小児の理学療法1

前回、前々回は『脳性まひ児の発達支援』という本を題材にした勉強モードのブログでしたが、今回も同じく勉強モードとなっています。勉強の目的は“動くことのできる小児障害児への施術(マッサージ・鍼)を考え、一人ひとりに適した施術を提供できるようになる”ということです。

なお、ブログの内容は本をつまみ食いした項目で構成されていますが、“小児の理学療法1”で注目したのは2つです。一つは“セラピスト(理学療法士)に求められていることを知る”というものであり、もう一つは“小児障害児の運動特性と関節・筋肉”に関するものです。これらは、障害児が持つ過緊張・低緊張という問題に正面から取り組む上で重要であると考えます。

著者:河村光俊

出版:医歯薬出版

初版発行:2002年6月

『脳性まひ児の発達支援』の参考文献として紹介されていた本です。

すべての目次の中で黒色は今回の“小児の理学療法1”、その中で太字がつまみ食いした項目です。一方、うすい灰色は次回以降、“小児の理学療法2”、“小児の理学療法3”で検討する部分になります。

目次

第1章 歴史的にみた脳性麻痺

第2章 発達障害児の治療のための評価

1.事前に行うべきこと

1)両親への説明

2)評価環境

3)両親(母親)の観察

2.評価の基本

1)基本的評価の流れ

2)観察のポイント

3)仮説を立てる

4)正常運動発達要素の欠落

3.姿勢反応の評価(立ち直り反応群)

1)体に働く頸の立ち直り反応

2)頭に働く頸の立ち直り反応

3)体に働く体の立ち直り反応

4)視性立ち直り反応

5)迷路性立ち直り反応

6)平衡反応

4.姿勢緊張の評価

1)小児神経学で使われている筋緊張の検査

2)正常姿勢緊張

3)プレーシング・ホールディング

5.連合反応の評価

6.発達のギャップ

7.乳児期に問題となる姿勢と運動パターン

8.知的発達の評価

第3章 姿勢と運動の発達

1.腹臥位姿勢と運動の発達

1)新生児の腹臥位姿勢と運動

2)1カ月の腹臥位姿勢と運動

3)2カ月の腹臥位姿勢と運動

4)3カ月の腹臥位姿勢と運動

5)4~5カ月の腹臥位姿勢と運動

6)6カ月の腹臥位姿勢と運動

7)7カ月の腹臥位姿勢と運動

8)9~10カ月の腹臥位姿勢と運動

9)12~13カ月の腹臥位姿勢と運動

2.背臥位姿勢と運動発達

1)新生児の姿勢と運動

2)1カ月児の背臥位姿勢と運動

3)3カ月の背腹臥位姿勢と運動

4)4~6カ月の背臥位姿勢と運動

5)8カ月の背臥位姿勢と運動

3.座位の発達

1)第1段階~第2段階(新生児期から生後5カ月)

2)第2段階

3)第3段階

4.立位と歩行の発達

1)新生児期

2)失立・失歩行期

3)下肢への加重の始まり

4)jumping Stage

5)bilateral weight bearing

6)sequence to standing

7)1歳6カ月以降の立位・歩行の発達

5.手指機能の発達

1)hand orientation

2)hand orientationとgrope

3)hand orientation,grope,grasp

4)reach pattern

5)物の持ちかえ

6)pincer grasp

7)releaseの発達

6.移動の発達

1)移動における皮膚の役割 

2)初期の移動と視覚とリーチ

3)移動にみられる退行現象

4)移動と三点支持面

7.乳幼児のプレスピーチの発達

第4章 新生児集中治療室における理学療法

1.新生児の分類

1)出生体重による分類

2)在胎週数による分類

3)胎児発育曲線による分類

4)臨床所見による分類

2.未熟児にみられる主要な疾患

1)子宮内発育不全児

2)新生児仮死

3)未熟児無呼吸発作

4)呼吸窮迫症候群

5)未熟児の慢性肺障害

6)核黄疸

7)動脈管開存症

8)新生児低血糖症

9)新生児頭蓋内出血

10)嚢胞形成性脳室周囲性白質軟化

11)未熟児網膜症

3.未熟児の姿勢と運動の評価

1)モロー反射

2)把握反射

3)非対称性緊張性頚反射

4)足趾把握反射

5)交叉性伸展反射

6)恥骨上反射

7)ガラント反射

4.新生児神経行動学的評価

1)慣れ現象

2)運動と緊張

3)反射

4)神経行動学的指標

5)立ち直り反応

5.未熟児の運動療法

第5章 脳性麻痺

1.痙直型四肢麻痺

1)痙性の分布

2)関節への体重負荷、自発運動の意義

2.痙直型両麻痺

1)臨床像

2)痙直型両麻痺の病因

3)両麻痺の痙性分布

4)両麻痺の発達の特徴

5)両麻痺の頭のコントロール

6)両麻痺のキッキング

7)両麻痺の寝返り

8)両麻痺のハイハイ

9)両麻痺の起き上がり動作

10)痙直型両麻痺の割り座に対するアプローチ

11)両麻痺の移動

12)両麻痺のつかまり立ち

13)両麻痺の立位姿勢

14)両麻痺の認知障害

15)つま先歩きをする子どもたち

16)股関節脱臼

3.痙直型片麻痺

1)初期症状

2)片麻痺の発達の特徴

3)アテトーゼ型片麻痺

4)後天性片麻痺

5)片麻痺の問題行動

6)片麻痺の治療

4.アテトーゼ型脳性麻痺

1)アテトーゼ型脳性麻痺に共有する特徴

2)アテトーゼ型脳性麻痺の分類

3)アテトーゼ型脳性麻痺の治療

5.弛緩型麻痺

1)脳性麻痺の初期症状としての弛緩

2)姿勢および反応

3)アテトーゼへの移行(移行期のサイン)

4)弛緩児の治療

第6章 運動療法

1.頭のコントロールのための運動療法

1)背臥位での頭の回旋

2)腹臥位での頭の回旋

3)腹臥位での頭の挙上

4)背臥位からの頭の屈曲

5)頭の固定性を高める準備としての圧迫手技

2.上肢の挙上運動とリーチの準備

3.上肢の支持性

4.脊柱の側屈可動性の準備

5.脊柱の伸展可動性の準備

6.パラシュー反応の誘発

1)パラシュート反応誘発のための準備

2)パラシュート反応の誘発

7.減捻性立ち直り反応を応用した運動の誘発

1)体に働く頸の立ち直り反応

2)体に働く体の立ち直り反応

3)抗重力方向への体に働く体の立ち直り反応

第2章 発達障害児の治療のための評価

1.事前に行うべきこと

●家庭ではどのような姿勢、運動が多いかを質問し、習慣的に形成されていく異常姿勢や運動に対抗する手段を講じていかなければならない。

●家庭で使用している機器(座位保持椅子、車椅子、歩行器、立位保持用具など)を知る。

●子どもの生活リズムを知っておく。特に年少の場合、午睡、就寝、起床時間、夜中にどのくらい覚醒するか。

●どのような薬を服用しているか。

2.評価の基本

●総合評価する場合、一人ひとりの動作を観察分析することから始まる。

セラピストは運動学的に異常な動作の原因の仮説をたて、その仮説に基づき運動療法を試行し、発達障害児に触れ、観察で得られた情報と実際に触って感じる情報の違いなどを整理していく。

●治療を行いながら刺激(スピード、幅、刺激部位、刺激の強さ)を変え、適切な刺激を選択する。

1)基本的評価の流れ

発達過程にある発達障害児の異常性の出現、正常要素の欠如と異常な発達、発達の停止もしくは遅れ(発達のゆがみ)を見つけることがセラピストの課題となる。

なぜ首が座っていないのか? なぜ座れないのか? なぜ寝返りできないのか? なぜ手をうまく使えないのか? なぜつかまり立ちができないのか? なぜ歩けないのか? など獲得して欲しい機能を阻害している要因は何なのか、セラピストは自問自答する必要がある。

2)観察のポイント

観察は末梢の手足ではなく、体幹の状態をよく観察する。

●体幹の観察では胸郭の左右差や肋骨下部の突出、陥没呼吸のためにロート状になっていないかみる。

●観察だけでなく動作を真似してみることも重要。

3)仮説を立てる

できること、できないことを整理する、そしてできないことの原因の仮説を立てる。ここで考えなければならない原因とは、中枢神経系の障害部位ではなく、からだに分布する異常な筋緊張分布や獲得していない基本的な運動機能などを考えることである。

●姿勢(背臥位、腹臥位、座位、立位)と運動(寝返り、ハイハイ、四つ這い、起き上がり、つかまり歩き、歩行)のなかにみられる共通した問題点を見つけだす。

●異常と感じた姿勢や動作を文章にしてみることが必要である。

●年長になるにつれ、非対称性が徐々に変形や拘縮に発展していく。

4)正常運動発達要素の欠落

正常運動発達には順序性があり、頭のコントロールから寝返り、ハイハイ、四つ這い、つかまり立ち、つかまり歩き、独歩と続くが、この順序性に固執するのは適切ではない。寝返りができる6カ月では立位をとらせると下肢に体重を受け始める。座位をとらせると両手を前について少しのあいだ姿勢を保とうとする。このようにお互いが影響しながら同時に発達している。

●セラピストは子どもの発達経過のなかで重要な正常運動発達の要素を欠落させていないかどうか見つける必要がある。

・正中位での頭の保持

・手と足の接触

・体軸内回旋機能

・下肢の交互運動

・上肢の支持性

・手指の把握機能

・凝視・追視機能

・咀嚼・嚥下機能

・基本的な立ち直り反応

・上肢の保護反応

・下肢の保護反応

・平衡反応

運動麻痺についてご紹介します。

画像出典:「日本脳神経財団

運動麻痺とは手足や顔を動かす筋肉が随意的に動かせなくなることです。具体的には脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷などで手足や体幹、顔面の随意的な運動ができなくなる状態です。

運動麻痺はその病気が身体のどこに起こるかで4つのタイプに分けられます。

①片麻痺(半身麻痺):顔面を含んで一側半身の麻痺が現れるものです。

②単麻痺:一側の手、または足が単独で麻痺するものです。

③対麻痺:両側の下肢の運動麻痺のことです。

④四肢麻痺:両側の上肢、下肢が全て麻痺してしまうものです。

4.姿勢緊張の評価

姿勢緊張テストの目的は子どもの姿勢変化に伴う筋の緊張の変化を調べることである。つまり発達障害児では姿勢によって筋緊張が高まったり、低下したりする。また、中枢神経系に障害を持っている場合には異常な筋緊張が全身に分布しており、治療計画を立てる場合に異常筋緊張分布の状態を把握する必要がある。セラピストは子どもの四肢を他動的に操作し、その時セラピストの手に感じる筋の筋緊張を評価する。

●筋緊張の評価として次の大まかな基準が参考になる。

①正常(normal):四肢の他動操作に対して素早く反応し、ただちに筋緊張を他動操作に合わせるように変化する。その結果、セラピストは四肢を非常に軽く感じる。

②痙性(spasticity):四肢の他動的操作に対して過度な抵抗を示す。抵抗は操作開始域で強く、突然抵抗が弱まることがある。これをジャックナイフ現象とよぶことがある。一般的には上肢では屈筋と内転筋の緊張が高く、下肢では伸筋と内転筋の緊張が高いのが特徴である。

③アテトーゼ(athetosis):四肢の操作に対して筋緊張が動揺し、過度な抵抗を示したり、抵抗が消失したり絶えず変化を示す。その筋緊張の変化を予測することが一般的には困難である。

④弛緩(flaccidity):四肢の操作に対してほとんど抵抗を示さず、セラピストは操作している四肢の重さを手に感じる。 

筋緊張の種類についてご紹介します。

画像出典:「LITALICO発達ナビ

このイラストを見ると、痙直型=大脳、アテトーゼ型=大脳基底核、失調型(弛緩)=小脳 ということがシンプルに分かります。なお、約80%は痙直型であるとされています。

また、こちらのサイトには貴重な情報が盛りだくさんなのですが、特に重要と思う部分をご紹介します。

◇症状と脳性麻痺の原因

1.核黄疸・ビリルビン脳症

2.低酸素性虚血性脳症

3.脳室内出血・脳室周囲白質軟化症

◇上記3つ以外の原因

1.妊娠中の脳性麻痺になる原因

・脳の中枢神経系の奇形

・遺伝子や染色体の異常

・感染症(風疹、サイトメガロウィルス、トキソプラズマなど)

2.出産時の脳性麻痺の原因

・新生児の呼吸障害やけいれん

3.出産後の脳性麻痺の原因(脳の損傷)

・中枢神経感染症

・頭蓋内出血

・頭部外傷

・呼吸障害

・心停止

・てんかんなど

おもに周産期と妊娠期間中に脳性麻痺が起きやすいことも分かっており、周産期に発生する場合が40~66%、出生前の妊娠中に起きてしまう割合が13~35%。

1)小児神経学で使われている筋緊張の検査

●筋緊張(筋トーヌス)の内容として伸張性、被動性、筋の硬さの3つがある。

(1)伸張性

伸張性とは関節をゆっくりと他動的に操作して動かしたときにどのくらいの伸びを示すかによって判定する

①window sign

手関節を掌屈する。成人では90°だが新生児ではさらに掌屈する。6カ月ではほぼ成人の可動域になるが、6カ月以降も過度な掌屈がみられる場合には低緊張であり、ダウン症などの疾患が疑われる。

画像出典:「小児の理学療法」

 

②股関節の開排角度

新生児の開排角は平均76~77°で、その後急速に角度は減少し、生後3カ月で平均71°まで減少する。その後は徐々に増加し生後2歳で再び76~77°になる。さらに歩行速度の増加と走行能力の発達に伴い股関節の固定性が増大するため内転筋の伸張性は低下する。そのため生後では74~75°になる。 

画像出典:「小児の理学療法」

 

ご参考

画像出典:「岡山の医療健康ガイド MEDICA

 

③足の背屈

成熟新生児の背屈角度は大きく、生後3カ月以降は減少していく。成人では20°。

④膝窩角

膝窩角は新生児期では約90°だが、徐々にその角度は拡大していく。しかし、中枢神経系障害のある子どもではその角度が過剰に拡大したり、狭小化したり、左右差を示す。 

画像出典:「小児の理学療法」

 

ご参考(最下部に掲載されています)

画像出典:「MUSCULOSKELETAL MEDICINE

 

⑤スカーフ兆候

上肢をスカーフのように首に巻きつけるように回して検査する。成熟新生児では手関節が肩峰の所で止まるが、未熟児では手関節が肩峰を越えてしまう。  

ご参考(ほぼ中央に掲載されています)

画像出典:「OBGYNKEY

※写真左は成熟新生児、右は未熟児です。

注)本ページには衝撃的な写真も含まれております。 

 (2)振れの度

一般的に手関節と足関節で検査する。子どもの手首もしくは足首を持ち、手先もしくは足先を振る。このとき、低緊張であれば大きく振れ、過緊張であれば振れが小さくなる。

(3)筋の硬さ

筋肉の硬さを指で圧迫して硬さを判定する。筋の硬さの判定はかなり主観的になるため、多くの症例を経験する必要がある。評価基準は-3~+3までの7段階。

2)正常姿勢緊張

正常な姿勢緊張には幅があり、日常の生活の中で状況に応じて変化している。しかし、覚醒している状態では即座に動作を起こすことができる筋緊張は保っている。

3)プレーシング・ホールディング

正常であれば支えのない空間に置かれた肢は補助する手を離しても、肢を空間に短時間保持することができる。一方、中枢神経系障害のある子どもは保持することが難しい。

 5.連合反応の評価

●痙直型両麻痺の子どもが寝返りをしようとすると、いつも上半身を過剰に使って寝返ろうとする。その結果、両下肢は伸展して内転、内旋し特徴的なはさみ状肢位をとってしまう。

痙直型片麻痺では健側を使用することで患側の上肢の屈筋痙性が高まり、上肢が典型的な肘屈曲、回内、手指屈曲の姿勢をとってしまう。

画像出典:「小児の理学療法」

 

子どもがより健側を使用するたびに、患側の緊張が高まり変形・拘縮の原因となる。この連合反応が最も子どもの発達を阻害する要因になる。

●子どもにとって何が困難か、また、連合反応が出現しない許容度と、最も著明に出現する動作を把握しておく必要がある。

第3章 姿勢と運動の発達

4.立位と歩行の発達

3)下肢への加重の始まり

●生後4~5カ月になると膝窩で支えると少しの間、体重負荷を始めてくるが、全体重を支えることはできない。

足趾は屈曲しがちで片足を持ち上げることがある。

立位姿勢では股関節と膝関節の軽度屈曲がまだみられる。

画像出典:「小児の理学療法」

 

4)jumping Stage

●生後6~7カ月になると起立位に保持をすると下肢を伸展し、十分体重を負荷するようになる。

●この時期は活発に飛び跳ねるため、jumping stageと呼ばれる。

画像出典:「小児の理学療法」

 

5)bilateral weight bearing

●生後8~9カ月では飛び跳ねることはしなくなり、両手で物をつかんで立位を保つようになる。

一人ではしゃがむことはできないのは、体重の負荷がかかる状態で、股関節、膝関節を自由に動かすことができないためである。

画像出典:「小児の理学療法」

 

6)sequence to standing

(1)pull-up sequence

生後9~10カ月になると物につかまり直線的に起立するようになる。まだ片足での体重負荷機能が十分発達していないため、両足同時に使って起立しようとする。

画像出典:「小児の理学療法」

 

また、この時期でも膝の機能が十分ではないため、つかまり立ちはできてもしゃがむことはできない。

画像出典:「小児の理学療法」

 

(2)cruising(つかまり歩き)

生後11~12カ月になると、物につかまり横へつたい歩きができるようになる。

画像出典:「小児の理学療法」

 

つかまり立ちからつかまり歩きへ乳児を促すのは、上肢のリーチ機能である。これは手を物にリーチすることにより下肢では体重移動が生じ、より一側に体重が移ると他側の下肢のステップ反応が生じ、最初の一歩となる。

乳児は初め連続した物でつかまり歩きをするが、脊柱の重力に抗した伸展機能が高まるにつれて、脊柱の伸展と回旋を組み合わせることができるようになる。この離れた物へのつかまり歩きをしているときに、偶然に両手が離れて一人立ちが出現する。離れた物へつかまり歩きができるようになると、片手を支えられれば歩くことができるようになる。それ以前では、支えられた手を支点にして身体が回転してしまうことがある。

画像出典:「小児の理学療法」

 

(3)walking(一人歩き)

生後12~13カ月ごろ一人で床から起立し、数歩あるくことができるようになる。一人歩き初期では脊柱の抗重力伸展をさらに強めるために上肢を伸展し、肩甲骨を固定しようとする。また、両下肢を広く外転して立位の基底面を広くとり安定した姿勢を確保しようとする。

画像出典:「小児の理学療法」

 

一人歩き初期では、立位から最初のステップを前に振り出すとき、他側の下肢で全体重を受けなければならないため、乳児は下肢の伸展と脊柱の伸展を高めなければ崩れてしまう。そのため上肢を挙上し、下肢の伸展を全身を使って強める。

画像出典:「小児の理学療法」

 

歩行初期には上肢を挙上した姿勢で、両下肢を外転して基底面を広くとった歩行をする。この姿勢をhigh guard postureとよぶ、次第に上肢は下がっていき、middle guardへ、そして最後にlow guardとなっていく。上肢の位置がlow guardになるのは生後18カ月である。また、low guardになると歩行中の上肢の交互の振りが出現してくる。

画像出典:「小児の理学療法」

 

床からの起立パターンでは初期には完全な回旋を背臥位から起こし、腹臥位になってから四つ這い位、高這い位をとりバランスをとりながら起立していく。

画像出典:「小児の理学療法」

 

しだいに起立パターンは変化していき、完全に腹臥位まで回旋することなく、背臥位から半回旋し、座位に起き上がり、そこから起立するが、まだいったん高這い位の姿勢をとる。

画像出典:「小児の理学療法」

 

生後2歳ごろでは起立するまで高這い位を経由しなくなり、座位から片膝を立てて起立するようになる。

画像出典:「小児の理学療法」