降圧薬1

著者:石川太朗

発行:幻冬舎

出版:2016年7月

慢性腎不全で高血圧の薬を飲んでいる患者さまの担当医が代わり、高血圧の薬がすべて替わるということがありました。

なお、当院では患者さまの血圧と脈拍を測定していますが(手首で測る血圧計で、ベッドに仰向けになった状態で測るため座位に比べ低めに出ると思います)、この患者さまの血圧は収縮期血圧130前後、拡張期血圧65前後であり、個人的には降圧薬でうまくコントロールされているという印象を持っていました。そのため、何故、薬を替えられたのか不思議に思いました。

下記は処方されていた降圧薬の前と後です。

■前

・ニフェジピン(Ca拮抗薬)

・シルニジピン(Ca拮抗薬)

・アムロジピン(Ca拮抗薬)

・アイミクス(長時間作用型ARB/持続性Ca拮抗薬配合剤) 

 ※アイミクスは、イルベサルタンとアムロジピンの配合剤

・ルプラック(ループ利尿薬)

■後

・アムロジピン(Ca拮抗薬)

・イルアミクス(長時間作用型ARB/持続性Ca拮抗薬配合剤) 

 ※イルアミクスはアイミクスのジェネリック薬剤

・イルベサルタン(長時間作用型ARB)

・トリクロルメチアジド(チアジド系降圧利尿剤)

・フロセミド(ループ利尿薬)

この中で非常に気になったのは、“イルベサルタン”という薬です。

ネットで調べたのは、KEGGというサイトです。このサイトに頼ったのは、①検索上位のサイトであったこと。②母体が信頼できると思ったこと。③非常に詳しく説明されていたこと。 の3点です。 

KEGG: Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes

『KEGG は分子レベルの情報から細胞、個体、エコシステムといった高次生命システムレベルの機能や有用性を理解するためのリソースです。とくにゲノムをはじめとしたハイスループットデータの生物学的意味解釈に広く利用されています。また KEGG MEDICUS では医薬品添付文書など社会的ニーズの高いデータとの統合も行われています。

そして、“イルベサルタン”に書かれていた中で特に気になった部分は次の内容です。

KEGGのページ(左をクリックしてください)

●『両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、イルベサルタンによる腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。

●『高カリウム血症の患者においては、イルベサルタンにより高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること。』

特に注目したのは『片腎で腎動脈狭窄のある患者』という点です。これは、この患者さまは片腎のため、万一、腎動脈狭窄があるとすれば、『治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること』に該当することになります。

ご参考1:こちらの”倉敷中央病院 心臓病センター 循環器内科”さまのサイトに、腎動脈狭窄の原因と結果などが詳しく紹介されていました。 

腎動脈狭窄症の原因とその結果

『腎動脈の狭窄の頻度は、軽症なものも含めると意外に多く、高齢者をランダムに血管エコーでスクリーニングすると6%前後に狭窄を持つ人がいるといわれています。55歳以上の亡くなった方を解剖した研究では、15%に腎動脈に狭窄があったと報告されています。

腎動脈が細くなる原因として、その90%以上は加齢に伴う動脈硬化です。残りの10%弱は比較的若年者に見られる、動脈硬化によらない腎動脈狭窄症で、細くなった場所の顕微鏡による観察から、線維筋性異形成症と呼ばれています。』

ご参考2イルベサルタンなどのARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)には腎保護作用があるとされています。こちらの”大森病院 腎センター”さまのサイトに、腎保護作用についての説明がされています。イルベサルタンは腎保護作用があるという点から中長期的には腎臓にとっても良い薬のようです。

『糸球体にかかる圧力のことを「糸球体内圧」と呼びます。降圧薬の中にこの糸球体内圧をさげる薬があります。「アンギオテンシン変換酵素阻害薬:ACE‐I」や「アンギオテンシン受容体拮抗薬:ARB」といわれる薬は全身の血圧を下げる働きとともに糸球体内圧を特別にさげる働きがあります。

糸球体内圧が低下するのでろ過される血液が減ることがあり、腎臓の働きとしては低下してしまうこともあります。しかし中長期的にみて腎臓への負担を減らすことになり、結果として腎臓を長持ちさせることができます。

現在ではデータの蓄積により、腎臓病をもつ高血圧患者さんへの第1選択薬として積極的に使用されるようになりました。』

長い前置きになってしまいましたが、今回、高血圧の薬(降圧薬)について詳しく知りたいと思った経緯は、上記のようなことがあったためです。

そして、購入した本は、薬剤師であり、ご自身が薬に頼らず血圧を下げられた経験をお持ちの石川太朗先生が書かれた『降圧薬の真実』でした。

ブログは、最初に“あとがき”の一部をご紹介しています。これは、石川先生がこの本を書かれた理由を知ることができるためです。次いで目次をすべて書き出していますが、その中の黒字がブログで取り上げた項目です。

あとがき

『高血圧はいわば国民病ともいえる病であり、血圧を下げる方法として、薬、食事、サプリメントに関するたくさんの情報があります。

その一方で、「降圧薬は一生飲み続けなければならないのか」という疑問に対しては具体的な答えを見つけるのが難しいのが実情です。事実、私は大型書店の専門書コーナー、母校の京都大学附属図書館をはじめ、東京大学附属図書館、慶応義塾大学信濃町メディアセンターなどのいろいろなところで資料を探してみましたが、満足のいく答えを示した本を見つけることができませんでした。

私は薬剤師なので、しばしばこの、「降圧薬は一生飲まなければならないのか」という質問を受けてきました。自身の体験から、生活習慣を改善すれば降圧薬を飲まないですむことは理解していましたが、それに対して具体的な説明ができない状態でした。これは薬のスペシャリストとしていかがなものかと思い、調べようとしたのが本書の執筆を始めたきっかけです。』

目次

はじめに

第1章 疑惑だらけの「降圧薬」治療

一 血圧の薬は死ぬまでやめられない?

●氾濫する情報に踊らされる高血圧患者たち

●医師自身も騙されている?

●半分以上の人はやめられる!科学的に証明されている!

●まとめ

二 そもそも「高血圧」とは何か?

●高血圧の分類

●なぜ血圧が高いといけないのか

●自分の「最適数値」を目指そう

●下げれば下げるほど良いのか?

●下げすぎの危険性とは?

●「薬で下げる」は危険?

●降圧薬を飲んでも、脳卒中のリスクは高いままである。

●まとめ

三 製薬企業と降圧薬の知られざる関係

●降圧薬は製薬企業のドル箱市場

●一つの薬が1000億円以上売れる!

●世界一の企業の論文不正事件

●日本一の企業も不誠実

●まとめ

四 降圧薬の効果を知る

●降圧薬によって、数値はどれだけ下がるのか?

●「日本一の薬」の効果とは?

●平均値はわずか「マイナス5.5~マイナス9.1mmHg」!

●まとめ

五 トクホの効果を知る

●トリペプチド 薬以上の効果があるように見えるが……

●トクホの効果は塩1g!?

●トクホで血圧の数値を改善できるのか

●まとめ

第2章 降圧薬に頼らずとも、血圧を下げる方法はないのか

一 薬の減量、中止は可能なのか

●医師はなぜ処方しつづけるのか

●第一段階は「薬の減量」

●「家で血圧を測る」メリットとは

●まとめ

二 生活習慣が変われば血圧は下がる

●『高血圧治療ガイドライン2014』によると……

三 減量のすすめ

●体重90㎏、BMI35の大学1年生

●適正体重を維持すれば、降圧薬はやめられる

●まとめ

第3章 有酸素運動、健康体操、ヨガ…… 血圧数値を劇的に改善する「運動法」

一 有酸素運動の血圧改善効果

●有酸素運動は薬以上の効果を示す!

●血圧を下げるポイントは運動の「強度」

●週30分の運動は、「日本一の薬」を超える!

●血圧が高い人ほど効果的

●温水プールのエクササイズで平均35mmHg以上の改善!?

●まとめ

二 ウェイトトレーニングは高血圧の人にも役立つ

●ウェイトトレーニングと血圧の関係

●実践 初心者向けエクササイズ

●まとめ

三 血圧改善効果のあるその他の運動

●とてもお手軽な握力運動

●動かずにできるアイソメトリック運動で血圧が改善する!?

●健康体操の驚くべき効果!

●気軽にできるヨガ

●マッサージを受けるだけで血圧は下がる!

●まとめ

第4章 正しい「食事法」と「生活習慣」で「適正血圧」の基盤を固める

一 食事でどれだけ血圧が下がるのか?

●減塩効果を正しく理解する

●「お酒はほどほど」 が鉄則

●血圧を下げる成分がある!

●血圧を下げる「DASH」食とは

●カリウムの効果

●マグネシウムの効果

●カルシウムの効果

●食物繊維の効果

●DASH食の真の血圧改善効果!

●魚の油を摂取すると……

●その他の安価で有用な成分

●ビタミンCが効くのは美容面だけではない!

●乳酸菌は血圧も下げる

●トマトの驚くべき効果

●トクホを超える緑茶の力!

●まとめ

二 血圧に悪しき四つの習慣

●「痛み止め」は血圧を上げる

●炭水化物と清涼飲料水は要注意!

●たばこは「百害あって一利なし」

●「漢方薬だから大丈夫」の落とし穴

●まとめ

三 モデルケース

●30代男性

●20代男性

●40代女性

第5章 ケース別に学ぶ「運動」と「食事」の最適な組み合わせ方

一 「時間はあるけどお金はない人」編

●運動/食事

二 「お金はあるけど時間はない人」編

●運動/食事

三 「お金も時間もない人」編

●運動/食事

四 医師とともに薬を減らすには

●降圧薬の減量、中止に向けて目標値を決める

●医師にどのように切り出すか?

あとがき

第1章 疑惑だらけの「降圧薬」治療

一 血圧の薬は死ぬまでやめられない?

●半分以上の人はやめられる!科学的に証明されている!

・降圧薬をやめた後、再び必要になるかどうかを研究した論文が存在する。

1.「高血圧治療ガイド2014」(日本高血圧学会):この治療ガイドによると『軽度高血圧、若年者、塩分摂取制限を行っている人、適正体重の維持ができている人、他に特に合併症のない方などがやめられる可能性が高い』と示されている。

2.2001年発行の「American Journal of Hypertension」誌に掲載された“A systematic review of predictors of maintenance of normotension after withdrawal of antihypertensive drugs”という論文がある。研究内容は次の通りである

・降圧薬服用中であるが、正常血圧で安定している患者を対象にしている。

・医師の判断のもとに服用を中止し、その後、降圧薬が再び必要になるかどうかについて調べている。

表1-1 降圧薬中止後の生活習慣改善別の成功率

画像出展:「降圧薬の真実」

 

・この表は薬の服用中止後に「生活習慣を改善したかどうか」、「薬の再処方が必要だったか」を示している。

・表右端の[成功率]とは、その生活習慣改善の有無における薬が不要になった人の割合を表している。

・このデータによると、体重の減量や減塩などの努力により半分以上の人は降圧薬が不要になった。

・年齢と成功率に関係は見られなかった。

●下げすぎの危険性とは?

血圧が下がりすぎると脳梗塞を起こすリスクが高まる。特に高齢者ではそのリスクが高い。

1.参考となる論文:2011年発行の「Geriatrics & Gerontology International」誌に掲載された“Practitioner’s trial on the efficacy of antihypertensive treatment in elderly patients with hypertension Ⅱ(PATE-hypertension Ⅱ study) in Japan

・日本で行われた試験。

カンデサルタン服用において、正常血圧の人のリスクを1とすると、75歳以上の心血管疾患発症リスクは、収取期血圧120mmHg未満は3.40、160mmHg以上は2.90であった。つまり、高い血圧より、低い血圧の方が危険であるという驚くべき結果であった。

・『この論文は、医療系の大学には必ずといっても良いほど置いている著名な医学雑誌「医学のあゆみ」(医歯薬出版)でも紹介された論文であり、医師たちの多くは下げすぎの危険性を理解しているはずなのです。』

拡張期血圧が低すぎるのは収縮期血圧以上に恐ろしく、心臓発作や脳卒中のリスクになることが多くの論文で指摘されている。

2.参考となる論文:2013年発行の「International Journal of Hypertension」誌に掲載された“Low Diastolic Blood Pressure as a Risk for All-Cause Mortality in VA Patients” 

図1-2 拡張期血圧と死亡リスクの関係

画像出展:「降圧薬の真実」

 

・45歳以上の病院患者のデータ(実線が死亡率)

・拡張期血圧が75mmHgから低くなるほど死亡リスクが高くなる。

・『低い拡張期血圧は衰弱や動脈硬化の結果でもあります。病院に行かなくても良いような健康な人には当てはまらないかもしれません。しかし、血圧の薬を使っている人にとっては当てはまる恐れが高いのです。

3.参考となる論文:2015年発行の「Journal of Neurology, Neurosurgery & Psychiatry」誌に掲載された“Meta-analysis of modifiable risk factors for Alzheimer’s disease” 

図1-3 アルツハイマー型認知症のリスクファクター

画像出展:「降圧薬の真実」

 

拡張期血圧が低すぎることは認知症の大きなリスクファクターである。

・この論文は5000人以上と参加者が多く、グレードⅠと研究の質も高い。

拡張期血圧70mmHg未満[左から2番目の棒グラフ]の人の発症リスクは1.87倍で重度の喫煙(1.96倍)についで、第2位となっており、収縮期血圧160mmHg以上[右から2番目の棒グラフ]の発症リスクより顕著に高い。

4.参考となる論文:2012年発行の「Archives of internal medicine」誌に掲載された“Rethinking the association of high blood pressure with mortality in elderly adult:the impact of frailty”

・降圧薬の害について書かれた論文である。

・通常の歩行ができる人は収縮期が低いほど死亡率が低いが、歩行速度が遅い人の場合は血圧と死亡率に関連は見られない。

・歩行困難な人では血圧を下げると死亡率が高くなり、薬を飲んでいる人ではより顕著になる。

●降圧薬を飲んでも、脳卒中のリスクは高いままである。

・この考え方を指示した論文が、日本人を対象とした大規模な研究で明らかになっている。

1.参考となる論文:2009年発行の「Journal of Hypertension」誌に掲載された“Stroke risk and antihypertensive drug treatment in the general population: the Japan arteriosclerosis longitudinal study

・この研究は、11,371人の日本人を対象として東北大学大学院によって行われた。

・追跡期間は9.5年、40~89歳の人を対象として脳卒中のリスクを調べた。

図1-5 血圧レベルと脳卒中発症リスクの関係

画像出展:「降圧薬の真実」

 

 

このグラフは、薬の使用の有無を考慮に入れていないデータである。

・左端(下部)の【至適血圧】の脳卒中発症リスクを1とした場合のリスクが黒の■になる。

※【至適血圧】:収縮期血圧120未満/拡張期血圧80未満。

※【正常血圧】:収縮期血圧120~129/拡張期血圧80~84。

※【正常高血圧】:収縮期血圧130~139/拡張期血圧85~89。

※【Ⅰ度高血圧】:収縮期血圧140~159/拡張期血圧90~99。

※【Ⅱ度高血圧】:収縮期血圧160~179/拡張期血圧100~109。

※【Ⅲ度高血圧】:収縮期血圧180以上/拡張期血圧110以上。

・この薬の使用を考慮に入れていないグラフでは、血圧を下げるほど脳卒中のリスクは下がる。

図1-6 降圧薬の使用と血圧レベルと脳卒中発症リスクの関係

画像出展:「降圧薬の真実」

 

 

このグラフは、薬の使用の有無で分けたデータである。

・左の図は降圧薬不使用の場合で、血圧が高いほど脳卒中のリスクは高まる。

・右の図は降圧薬使用の場合で、血圧と脳卒中のリスクに相関関係は統計学的にも認められない。特に注目すべきは、薬を服用し、血圧が【至適血圧】になっている場合、脳卒中の発症リスクが4.1倍と激増している点である。

「血圧は低ければ低いほど健康に良い」という主張は、降圧薬を服用している人には当てはまらない。

表1-5 降圧薬の使用、性別、血圧レベル別の脳卒中リスク

画像出展:「降圧薬の真実」

 

 

・この表が具体的な数値で見たリスク比である。

・男女に関係なく、薬を服用していると脳卒中のリスクは高まる。

・特に男性では、薬で【正常血圧】、【正常高血圧】に抑えても、6.69~15.30倍ととんでもなく高い。

・脳卒中の発症リスクだけを考えると、「【Ⅲ度高血圧】でもない限り、降圧薬を使うのは意味がない」という主張までできてしまう。

・このデータは年齢、過体重、喫煙、飲酒、糖尿病、コレステロール値、脂質異常症治療薬使用の有無で調整されているものなので精度は高い。

・合併症がある場合、降圧薬に血圧を下げる以外の効果を期待していることがあるため、減薬や中止は難しい可能性がある。(いずれにしても、降圧薬の減薬や中止は医師の判断が必須である)

四 降圧薬の効果を知る

●「日本一の薬」の効果とは?

最初に、第1章 疑惑だらけの「降圧薬」治療 一つの薬が1000億円以上売れる から、降圧薬の売上ランキングをご紹介します。なお、降圧薬はベスト100の中に、1位の「ディオバン」をはじめ、計11種類の薬がランクインしており、降圧薬がいかに大きな市場となっていることが分かります。

表1-8 降圧薬の売上ランキング

画像出展:「降圧薬の真実」

 

 

・日本で最もよく使われている降圧薬はカルシウム拮抗薬(CCB)であり、次はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)である。

・CCB(代表的なCCBはアムロジン[成分名:アムロジピン])とARB(代表的なARBはディオバン[成分名:バルサルタン])を比較したデータは次の通り。血圧の状態や個人差による違いはあるが、十分に参考になる。

表1-10 エックスフォージ配合剤の血圧降下作用

画像出展:「降圧薬の真実」

 

 

・CCB[アムロジピン]の方がARB[バルサルタン]より降圧効果は高い。

・バルサルタン単体(⑦⑧)は薬の量を半減させてもほとんど変わらない。収縮期血圧:ー5.1⇒ー4.9、拡張期血圧:ー3.9⇒ー3.6。

●平均値はわずか「マイナス5.5~マイナス9.1mmHg」!

1.参考となる論文:2003年発行の「British Medical Journal」誌に掲載された“Value of low dose combination treatment with blood pressure lowering drugs: analysis of 354 randomised trials” 

・対象となった患者数は、のべ56,000人、これほど大規模で信頼性の高い論文はない。

表1-12 降圧薬と血圧降下量の関係

画像出展:「降圧薬の真実」

 

 

・降圧薬を通常量用いるとその種類を問わず、血圧に対する効果は、①収縮期血圧:マイナス9mmHg ②拡張期血圧:マイナス5mmHg 程度である。

薬の量を半分あるいは倍増しても平均すると、①収縮期血圧:1.9mmHg ②拡張期血圧:1mmHg 程度しか変わらない。さらに、半減(通常量の4分の1)させても同様に大きくは変わらない。これは、薬を減らすことが難しくないという理由でもある。

『個人差もありますし、急に中止すると血圧が急に変動する薬もそんざいするので、薬の量の調節を自己判断で行ってはいけません。』