5回くり返す

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①ボールペンの先を中指の先端に当て左右にペン先をひねる

画像出展:「即効 手のひらツボ秘法」

①中指を痛いほど強くはさんでひねる

・次に、中指の指先と第一関節の間の側面をもう一方の手の人さし指と中指をひねって少し痛いぐらいに中指の側面を1~2分ほど刺激する。中指の先の両側には、耳のまわりにある耳門、翳風、完骨などと同じ効果をもつツボがあり、この方法で中指の側面を刺激すると、これらのツボがいっぺんに刺激できる。

・耳鳴りは難しい病気なので1日3回程、根気強く続けることが重要である。

手のひらツボ療法
手のひらツボ療法

著者:柳 泰佑

発行:1986年10月

出版:地湧社

 

この柳先生の本に関しては、「第一章 手指鍼術とは何か」の中から“鍼術との出会い”と“手指鍼術の誕生”、“てのひらとツボ”の3つをご紹介します。これを見ていただくと、柳先生の高麗手指鍼がどのように生まれたのかを知ることができると思います。

鍼術との出会い

『私が鍼術というものに関心を持つようになったのは、まだ幼い少年時代のことである。というのは、私が生まれ育った所は無医村だったのだが、急病人が出ると、私の祖父が出かけて行って太い針を刺してやっていた。すると病人は苦痛を訴えながらも、しばらくすると病気はうそのようにおさまるのである。私はその様子を子ども心にも深い好奇心をもってながめていたものだった。

ところが好運にも1963年から伝統的な体鍼術の研究をする機会に恵まれ、私は喜び勇んで鍼の勉強をはじめることに

なった。そこで東洋医学の基礎と鍼術の基礎を学んだのである。そして私は、学んだことを早速、救急療法として使用するようになり、その後、多くの人たちに、いざという時の救急処置法としてこれを教え伝えてきた。特にキリスト教の牧師、伝道師、そして信者のグループとは縁が深く、当時この人たちの間では私の教えた救急療法が広まっていった。

この体鍼を中心とした鍼術の効果は大変に大きなもので、大人はもとより子どもたちの治療にも大いに効果を発揮した。しかし体鍼の針による刺激は非常に痛いので、その苦痛のために泣き騒ぐ子どもたちの姿を見るにつけ、かわいそうに思うことが多かった。そこで子どもたちに対して、痛みがなく、しかも手軽に、その病気を治療する方法はないものかと研究を重ねてきたが、1968年に至って、中国の明代に著された「鍼灸大成」という書物の後編に、「保嬰神術」(小児按摩経)という項があることを発見し、私はすぐさまその研究を始めた。

この書物によると、子どもたちはたいてい言葉を上手に操れず、したがって痛いところはどこかをはっきり説明することもできない。その上、大人のように脈をみて診断することも難しい。そこで子どもの病気を診る時には、眼の色、顔色、泣き声などの様子から診断を下されなければならないとし、いくつもの例をあげながら具体的な診断の方法が書かれている。こうした診察の後に、手にいくつかのツボを定めて、指先で押したり揉んだり、圧迫したり擦ったりすることによって行う治療の方法が述べられている。

ちなみに、この療法の中心になるのは“三関法”という方法である。そのやり方は、①中指の先端に心点、②掌の中央に労宮点、③手首の脈の現れる所に列缺点の三点を決め、まず①心点を爪先で強く圧し、次に②労宮点を同じように圧し、続いて③手首の列缺点を肘関節の方に向けて押し上げるように擦るのである。これをリズミカルに右手、左手ともにそれぞれ10回ずつぐらい行う。これによって、すべての気運が順調になり、熱のある子には解熱作用を、胸の苦しい子には気を通す作用をする。

画像出展:「てのひらツボ療法」

三関法のための三つのツボ

私はその後、この方法で子どもたちの病気治療に多くの効果をあげるようになり、1971年にはこれを「小児手治療」という冊子にまとめて発行したこともある。(現在絶版)

子どもたちに対する手と指の刺激によるこの療法は、実際に行ってみて非常に優秀なものだということがわかったのだが、次第にこれを子どもたちの病気治療だけでなく、大人の病気治療にも応用できないものだろうかという考えが大きくなってきた。そこで成人にもこの方法を同じように簡単で、苦痛も与えず、副作用もなく、しかも危険がなくて手早く治療できるよい方法はないものかと、考えをめぐらせる日々が続いた。』

手指鍼術の誕生

『1971年の初秋の頃だったろうか。当時は常にもどかしさにかられ、思い悩んでいたものだったが、その日も考え疲れ眠りについた。ところが夜半12時を過ぎた頃に、突然右後頭部の風池と呼ぶあたりに激しい痛みが起こり、私は目を覚ました。後頭部のその痛みはとてもひどく、首を思うように動かすことさえできないほどだった。

私は急いで関連のツボを指圧したり、首の運動をしたりして痛みをとろうとしたが、反応がない。細い針を胆経にそって刺してみたが、それでもひどい痛みはおさまらなかった。それからしばらくの間は夢中になって薬にたよること以外の様々な方法をためしてみたが、痛みは一向におさまらなかった。

どうすればこの痛みをしずめて、ぐっすり眠ることができるだろうかと、痛む後頭部をかかえながら思いをめぐらせているうちに、ふと左手の甲に目が行った。

その時突然、「中指の先端を人間の頭と考えてそこに治療をしてみたらどうだろう……」という発想がひらめいた。それは突飛で、奇抜なアイデアのようだったが、結局、他の方法では全く効果がなかったのだし、わらにもすがるような思いでこの考えに基づいて試してみるしかなかった。

そこで手近にあったボールペンの先を使って、中指の先の頭に該当すると思われるところを圧してみた。はじめは特に反応点と思われるようなところは見出せなかったのだが、頭痛をこらえながらしばらくあちこちとためしていると、爪の生えぎわから右下のところにひどい圧痛点があるのを発見した。

画像出展:「てのひらツボ療法」

右後頭痛に対する反応点

圧痛点がわかったので、早速細い針をもってその圧痛点に刺し入れてみた。針を刺す時の痛みはあまり感じなかったが、不思議なことにその直後から後頭部の痛みが軽くなりはじめ、徐々に首も動かせるようになってきた。そして十数分の後には完全に痛みは消えておさまってしまったのである。

私はこの時はじめて、身体の病気に対する反射点、すなわちツボが、“てのひら”にも現れるという事実に確信を抱いたのである。

その後、私は熱心にこのような、“てのひら”のツボ=反射点を探求し、研究を重ねて、それを“手指鍼術”として体系的にまとめ上げたのである。』

“てのひら”とツボ

『ところで、私が手の甲を見ていてこのようなひらめきを得たのは、全くの偶然というわけではなく、東洋医学の基礎になる体壁反射という考えがその背景にあった。つまり、内臓やある器官に何らかの病変が生じると、そこと有機的な連関がある部位に圧痛点または硬結点などが現れる。例をあげると、胃病があれば胃の周辺に硬くしこった硬結点、押すと痛みを感ずる圧痛点が現れるが、またその反対側の脊椎とかその左右にも硬結点や圧痛点が現れ、腰仙部とか前胸部、顔面や頭部、さらには手足の各部などにも、全身にわたって胃病に関連する反射点が現れる。東洋医学、特に鍼灸学ではこのような反射反応点を一名“天応穴”、いわゆるツボといって、ここに針、灸、指圧などの刺激を与えて内臓や器官などの病気の治療を行っている。西洋医学ではこの反射点を“内臓体壁反射”と呼び、これを主に病気の診断に利用している。(“内臓体壁”については金沢大学教授石川太刀雄著「内臓体壁反射―皮電計による範例図譜」)

このように、内臓の反射点が胴体の各部にわたって現れることは知られていたけれども、“てのひら”、すなわち手と指の部分にまとまって体系的に現れるという事実については、今までどの文献もふれておらず、鍼灸学の古典にすら述べられていなかった。ただ、「内経」という書物に「手掌が熱いと腹部も熱をもち、手掌が冷たいと腹部も冷えている」というわずかな記述が見られるくらいである。

結局私は、自分自身の後頭部の痛みをしずめようとしている最中に、この体壁反射点は胴体各部だけに現れるのではなく、“てのひら”、すなわち手や指にも現れるのではないかとひらめき、後頭痛の反射点が“てのひら”にもあるはずだという仮定のもとに、中指を中心にその反応点を探してみることにしたのであった。私の創案した手指鍼術というのは、言いかえれば今まで誰も気づかなかった“てのひら”に現れる内臓体壁反射、すなわちツボを発見したものとみることができるのである。

その後、私は約5年にわたって、“てのひら”に現れるツボの研究を続け、1975年にはじめて大韓鍼灸士協会報にその成果を発表し、「手指鍼穴位図」を出版した。続いて1976年には「高麗手指鍼と十四気脈論」を出版、これは現在では「高麗手指鍼講座」と改題し、鍼灸師はもとより、医者や民間の人々にも広く読まれて利用されている。』

感想

医師である山元敏勝先生のYNSA(山元式新頭針療法)の対象は”頭”です。フランス人医師のノジエ博士は“耳”を施術の対象としています。また、”足裏”のツボをマッサージしてくれる店は少なくありません。そして、柳先生が開発された「高麗手指鍼」は”手”を対象にしたものです。

これらには、それぞれ理論があり、実践するためは知識と技術が必要です。もちろん、ツボ(圧痛点あるいは硬結などいつもと違う反応点)を指圧したり、マッサージすることは有益ですが、患者さまに施術するのであれば、理論・知識・技術は必須です。

これらの施術を否定するものでは決してありませんが、然るべき準備もせず、中途半端な気持ちでやるべきではないと考えています。

一方、私が学んできたこと、実際に行っていることは標準的な体全体を対象とした鍼灸の施術です。

ここで一つお伝えしたいことがあります。それは体の”経絡”とは線ではなく縦と横、だということです。

左の図は昭和の重鎮、本間祥白先生の“経絡経穴図鑑”です。

頭から足先まで赤い線が描かれていますが、これは“十二経脈”と正面中央の“任脈”そして背面中央の“督脈”であり、これらは“経絡の一部”ということになります。(個人的には、これらは縦横無尽に存在する”道”の中の”特別な道=高速道路”のようなものと考えいます)

経絡の“経”は縦、“絡”は横を意味していますので“経絡”は面ということです。また、経絡は内臓にも通じているとされています。以上のことから、私は経絡とは、体表にも内臓にも存在している膜(ファシアに極めて近いものと考えています。

もし、ファシアにご興味があれば以下のブログを参照してください。

経絡≒ファッシア1」、「経絡≒ファッシア12」、「ファシアの基礎

ご参考:『日本整形内科学研究会