不整脈(心房細動)

今回は百寿者(母親)の事例ですが、趣旨は不整脈と薬について勉強したことをお伝えしたいというものです。

母親の不整脈は期外収縮と診断され、主治医の先生からは心配するものではないというお話でしたが、念のためワソランという薬を服用していました。

一方、数カ月前より食事回数がほぼ1日2食になってきたため、1日3回服用していた薬の見直しをすることにしました。特に年齢的な代謝機能の低下も考慮する必要があるだろうと思い、基礎代謝について調べてみると以下のようなサイトがあり、やはり加齢による基礎代謝低下は無視できないものと判断しました。そして、主治医の先生と相談し、薬の種類(ワソラン以外は慢性気管支炎などの気道に関わる薬2種)と量の双方から必須となるなものだけに絞り込んでいこうと考えました。

こちらのサイトは数値を入力すると基礎代謝量が計算されます。なお、計算式はハリス・ベネディクト方程式(改良版)だそうです。体重身長年齢の入力が必要です。

男性: 13.397×体重kg+4.799×身長cm−5.677×年齢+88.362

女性: 9.247×体重kg+3.098×身長cm−4.33×年齢+447.593

PAL(physical activity level)とは総エネルギー消費量を基礎代謝量で除した値で、身体活動量を示すものです。70歳以上も低下し続けることが確認できます。

画像出展:「e-ヘルスネット」厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト

 

主治医の先生には月1回診ていただいています。また、心電図検査は数カ月に1回行っています。診察時の脈診だけでなく、直近2、3回の心電図検査でも不整脈は出ていませんでした。もともと期外収縮は特に心配する必要のない不整脈という認識だったこともあり、ワソランは不要ではないかと考え、先生にご相談しました。その結果、「まずは薬を減らして様子をみましょう」ということになりました。

薬の量を減らすにあたり、今まで全くノーケアだったワソランについて調べてみたのですが、分かったことは、この薬は心房細胞・心房粗動、発作性上室性頻拍などの頻拍性不整脈および狭心症の治療薬であるという意外なものでした。

特に気になったのは、“心筋へのカルシウムの流入を阻害し心臓の拍動を遅らせる”という作用です(頻拍性不整脈に対する薬なので正しい作用ですが)。また、重大な副作用の中には次のような内容も含まれていました。

『重大な副作用は循環器障害であり、心不全(徐脈、動悸、息苦しい)、不整脈(洞停止、房室ブロック)、徐脈(脈拍数が少ない)、意識消失などを伴う場合は使用中止します。』 

実は半年前くらいに、血圧・心拍数低下、意識が朦朧とするという事態が一度だけですが起きていました。この時は、20分ほどベッドに横にし、その後再度測定したところ通常の数値に戻っていました。(これが薬の副作用によるものであるかどうかは不明です)

また、ワソランに関しては既に会員になっていた有償サイトの “アスクドクターズ” にも質問を出してみました。回答は「本当に期外収縮だとすれば、主治医に相談した方が良い」という主旨の指摘が複数ありました。

現在、ワソランの服用を止めて約2カ月が経過しましたが、脈に目立った変化は出ていません。一方、パルスオキシメーターによる酸素飽和度(SpO2)は、概ね91~93だった数値が93~95と感覚的には1.5~2ポイント程度改善されました。ただし、これがワソランの服用中止と関係しているのか、その関係性を証明するものは何もありません。仮にそうだったとしても、個人差があると思います。

下記の2つのサイトにワソランの詳しい説明が出ています。

 

ワソランは中央のフェニルアルキルアミン系に属しています。

画像出展:「お薬Q&A 〜Fizz Drug Information〜

 

 

カルシウムは、脳では記憶、神経では痛みを伝えるなどの役割を担っています。そして、血管や心臓ではカルシウムは「収縮」に関わっています。

画像出展:「役に立つ薬の情報~専門薬学 

私自身も数年前に一度、不整脈(期外収縮)になったことがあり、24時間心電図も経験しました。なお、この時の不整脈は1カ月程続き、いつのまにかなくなりました。原因は睡眠不足とストレスだったのではないかと推測します。

今回、私自身の今後のケアのためにも、不整脈を詳しく勉強してみることにしました。図書館から借りてきたのは、『その心房細動、治しますか?付き合いますか?』と『不整脈・心房細動がわかる本』の2冊ですが、ブログは後者の『不整脈・心房細動がわかる本』の内容がほとんどです。

 

こちらの本からは、心房細動の進行度のグラフ、そしてカテーテルアブレーションを説明したイラストなど、計4つを掲載させて頂いています。

著者:山根禎一

出版:中外医学社

第3版発行:2014年10月

 

 

 

著者:山根禎一

出版:講談社

発行:2018年9月

 

 

大項目は次の5つです。第4章以外の各章の中から書き出したい箇所を要約するかたちで列挙しています。

第1章 脈の乱れは普通のこと?

第2章 自分の不整脈の種類を確かめておこう

第3章 心房細動―ただちに危険はないが進行する

第4章 危険な不整脈―突然死を避けるために

第5章 期外収縮―治療しなくて大丈夫?

第1章 脈の乱れは普通のこと?

不整脈が起きるわけ:心臓を動かす電気信号が乱れると脈も乱れる

●心臓は電気信号の合図にしたがって収縮・拡張をくり返す。

●不整脈があるからといって、心臓そのものに問題があるとは限らない。

●心臓の動きをコントロールする電気信号は、さまざまな原因で乱れる。よって、不整脈はめずらしいことではない。 

 

 

画像出展:「不整脈・心房細動がわかる本」

 

 

一瞬の症状はだれにでも起きる普通のこと

●健康な人でも1日のうち数十回は、期外収縮が起きているといわれる。多い人では1日に数千、数万にのぼることもある。(拍動は1日約10万回)

●起きやすい症状

1.一瞬、咳き込んでしまう。

2.ふいにのどがクッと詰まったような感じがする。

3.心臓がドクンと飛び跳ねたような感じがする。

4.脈が抜ける/脈が飛ぶ。

 

 

画像出展:「不整脈・心房細動がわかる本」

 

 

持続する症状や、めまい・失神に要注意

●1分間の脈拍数が100回を超えている、あるいは50回に満たない。

●1日に何度も不快な症状に見舞われる。

●動悸が続く(安静にしてもおさまらない)。

●息苦しくなって気が遠くなる。

 

 

画像出展:「不整脈・心房細動がわかる本」

 

 

一部の不整脈は脳梗塞・心不全・突然死の原因に

●不整脈にはさまざまなタイプがあり、中には命にかかわるものもある。

 

 

画像出展:「不整脈・心房細動がわかる本」

 

 

コラム:「心臓神経症」といわれた人へ 

激しい動悸や胸痛があっても心臓に異常はない状態を「心臓神経症」という。

 

 

画像出展:「不整脈・心房細動がわかる本」

 

 

第2章 自分の不整脈の種類を確かめておこう

どう対応するかは不整脈の種類や原因しだい

●不整脈があっても、必ずしも治療が必要なわけではない。

●自分の状態に合わせて対応のしかたを決める

 

 

画像出展:「不整脈・心房細動がわかる本」

 

 

第3章 心房細動-ただちに危険はないが進行する

心房細動は年をとるほど増える少々危険な不整脈。

1.年齢とともに起きやすくなる。

2.脳梗塞の原因になったり、心不全につながったりするおそれがある。

3.少しずつ進行していく。

4.治療できる。

 

 

画像出展:「不整脈・心房細動がわかる本」

 

 

心房細動のしくみ

●心臓のつくりは2階建てで部屋は4つ、1階は“心室”、2階は“心房”。2階(心房)の左(向かって右)の部屋は肺から送られてくる血液、右(向かって左)の部屋は全身から戻ってくる血液、役割はいずれも血液の一時置き場。そして、心房全体がリズムよく収縮をくり返すことで、溜まった血液が1階の心室に流れ込んでいくというしくみ。

心房細動とは心房がぶるぶる震えるだけで、しっかり収縮できなくなった状態。 

 

 

画像出展:「不整脈・心房細動がわかる本」

 

 

年齢、体質、全身の状態などが関係する 

●心房細動は基本的には老化現象だが、それだけではない。

●年齢以外の要因

1.心臓の病気

2.肥満

3.生活習慣病

4.飲酒・喫煙

5.ストレス

6.遺伝的な体質

 

 

画像出展:「不整脈・心房細動がわかる本」

 

 

心不全との関係:心房細動が続くと心機能は低下していく 

●心房が働かないから増える心臓の負担

 

 

画像出展:「不整脈・心房細動がわかる本」

 

 

●心不全で起きやすい症状

1.息切れ/呼吸困難:血液の流れが停滞し、酸素不足の状態に陥りやすくなる。

2.手足のむくみ:余分な水分は末梢に溜まりやすい。冷えも生じやすい。

3.倦怠感:酸素・栄養が十分に行き渡らないため、疲れやすくなる。

4.体重増加:尿量が減少し、余分な水が体内にたまる。

 

 

画像出展:「不整脈・心房細動がわかる本」

 

 

三つの観点から、とるべき方針を決める

●年齢

1.30~40歳代

薬を一生飲み続けるより、根治を目指す治療(カテーテルアブレーション)がすすめられる。

2.50~60歳代

自分の希望、心房細動以外に抱えている病気の有無などを考慮し、何を優先するか検討する。

3.70歳以上

無理に根治は目指さず、脳梗塞の予防や症状の軽減をはかりながらつきあっていく。

●症状

1.特に困ったことはない:「年齢」と「進行度」で判断する。

2.強い症状に苦しんでいる:薬物療法で和らぐこともあるが、根治を目指すことを考える。

●進行度(進行するほど、根治を目指すのは難しくなる)

1.発作性:薬物療法でもカテーテルアブレーションでも、正常なリズムを取り戻しやすい。

2.持続性:薬物療法でよい状態を保てる人は2割程度に。

3.慢性:薬物療法でリズムの調整は難しい。

 『心臓細動は発作性心房細動から始まり、年間5.5%ずつ慢性心房細動へと進行してゆきます。そして、その進行は通常、クスリで抑えることは困難です。不整脈のクスリ(抗不整脈薬)は、一時的には心房細動の出現を起こさないようにすることはできても、治しているわけではありません。治っているように見えて、その陰で心房細動の本体は成長(増悪)していることも多いのです。一旦効いたクスリが徐々に効かなくなることもよくあります。その場合は、クスリの量を増やしたり種類を変えたりします。』

画像出展:「その心房細動、治しますか?付き合いますか?」

 『「カテーテルアブレーション」という言葉の意味するところは、カテーテルを用いて「心臓の中の不整脈の原因部位を焼灼して治すことです。カテーテルとは、長い管の先で、焼いて治す治療法」ということができます。図に示しているように、実際にはカテーテル先端と患者さんの背中に張ってある電極パッチとの間に高周波電流を流し、接している局所に熱を加える原理です。電子レンジの原理とも類似しており、目的とする部位だけに熱を加えることができるのです。』

画像出展:「その心房細動、治しますか?付き合いますか?」

 大きな分かれ道

『心房細動の患者さんは、必ずどこかで分かれ道に遭遇します。それは心房細動と(ずっと)付き合ってゆく道と、心房細動を治す道の2つです。心房細動と付き合ってゆく道とは、心房細動を放置するか、薬物治療を継続することです。本書の中でいろいろ紹介しているように、抗凝固薬、抗不整脈薬、心拍抑制薬などをずっと内服継続します。

一方、心房細動を治す道とは、手術を意味します。カテーテルアブレーション手術または外科手術を受けて、心房細動を根治させる道です。』

画像出展:「その心房細動、治しますか?付き合いますか?」

第5章期 期外収縮ー治療しなくて大丈夫

期外収縮とは:たまに起きるだけなら治療は必要なし

 

 

画像出展:「不整脈・心房細動がわかる本」

 

 

●対応の基本原則

1.原因となる病気の有無で方針は変わる。

2.生活習慣の改善が有効。

3.期外収縮だけなら基本は無治療

 

 

画像出展:「不整脈・心房細動がわかる本」

 

 

付記:高齢者と薬の副作用

こまめに副作用の検査を

『高齢者に薬を飲ませるときの注意は三つある。飲ませ方、飲む量、そして飲んでいる間の注意だ。

高齢者は、寝ている場合でも体を起こして薬を飲ませる。寝たまま飲んだり、水を使わないと、お年寄りは薬が肺に入ったり、のどや食道で薬が「途中下車」してしまい、肺炎や潰瘍などを引き起こす恐れもある。

薬は肝臓で代謝され、腎臓から尿に排泄されることが多い。そのため、一般に肝臓、腎臓が弱っている高齢者には特に注意が必要だ。検査で異常がなくても、高齢者は薬を排泄、解毒する仕組みが弱っていると考えてよい。

高齢者、とくに70歳を過ぎた人には、薬の量を成人の三分の二ぐらいに減らして飲ませる。副作用もなく効き目が悪ければ、普通の量にもどせばよい。

高齢者はいくつかの病気を持っていることが多く、いろいろな薬を一緒に飲んでいる。統計で調べると、飲んでいる薬の数が多いと副作用も出やすい。高齢者の間で薬の副作用が増えているのはこのためである。お年寄りは、副作用が出ても外部からわからないことがある。だから、薬を飲んでいる間は肝臓、腎臓の検査を中心に、健康人、成人よりも頻繁に検査することをすすめたい。

著者:水島裕

出版:講談社

発行:2001年2月 

ブログの冒頭で出てきた、抗不整脈薬の「ワソラン」は商品名であり、一般名としては「ベラパミル塩酸塩」といいます。下図の横棒グラフでは上から5番目です。これを見ると肝代謝が95%となっており、肝臓への負荷が高いことが分かります。

 『抗不整脈薬は基本的に心筋の膜表面にあるイオンチャネル(イオンの通り道)に対して働きます。それは主にナトリウムチャネル、カルシウムチャネル、カリウムチャネルの3種類です。これらのイオンの通過を抑制させることで効果を顕すわけですが、効き過ぎた場合には心筋の電気的バランスを破綻させ、致命的な不整脈(心室頻拍や心室細動)を生じさせる可能性があります。そのことから、抗不整脈薬は諸刃の剣と呼ばれています。抗不整脈薬の効き過ぎを起こす原因は主として、高齢と、内臓機能低下(腎臓、肝臓)です。体内に入った薬剤がきちんと代謝排泄されるかどうかは腎臓、肝臓の機能に依っています。そこで大切なのは、使用している薬剤が腎排泄型か、肝代謝型かを知っておくことです。』

画像出展:「その心房細動、治しますか?付き合いますか?