重症五十肩(肩関節周囲炎)

重症五十肩の患者さまに来院頂いています。初診のときに肩関節の可動域を確認させて頂いたところ、屈曲(腕を前に振り上げる)については何とか30°程度ありましたが、伸展(腕を後ろに振り上げる)も外転(腕を横に上げる)も、自力ではほとんど動かすことができませんでした。人とのすれ違いでは、肩が軽くぶつかっただけで激痛のためうずくまってしまうということです。夜間痛は最も何とかしたい痛みでしたが、仰臥位(あお向け)になっただけで肩がずれるような感じがあり辛いとのことでした。そのため、施術では肘から下を小さな枕に乗せて頂くようにしました。家事や日常生活では、シャツの着替え、洗濯物を干すこと、髪を後ろで結ぶことなどはひとりではできないため、家族の方に手伝ってもらっていたそうです。
痛みの強さなどから、亜脱臼や腱板損傷も考えられましたが、二つの病院でのX線による診断はいずれも五十肩とのことでした。

下記の4つの絵は、“「肩」に痛みを感じたら読む本”からの出展です。左上は前方の「屈曲」と後方の「伸展」ですが、それぞれ可動域は180°と60°と定義されています。右上は外側に開く「外転」と内側にクロスする「内転」を示しています。「外転」の可動域は180°です。

下段は「水平内転」・「水平外転」、および「内旋」・「外旋」の説明となっています。すべて、クリックして頂くと拡大されます。



左は肩関節、右は肩甲骨に関する動作です。

画像出展:「改訂版 ボディ・ナビゲーション」


初診は昨年10月後半、治療回数は4月末の段階で25回に達しており、成果については十分とは言い難いのですが、夜間痛はなくなり痛みは我慢できる程度に改善されたため、家事および日常生活に関しては、家族の方に手伝ってもらうことなく、すべてご自分でできるようになりました。
そして、今一番何とかしたいことは、バスや電車のつり革を握って体を支えられるようになることです。
四十肩、五十肩は何もしなくても1年程度で治癒すると言われていますが、この患者さまの状態を拝見した時、「本当にそうだろうか?どうやって自然治癒するのだろうか?」という疑問を持ちました。そこで、1冊は図書館、1冊は購入と2冊の本から学ぶことにしました。

最初に読んだ本は“肩が痛い、腕が上がらない 五十肩”です。ポイントになると考えた部分をまとめました。

 

監修:加藤文雄(西東京警察病院院長)

出版:NHK健康Qブック

早い人で3ヶ月~半年。長い人は1年ぐらい。運動制限が非常に強い人は、さらに長くかかる傾向がある(急性期[炎症期]1~2ヵ月ー慢性期[拘縮期]2~4ヵ月―回復期3~6ヵ月)。
ある日突然くることもあるし、じわじわくることもある。どちらかといえば後者がほとんど。
・痛みと同時に肩の腫れや熱っぽさを伴うこともある。痛む場所は肩から上腕にかけてが多い。

・初めは肩を動かすときに痛むだけだが、症状が進むと動かさなくても肩が疼くように痛み思うように腕が上がらなくなる。
時間がたつと炎症は治まってくるが、その過程で線維性の物質が出てきて、腱板の周囲が癒着し肩の動きが悪くなってしまう。
・原因ははっきりわかっていないが、腕を上げた状態で長時間の作業をしたあとに起こりやすい病気だということは言える樹木の手入れや大掃除で高い場所を拭き続けたあとに発症することがよくある。ものを持ち上げようとした瞬間や、テニス、ゴルフのスイングなどの最中に突然激痛におそわれ、それ以降、肩を動かすたびに痛むケースも多い。また、無理な姿勢をとったり、打ち身を起こしたことから五十肩になったという場合もある。
腱板は痛みやすい環境にある。線維組織は加齢とともにちょっとした力で傷ついて、炎症を引き起こしやすくなる。しかも、もともと血管が少ない部位で、いったん傷つくと修復されにくい性質がある。
・腱板の中でも棘上筋の腱板は構造的に炎症を起こしやすくなっている。腱板が炎症を起こすと、滑液包や関節の内部にも炎症が波及するのが五十肩の原因であろうと考えられている。
・重症のケースで、治療期間を短縮したい場合は手術を選択することもある。(関節鏡視下受動術) 

 

この絵は棘上筋の場合を説明したものです。

画像出展:“肩が痛い、腕が上がらない 五十肩”

 

本の中では、60°を超えて外転動作ができない五十肩を「重症」とされています。

画像出展:“肩が痛い、腕が上がらない 五十肩”

 

 

急性期のリハビリです。ここでは利用する重りにアイロンが使われています。

画像出展:“肩が痛い、腕が上がらない 五十肩”

 

 

「寝るとき」の姿勢が紹介されていました。

画像出展:“肩が痛い、腕が上がらない 五十肩”

もう1冊は、“「肩」に痛みを感じたら読む本”です。

 

著者:鈴木一秀

出版:幻冬舎

こちらの本は5つの章に分かれていますが、その5つは以下の通りです。
第1章 わずかな肩の痛みでも“手術”につながるリスクが潜む
第2章 知らないでは済まされない「肩」の基礎知識
第3章 手遅れになる前に、まずはチャック!「Yes/Noチャート」で“実は気づいていない重症度”を30秒診断
第4章 今すぐ実践!重症度別「肩治療&ケア」
第5章 早期に治して痛みのないアクティブライフを送る

この中で、今回のブログに取り上げたのは第1章と第2章に関する項目になります。こちらもブログに残しておきたいと思った個所の要点を書き出しています。

第1章 わずかな肩の痛みでも“手術”につながるリスクが潜む
肩の痛みを訴える人が低年齢化している
・現在も原因は不明であるが、その発症によって肩関節の組織に変性が起きてくること(退行変性)と、それによって肩関節の周囲に炎症が起きることが影響していると考えられている。
ほとんどの場合、1年前後で自然と治ってしまうが理由は解明されていない。
・自然治癒が期待される疾患のため、来院されることが少ないため患者数の把握が難しい。
・最近では30代で肩の痛みを訴える人が増えている。肩凝りは四十肩・五十肩の予備軍である。
・肩凝りは筋肉疲労によるが、四十肩・五十肩は関節の周囲で起こる炎症が原因の症状。両者を見極めるポイントの一つが肩を動かせるかどうかということ。
多くの場合、肩関節への負担が長期にわたって蓄積されることで炎症を引き起こすので、姿勢の問題やパソコンやスマホのように肩関節に負担を強いるような日常生活は将来的な発症につながるリスクになる。
・肩凝りと四十肩・五十肩は別物だが深く関わっているため、肩が痛くて腕が上がらなくても肩凝りと勘違いしている人も多く、肩凝りで医療機関を受診するのは気が引けると思って放置してしまうことが多い。
対処法を間違えると肩が硬くなって動かなくなる。
・[専業主婦Aさんの事例]:『~~中略~~ ところが、痛みは取れたものの、ずっと肩を動かさずにいたことで硬くなり、腕が上がりづらくなってしまったのです。洗髪やドライヤーをかけたり、エプロンを後ろで結ぶことができないなど、日常生活動作(ADL)に難儀するようになりました。それでも、五十肩がまだ完全には治っていないからだと思い込み、回復すれば腕が上がるようになると信じて、無理に動かして再発しないようにと不自由な生活を続けていました。
そんな生活が1年半ほど続いた頃、一向に良くなる気配がなく、むしろ肩が固まって完全に動かなくなったため、さすがに「これはおかしい」と感じて来院されました。
Aさんの話から、罹患期間が2年近くに及ぶことからMRIを撮って確認したところ、骨には異常がなく、確かに五十肩ではありました。しかし、拘縮を起こしている状態で、いわば五十肩の終末像といえる状態ですので、もはやリハビリだけで治すのは困難となり、年齢的なことを考えると手術をしたほうが良いとお勧めしました。
人生80年の時代ですから、Aさんの人生もまだ30年以上あります。残りの人生を有意義に過ごすためにも、ここは手術を受けるのがベストと考えたAさんは、手術を受けることにしたのです。
幸い、Aさんの場合は内視鏡による手術で済みましたので比較的負担も少なく、その後もリハビリのために通院し、半年後には肩の柔軟性が回復して腕が上がるようになりました。
Aさんは、ただの五十肩だと軽く見て対処法を間違えたために、手術をしなければならない事態にまで進んでしまいました。』
自然には治らない四十肩・五十肩がある
・四十肩・五十肩は、年齢に関係なく仕事の内容や生活習慣によっては、誰でも起こり得る疾患である。自然に治る人がいる一方、Aさんのように初期の段階で適切な治療を行なわないと、肩が固まって動かなくなるケースがある。
自然には治らない四十肩・五十肩には、腱板が部分的あるいは完全に断裂しているために、痛みが取れないケースがある。これはX線画像では軟部組織である腱の状態を正しく判断するのが難しいためである。従って、痛みが強い場合はMRI検査の実施が望ましい。また、腱板が損傷する原因の中には、四十肩・五十肩において、肩を動かさないと硬くなってしまうからと、痛みが残っているのに無理な運動を続けたことで症状が悪化し、ついには腱板が切れてしまうこともある。
肩関節の専門医は意外と少ない
・当院(麻生総合病院)には肩の痛みを訴えて受診する人が年間約1200名、その1割が腱板断裂である。罹患期間も2年以上という人が多い。
・日本肩関節学会に所属している肩関節の専門医は全国で1600人しかいない。
専門医でなかったり、MRI装置を持っていない場合はX線画像だけの判断となるため、腱板損傷を発見できず、通常の四十肩・五十肩と診断されることもある。

四十肩五十肩では、特に肩があがらない症例(広範囲腱板断裂)に対してはリバース型人工肩関節置換術という最新の手術も行なっています。』

『肩関節に関する基礎および臨床研究の発表、連絡、提携及び研究の促進をはかり肩関節医学の進歩普及に貢献し、もって人類の福祉に寄与することを目的とする。』 

第2章 知らないでは済まされない「肩」の基礎知識
頼りない肩関節を補強しているインナーマッスル
・肩関節は広い可動域がもつが、骨格による支えはすくなく安定性に問題がある。そのため、その問題を回避するために活躍しているのが筋肉や腱、靭帯、関節包などの軟部組織である。深層にあって肩関節を安定させると共に、微妙な動きをコントロールしているのがインナーマッスルの棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋である。これらの筋肉の両端から出ている「腱(結合組織)」は、他の部分の腱よりも長く、板状をしているため腱板といわれているが、これらの4つの筋群は上腕骨を取り巻いているため、「ローテーターカフ(回旋筋腱板)」とも呼ばれている。

 

画像出展:「人体の正常構造と機能」

肩甲骨を前(腹側)から補強する「肩甲下筋」、後ろ(背側)から補強する「棘下筋」と「小円筋」、前後から補強する「棘上筋」のローテーターカフに「三角筋」を加えた5つの筋が治療の基本です。

画像出展:「人体の正常構造と機能」

加齢に伴い腱板機能が劣化したり、姿勢や生活習慣の影響で肩甲骨機能が低下すると、肩関節の中が不安定になり、ちょっとした動作が関節包を刺激し傷つけ、炎症を起こすことがある。この状態がいわゆる四十肩・五十肩の痛みの強い時期になる。炎症が治まると傷ついた関節包は縮こまった状態で治癒するが、この時期が四十肩・五十肩の動かなくなった時期(拘縮期)になる。また、加齢によって皮膚の弾力性が失われ、たるみやシワができるように、肩の軟部組織も年齢とともに弱くなって傷つきやすくなる。ちょっとした刺激でも傷つき、狭い空間で炎症を起こして腫れる。そうなると、痛くて腕を上げることは困難になる。ときには弱くなったインナーマッスルが切れる、腱板断裂にいたる。
体の表面を覆っているアウターマッスル
アウターマッスルはインナーマッスルの筋群を覆って肩の強度を高めているおり、三角筋や僧帽筋などがある。
・日常生活では、肩を大きく動かす動作をすることは少ない。また、肩甲骨を支えて腕を引き上げる働きをしている僧帽筋は、腕の重さを支えるために、ある程度の力で常に収縮し緊張した状態にある。そのため血液循環が悪くなりがちであり、筋膜の癒着が起こりやすい。
四十肩・五十肩は関節包やインナーマッスルに起こる炎症であり、肩凝りはアウターマッスルに起こる血行不良と筋膜の癒着といえる。
筋肉が緊張するとなぜ血流が悪くなるか
筋線維が緊張すると、筋線維の1本1本が太く短くなって筋線維を包んでいる筋膜を圧迫し、筋肉はパンパンになる。このため筋膜の中では筋線維どうしの押し合いとなるが、その圧力で押しつぶされるのは筋線維の中を通っている血管や神経である。そのために血流が悪くなり筋肉は硬くなる。特に静脈の血管は力強い動脈とは異なり柔らかいパイプである。そのため、筋線維の圧力で簡単に押しつぶされ、うっ血を起こす。しかしながら、筋肉が緊張と弛緩を繰り返す場合においては、この圧迫と解放の連続は静脈に流れる血液を心臓に送り返す働きとなる。もし、緊張だけが一方的に続くと、新鮮な血液を送ることも、老廃物を回収することも困難になる。
炎症が起こるとなぜ痛みが生じるのか
・炎症が起こっている肩周囲には、免疫に関わるたくさんの細胞が集まっている。四十肩・五十肩の場合は、病原体が原因で起こる疾患ではないが、炎症が起きているところには異変を察知した免疫細胞が集まっており、治そうと働いている。この免疫に関わる細胞には色々な種類があり、それぞれに役割が異なる。中には、炎症や発熱を促す働きをしている細胞や、痛みを誘発する物質(発痛物質)を分泌させる細胞もある。その一方では、炎症や痛みに関わる物質を中和し、鎮静化させる働きを持った細胞もある。炎症が起きて痛いときには、それに関わる細胞が優位に働いており、炎症が治まり痛みが和らいできたときには鎮静化させる細胞が活発に働いているのである。つまり、炎症は一種の防御反応であり、治る過程で起こる現象ともいえる。

付記1「臨床家のためのトリガーポイントアプローチ」

トリガーポイントを広められた黒岩先生の著書である「臨床家のためのトリガーポイントアプローチ」の中に五十肩の治療に関する記述がありましたので、一部をご紹介させて頂きます。

 

著書:黒岩共一

出版:医道の日本社

・五十肩は、治療一回目に劇的改善が得られることがまれな難しい症状である。試行錯誤的刺鍼を繰り返した結果、治りにくい理由として言えることは、大量の責任トリガーポイントの広範囲な分布である。責任トリガーポイントの形成頻度の高い筋は三角筋、肩甲下筋であるが、慢性化・重症化して来院した患者であれば、肩甲間部、肩甲帯(特に腋窩後壁を走行する回旋筋群)、上肢、さらには前胸部の筋にも処置の必要な責任トリガーポイントが認められる。
五十肩の治療で最も重要なことは肩以上に頚と背中、特に大椎近傍の夾脊穴などの刺入である。これは夜間痛がある場合は必須である。(「大椎近傍の夾脊穴」とは、第7頚椎棘突起と第1胸椎棘突起間にあるのが大椎というツボですので、このツボの上[頚]と下[背中]にも刺鍼するということです)
五十肩で一番多いのは、自発性に肩の前方が痛むタイプである。腕を挙げたり(屈曲・外転)、内旋しても痛む、すなわち運動痛もある。増悪すれば夜間痛も発現し苦しむことになる。
本来はこの前部の痛みが三角筋トリガーポイントによるものか棘下筋からの関連痛かを鑑別する必要があるが、現実的にこの作業は非常に難しいため、臨床では拘らない。実際は、まず棘下筋を徹底的に攻めて棘下筋トリガーポイントを探すことである。そのためには、肩甲骨外縁とほぼ平行に内下方外上方に走る索状硬結と、その内側にある500円硬貨位の円盤状硬結を丁寧に触擦する。次に肩甲棘の外1/3あたり下縁から、三角筋粗面に向かって走る三角筋後部線維中の硬結とその中のトリガーポイントを検索する。この2つの硬結部のトリガーポイントに刺鍼して、肩の前の痛みが再現されたら、三角筋の後部線維、棘下筋を中心に治療する。もし、関連痛が起こらなかったり、関連痛が肩前面に放散しない場合には、三角筋の前部線維と肩甲下筋形成トリガーポイントを疑う必要がある。

 

最も多い、肩の前方が痛むタイプに関して、施術に迷ったならば、まず棘下筋に注目することを黒岩先生は推奨されています。

画像出展:「臨床家のためのトリガーポイントアプローチ」

付記2: fasciaリリース治療 (ブログ参照:「エコーガイド下fasciaリリース」)

注)当院ではエコー(超音波診断装置)を利用した治療は行っておりません。
Fascia(ファシア)とは、線維性結合組織の総称であり。皮膚、皮下組織、筋膜、腱、靭帯、脂肪体、腹膜、髄膜、骨膜すべてが含まれる。とされています。そして、fasciaリリース治療は原因となっている癒着部位に働きかけ解放するというものです。
 

 

画像出展:「Fasciaリリースの基本と臨床」

例えば、四十肩・五十肩は関節包周囲での癒着は可動域に制限をもたらしますが、それは上図のように筋膜どうしだけでなく、筋膜と骨膜、筋膜と浅筋膜(皮下組織)、腱と骨膜など様々な組織間で癒着が生じる可能性があります。 

エコーで画像を確認しながら鍼を使ってfasciaリリースを行っている先進的な鍼灸院はすでにありますが、より効果的な処置は、医師による注射(生理食塩水など)を用いる方法です。 

鍼はGrade2、注射はGrade3となっています。  画像出展:「Fasciaリリースの基本と臨床

下の写真は棘下筋に対するfasciaリリースを行っている様子です。いずれも「Fasciaリリースの基本と臨床」の画像です。クリックすると拡大されます。


課題は「fasciaリリース」を行っている整形外科がまだまだ極めて少ないことです。
埼玉県では羽生総合病院の和漢診療科などで行われています。以前からfasciaリリースに関心が高かったこともあり、疲れがたまってくると不穏なギックリ腰対策のため、昨年12月、約1時間の東北道をドライブし和漢診療科で治療を受けてきました。患部が腰部のため、残念ながらエコーに映し出された自分自身の画像を見ることはできませんでしたが、刺針時の痛みはほとんど無く、注射液が注入される感覚を体験できました。その後4ヵ月、気になるレベルの不穏な状態は発生していません。

『腰痛、膝痛、五十肩などの痛みに対して、最新の治療である「筋膜注射」や仙腸関節ブロックを行っている。』

なお、「fascia」と「トリガーポイント」をどう位置づけて理解したら良いのかについては、「Fasciaリリースの基本と臨床」の中で次のような説明がされています。

『トリガーポイントはあくまで生理学的に定義された用語(過敏となった侵害受容器)であり、治療“部位”検索としての解剖学的な位置を示す用語としては適切ではない。トリガーポイントが存在する場所は基本的にfasciaであると想定しているため、治療部位検索の上でトリガーポイントという用語は本書では用いていない。さらに、fasciaの異常(例:炎症性、mechanically-insensitive afferentsによる機械的痛覚過敏、滑走性・伸張性障害)による症状を包括するための概念としてもトリガーポイントだけでは不十分である。』