うつ病治療(TMS)

先月アップしたブログ「交流磁気治療器」の中で知ることになったTMS(経頭蓋磁気刺激法)について、どんなものなのか詳しく知りたいと思い、NHKスペシャルで放映された「ここまで来た!うつ病治療」の本を格安で購入しました。最初はTMSのことが分かればと思っていたのですが、そもそも「うつ病」も非常に重要であり、一方、うつ病に関する知識はあやふやなものだったため、「うつ病治療」としてまとめることにしました。
ブログは、うつ病と双極性障害(躁うつ病)に関する箇所以外は、すべて、「アメリカ発 薬に頼らない最新治療」と「脳科学が解明する“うつ病のメカニズム」からの引用(『』で囲んでいます)になりますが、それに関連して調べたことや見つけた情報などを加えています。

目次は次の通りです。

第1時限目:アメリカ発 薬に頼らない最新治療

第2時限目:脳科学が解明する“うつ病のメカニズム”
第3時限目:最新の検査で誤診を防ぐ
第4時限目:言葉の力でうつを治す、予防する
第5時限目:変わるか?日本のうつ病治療

 

出版:宝島

 

画像出展:Clinical TMS Society

画像出展:マイナビニュース ヘルスケア

 

こちらの機器を使用されているのは、新宿ストレスクリニックさまになります。

1.磁気刺激による回復のメカニズム
『それにしても、DLPFC(背外側前頭前野)に磁気刺激を与えるだけで、なぜうつ病の症状が改善するのだろうか。その理由を探るため、私たちは、アメリカ・ボストンにあるハーバード大学のベス・イスラエル病院を訪ねた。院内の脳刺激研究センターのアルバロ・パスカルレオーネ教授は、15年以上にわたり磁気刺激の研究を行ってきた脳神経学者だ。これまでにも数百人に対して磁気刺激の治療を行い、その効果を研究してきた第一人者である。さっそく、磁気刺激がうつ病にどう作用するのかを尋ねた。
「うつ病では認知問題、記憶問題、悲しみなどのいろいろな症状が出ますが、これらの症状は脳のさまざまな部分の機能障害によって起こります。磁気刺激で行うことは、うつ病で障害が出る「感情」と「認知」に関わる脳の特定の神経回路の活動を変更することです。磁気刺激では、抗うつ薬と違い、脳のほかの領域に影響を及ぼさないで、特定の神経回路を狙って治療を行うことができるのです
脳の中では、情報が神経細胞を通って伝わるが、そこは基本的に電気信号の世界だ。磁気刺激の信号も、脳の中で電気刺激となり、神経細胞に伝わっていく。磁気刺激は、そのなかでも、うつ病に関係する回路を活性化させることができるというのだ。
パスカルレオーネ教授は、磁気刺激の治療を行った患者の脳の血流の変化を表した画像を出し、「多少単純化しすぎですが……」と前置きしつつ、説明を続けた。
「うつ病の人では、この前頭前野のDLPFCの活動が落ちていることがわかっています。もし、うつ病特有の意欲や注意力の低下の向上、認知機能の障害を改善したかったら、DLPFCの活動を増大させればよいのです。脳の血流を調べて、その血流量が増大していれば、そうした意欲や認知などの症状が改善していると考えられます
うつ病患者の脳では、このDLPFCの働きが落ちていることが研究によって明らかになっているという。DLPFCは、脳の中で認知や意欲、判断などに関係する場所であるため、うつ病でこの機能が落ちると、ミッチェルさんのように、何にも興味を持てなくなったり、物事を考えたり判断したりすることができなくなってくるというのだ。つまり磁気刺激は、DLPFCの働きを回復させ、うつ病の症状を改善させる治療法ということになる。
しかし、それだけではないと、パシカルレオーネ教授は続けた。「磁気刺激は、脳の奥にある感情に関係する領域にも影響を及ぼします」
DLPFCを刺激することで、磁気刺激の信号は、より脳の奥深くまで伝わるという。その伝わる先のひとつに、「扁桃体」がある。扁桃体は、不安や悲しみを生み出す場所である。うつ病患者の脳では、何か嫌なことが起きた時に、この扁桃体が過剰に反応し続け、いわば暴走状態になると言われている。そのため、不安や焦燥感に襲われたり、ジョシュアさんのように、わけもわからず泣いてしまうという症状が起きるという。そして、この扁桃体の暴走にブレーキをかける役割は、DLPFCにあると考えられているというのだ。パスカルレオーネ教授は、「磁気刺激によってDLPFCの活動を強化すればするほど、うつ病の症状を改善する効果は高くなる」と考えている。
話が少しややこしくなったので、まとめておくと、うつ病患者の脳では、判断や意欲に関わるDLPFCの働きが落ちて、不安や悲しみを生む扁桃体が暴走している。そのため、思考や意欲に問題が出て、また不安な気持ちに襲われてしまう。磁気刺激は、DLPFCを活性化させ、その機能を回復するとともに、DLPFCが持っている扁桃体のブレーキ機能によって、扁桃体の暴走を抑えるということだ。
だから、ミッチェルさんのように、意欲が湧かないといった典型的なうつ病だけでなく、ティアラさんのような不安に苛まれるタイプにも効果があると、考えられているのである。』

パスカルレオーネ教授の講義のビデオがありました。

タイトルは ”Learning about Seeing from the Blind”

「盲目の人から見ることを学ぶ」という感じでしょうか。

 

出展:University of Wisconsin School of Medicine and Public Health

以下の2つの図は、健康な人とうつ病患者を比較したものです。キーワードは「血流」です。


画像出展:NHKスペシャル「ここまで来た!うつ病治療」

2.うつ病の鍵を握る新たな“場所”の発見
『患者に劇的な変化をもたらす脳深部刺激だが、なぜ電極を埋め込み、刺激することでうつ病の症状が治まるのだろうか。いったいどこを刺激しているのだろうか。実はそれはDLPFCでも扁桃体でもないという。その説明はちょっと難しくなるが、ご容赦願いたい。
脳深部刺激で、メイバーグ教授がターゲットとしているのは、「25野」と呼ばれる脳の領域である。これは、帯状回膝下野と呼ばれるアーモンド粒程度の小さな場所だ。この25野、今ではうつ病に関わる重要な領域とされ、世界中で研究者の注目を集めているのだが、その機能がわかってきたのはごく最近のことだ。

 

画像出展:NHKスペシャル「ここまで来た!うつ病治療」

メイバーグ教授が25野に注目するようになったのは、うつ病の症状に関わる脳の神経回路を調べていた時だったという。脳の血流量の変化を捉えて、その働きを見る装置であるfMRI(機能的磁気共鳴画像)などを使い、うつ症状が出ている状態から、回復するまでに患者の脳のどの場所にどんな変化が出ているかを調べる研究だった。
まず、うつ病患者の脳の様子を調べてみると、第1時限目で見たように、DLPFCを含めた前頭葉の働きが低下していたり、扁桃体の活動が異常になっていたりしたという。メイバーグ教授は、そこから抗うつ薬を使い、薬によって症状が回復した人たちと、プラセボ薬、つまり効果のない偽物の薬を与えて回復していない人たちとの間で、何が違うのか調べたのだ。すると、症状が回復した人では、予想通りDLPFCの働きが回復したのだが、もうひとつ、大きく変化した場所があった。それが25野だったのだ。逆に回復しなかった患者では、25野に変化は見られなかった。メイバーグ教授は、この発見を興奮気味に話してくれた。
「うつ病患者の25野に関する症例研究は見たことがありませんでした。私たちはうつ病患者の脳のまったく新しい領域への手がかりをつかみ始めたのです」
こうして25野に注目したメイバーグ教授は、その機能を調べ始めた。教授によれば、25野は、不安や悲しみを生み出す扁桃体ともつながっているという。実際、研究に参加した患者も、25野の活動が変化したことで、扁桃体の暴走は収まった。さらに、25野は睡眠や食欲、ストレス反応を制御する視床下部、そしてうつ病において重要な役割を持っているとされる神経伝達物質、セロトニンを産生する縫線核という場所ともつながりがあるそうだ。
メイバーグ教授はさらに、25野がうつ病のどんな症状に強く関係しているのかも調べた。「私たちは、うつ病の症状のなかでも、やっかいな気分の落ち込みや悲しみに焦点を当てて調べることにしました。扁桃体とつながっているのだから、25野への刺激でこうした症状が改善すると考えたのです」
こうして、うつ病独特の悲しみの感情と25野が関連しているのかを突き止めるための研究が始まった。まず健康な人に悲しかった出来事、たとえば「愛する人を失った」、「ペットが死んだ」といったことを思い出してもらい、その時の脳の様子をMRIで見た。実験で悲しい気分になり、涙を浮かべる被験者の脳画像を見て、メイバーグ教授は興奮を覚えたという。
「それは仮説を裏づける素晴らしい結果でした。彼らの心がニュートラルな状態から悲しみへと変化する間に、脳の領域のなかで25野が最も活発になっていたのです。さらに、25野の活動が上昇しただけでなく、25野とつながりのある領域も大きく変化したのです」
研究を続けたメイバーグ教授は、25野が、うつ病の症状を引き起こしている神経回路のなかでも重要な役割を果たしていると、確信するに至ったのだという。
うつ病の原因回路のハブ(基点)は、25野にあることがわかってきました。25野の活動を正常に戻すほど、DLPFCの活動は上がり、うつ病の症状も治まったのです。25野を標的にすれば、側坐核、扁桃体やDLPFCなど、つながっている領域を正常に戻すことができるのです。鍵は25野にあったのです」』

ブロードマンの脳地図(内側)

区切られた領域は、それぞれ大脳皮質を構成する細胞の構造の違いや特性によって区分されています。「25野」は中央やや左下方にあります。

 

画像出展:「病気がみえる vol.7 脳・神経」

 上の図と下の図は別々の本からもってきているため、比較が少し難しいのですが、日本生物学的精神医学会誌の「経頭蓋磁気刺激によるうつ病治療」では、膝下部帯状回と梁下野を同一としています。膝下部帯状回と帯状回膝下野が同一かどうかは未確認なのですが、同一と仮定してコメントさせて頂きます。

メイバーグ教授は「25野」を原因回路のハブと指摘されたわけですが、この図の梁下野にある「中隔核」は海馬、視床下部、扁桃体とのつながりを表しており、まさにハブのような姿となっています。この中隔核こそが、25野のまさに核なのではないかと思われます。

画像出展:「人体の正常構造と機能」

3.明らかになってきた磁気刺激と神経伝達物質との関係
『さて、脳深部刺激の話を読んで、みなさんはどう思われただろうか。25野への刺激でDLPFCを活性化することができるなら、磁気刺激によってDLPFCを刺激することで、25野も刺激されるのではないかと思った方もいるかもしれない。第1時限目で登場いただいたハーバード大学のパスカルレオーネ教授は、実際に磁気によるDLPFCへの刺激は、神経回路を伝わって25野にも届き、その活動に影響を与えることができると言っている。こうした、うつ病に関係する脳内の神経回路を調節することが治療につながるのだ。
では、磁気刺激で25野を直接狙えばいいのではないかというと、そう簡単にはいかない事情もある。磁気刺激は、頭蓋骨の表面から2cmほどの深さまでしか届かないため、脳の奥深くにある25野を直接刺激することができないのだ。
一方で、番組では割愛してしまったが、磁気刺激による作用は、ほかにもあるとパスカルレオーネ教授は言う。
「うつ病の人に磁気刺激を与えると、脳の奥深くでドーパミンが増えることが確認できるのです。」
ドーパミンは、第1時限目で紹介したセロトニンと同様、うつ症状に大きく関係するとされている物質である。報酬や快楽に関係する神経伝達物質であり、意欲に関係していると考えられている。神経細胞から出るこのドーパミンを増やし、神経細胞自体を活性化することも、磁気刺激がうつ病を回復させる理由として考えられるのだ。磁気刺激を受けた患者が、新たなことに挑戦したり、自分の喜びを見出し、「自分を取り戻した」と表現していたのは、こうしたメカニズムに関係しているかもしれない。
ドーパミンに関連して、日本でうつ病を脳科学の視点から研究している数少ない研究者の1人、広島大学の山脇成人教授が興味深い説を唱えている。抗うつ薬・SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を飲んでもなかなか症状が回復しない患者は、ドーパミンの機能が低下していると考えられるというのだ。山脇教授によれば、SSRIが効きにくい患者の多くが、ドーパミンが関与するとされている意欲の低下や無気力といった症状を示している。セロトニンは、ドーパミンを調整して作用しているため、調整する相手であるドーパミン機能が低下している場合には、いくらSSRIを投与してセロトニンを増やしても意欲低下に効果がないということを示しているというのである。第1時限目で紹介したニューヨークのクリニックが、驚異的な患者の治癒率を誇っているのも、単に磁気刺激によってDLPFCを活性化させて、扁桃体の暴走を抑えるという効果以上に、薬の作用を補強していることとも関係しているのかもしれない。
せっかくなのでセロトニンについて、ついでにご紹介しておくと、山脇教授によれば、セロトニンは脳のなかでも、「長期報酬予測」、つまり目先のことにはあまり関係していないという。だからうつ病になり、セロトニンが少なくなると、長期的な視点で「未来のこと」を考えられなくなり、先々に希望が持てなくなる。そして、短期的な目先のことしかできなくなってしまうという。』

 

ネット上に、山脇先生の文献を見つけましたので、ご紹介します。

脳科学を応用したうつ病の 革新的診断法・治療法開発に向けて

4.うつ病発症のメカニズムに迫る
『こうした脳の機能ごとの変化は少しずつ明になり、うつ病の正体に迫りつつあるものの、その原因にたどり着くまでの道のりはまだ遠い。脳の血流の変化を見ても、それはあくまでも、うつ病の人の脳で起きていることであって、なぜそうした変化が起きているのかの説明がなされていないからだ。セロトニンが減っていること、あるいは薬によって増えることと、脳の機能のこうした変化との関わりも、はっきりとはわかっていない。

うつ病を発症し、何がこうした変化をもたらしたのか、一本の道筋で説明ができないかと、日米のさまざまな研究者に尋ねたが、一つひとつのことが仮説の段階なので、その確証を得る研究をしている最中であり、まだそれを結びつけて考える前の段階にあるようだった。取材のなかで私たちが唯一確認できたのは、SSRIは、扁桃体に直接作用し、それを鎮めるということくらいだ。
それでも、いくつかのヒントになりそうな事実はある。うつ病は、たいてい過剰なストレスに去らされることでなると考えられている。ストレスを受けると、人間の体は当然それに備えようとして反応を起こす。

ひとつは、交感神経を活発にして、戦闘態勢に入ること。もうひとつは、脳の視床下部が活動し、そこから最終的に腎臓のそばにある副腎から、コルチゾールというホルモンを出す。このホルモンは、炎症を止めたりして体をストレスにならしてくれるが、一方で出過ぎると神経細胞を壊したりと悪い影響も及ぼしてしまう。

そこで、コルチゾールが出た時に、出過ぎないように自ら視床下部に働きかけるのだが、その役割は、記憶に強く関係する海馬が担うことになる。しかし、重度のうつ病の人では、この海馬が萎縮しているというのだ。つまり、コルチゾールの過剰分泌を止められず、神経を壊してしまった可能性があるかもしれないということだ。
マウスの実験では、ストレスによってコルチゾールが過剰になると、皮質や海馬の神経が壊されるという。また、ストレスを与えられた結果、大脳皮質では樹状突起のとげ(スパイン)が減り、扁桃体では増えたという研究もある。とすれば、うつ病は、過剰なストレスによって、脳のDLPFCや海馬の神経細胞が壊され、逆に扁桃体が過剰になるというメカニズムなのだろうか。残念ながら、そこまで確たることはまだわからないが、少しずつうつ病発症のメカニズムの一端に触れられるようにはなってきている。
ストレスによってコルチゾールが過剰に分泌されることで影響を受ける、脳内の物質も発見されている。それは、神経細胞が萎縮したり、壊れてしまうことに関わる物質とされるBDNF(脳由来神経栄養因子)だ。このBDNFは、ストレスを受けると減り、逆に抗うつ薬を飲んだ人や磁気刺激治療を受けた人では増えているという。しかし、抗うつ薬以外の精神病薬では増えないため、セロトニンを介してBDNFが増やされていると考えられるようになった。
このことは、セロトニンが原因であるとすれば、なぜそれを増やす薬を飲んでも、2週間しないと効果が現われないのかという謎を説明してくれる。また動物実験の話で恐縮だが、マウスに抗うつ薬を飲ませると、セロトニン自体の量はすぐに増えるというのだ。つまり、効くまでに時間がかかるのは、セロトニンがBDNFを増やし、その結果、神経細胞が新生されたり、あるいは樹状突起が伸びるなど脳内の細胞に変化が起き、そのことがうつ病の症状の改善につながっているのではないかと考えられるというのだ。
そうだとすると、やはりセロトニンが主犯ではないように思える。さらに、神経が新生されるということが、不安や気分の落ち込みなどのうつの症状にどう関係しているのかは、謎のままだ。
それでも、こうした仮説を積み重ねるなかで、新たな検査も生まれつつある。最近では、血中のBDNFを調べる検査も出てきている。もちろん、末梢の血液と脳の状態では違うかもしれないので、現段階では参考程度に使っているということだったが、うつ病患者では、末梢の血液でもBDNFが少ないという。今後、さらに研究が進み、うつ病のメカニズムが明らかになって、効果的な治療へつながるようになるのではないかと思える取材であった。』

こちらのサイトにBDNFの詳細な情報が整理されていました。

5.うつ病と双極性障害(躁うつ病)
2009年のドイツの研究機関による調査では、初診で「うつ病」と診断された患者の41.4%の人が、実際は「双極性障害(躁うつ病)であることが判明したというデータがあります。
本書の中でも10年にわたり、しかも複数の医師が診察したにも関らず、双極性障害をうつ病と誤診された患者さまの例が出ています。双極性障害は「うつ状態」と「躁状態」が交互に訪れるので、見分けるのは難しくないように思うのですが、現実はそうではありませんでした。

その理由は双極性障害の患者さまが受診されるのは、気分の落ち込みが激しい、つらい「うつ状態」の時が圧倒的に多いためです。さらに双極性障害にはⅠ型とⅡ型があり、Ⅱ型の特徴は気分の高揚する躁状態が長く続かないタイプであり、特に「うつ病」との区別が非常に難しいという実状があります。患者の方も、まず「うつ病」を意識し、気分の高揚は抗うつ薬による効果であると考える傾向が強く、あるいは調子がいいと感じる時期を、あえて病気ではないかと疑うことはほとんどないというのが一般的です。

Ⅱ型の患者さまの中には、1ヵ月、2ヵ月通ってもらっても、躁の兆候を見ることができるのが1、2回というケースもあるようです。しかしながら、この2つはまったく違う病気で治療薬も異なります。
双極性障害の患者に、気分を押し上げる「抗うつ薬」を処方した場合、気分が極端に高揚することがあり、ときに自殺などの衝動的な行動に駆り立てられる危険があります。
また、本書の中に次のような一文がありました。『もっとも避けなければならないのは、気分安定薬と三環系の抗うつ薬を同時に服用することである。万一、こうした処方を行う医師がいれば基本的な技能を疑い、転院することをお勧めしたい。』
このような無視できない内容だったため、「三環系抗うつ薬」について調べてみました。
古い抗うつ薬。SSRIやSNRIに反応しない重症例や効果不十分例に使用される。セロトニン、ノルアドレナリン以外の神経伝達物質が受容体と結合する働きも阻害してしまうため、抗コリン作用による口の渇きや便秘、抗ヒスタミン作用による眠気などの副作用が強い。主な薬剤は、アモキサピン、アミトリプチリン、イミプラミン、クロミプラミン、ドレスピン、トリミプラミン、ノルトリプチリン、ロフェプラミン』
この情報を含め、うつ病および双極性障害については、以下の2つのサイトが非常に参考になります。


 

 

 

  磁気刺激治療(TMS)治療の特徴とメリット・デメリット【医師が教えるTMS治療】

こちらのサイトは豊富な情報を非常に分かりやすく、見やすくまとめられています。

感想

今回、最も印象的だったことは、「脳の血流を調べて、その血流量が増大していれば、そうした意欲や認知などの症状が改善していると考えられます」というとてもシンプルな一言でした。

脳も、筋肉や臓器と同様に、その健康は血液が運ぶ酸素と栄養素によって維持されているということがわかります。血液が滞ることは病気の入り口に近づくということです。清々と流れる血流こそ自然治癒力の本流のように思います。そして、それは現代医学、東洋医学に共通する健康のキーワードでもあると感じました。