YNSA(山元式新頭鍼療法)

患者さまのお家族が、月刊誌「壮快 2012.4(マキノ出版)」の記事の切り抜きを持ってこられ、「この、YNSAって知ってますか?」と聞かれました。
加藤直哉先生が書かれた「慢性疼痛・脳神経疾患からの回復 YNSA山元式新頭鍼療法入門」は持っており、ざっとですが一読したことがあったため、「本は持っているのですが、よく理解できていません。もし、ご興味あれば1ヵ月程お時間を頂ければ、熟読し治療に使うことを考えてみたいと思いますが。。」とお伝えしました。

 

著者の加藤直哉先生はYNSA学会の副会長です。

ところで、「壮快 2012.4」の記事に書かれていたことは以下の通りです。
特長
・古来のツボとは関係なく、山元氏が30年以上かけて発見し検証を重ねてきた治療点を使って全身

 の機能を調整する。
・高い確率で即効性が期待できる。
・効果は1日~1週間で減退するが治療を繰り返すことで、従来以上の回復が期待できる。
・十二脳神経、十二内臓点、脳点、三感覚点などがある。
何故、YNSAか
・中国式の頭針療法では納得できる効果が得られなかった。
・突破口は触診中、ツボに関係ない部位を触ったときに「左腕に何かを感じる」といい、わずかに

 マヒの左手が動いたのがきっかけ。その後、丁寧な触診と患者の反応によって見出していった。

一方、ネット検索で興味深いサイトを見つけました。

 

 

 

 

YNSAを解説したPDF資料がダウンロードできるのですが、そのダウンロード数は210ヵ国、計17,414で、その国別内訳のTop10は以下のようになっています。ご覧の通り米国が圧倒的に多く、約27.5%を占めています。
 1.アメリカ合衆国 4803
 2.インド 1036
 3.オーストラリア 529
 4.スペイン 429
 5.カナダ 413
 6.イスラエル 406
 7.ブラジル 393
 8.イタリア 367
 9.インドネシア 366
 10.イギリス 323
 ちなみに、中国は11位の287、日本は14位の212です

YNSA概要

YNSAは初級と中・上級の2段階があり、後者は首診をベースに診断と確認を行ないながら治療を進めるというもので、初級をマスターすることが中・上級に進む前提となっています。

下記の図は、その概要をまとめたものです。そして、その下の3つの図は【初級】で必須となる、「基本点」、「感覚点」、「脳点」になります。

 

「F」は耳の後ろにあるため見えません。


今回、頭鍼に対する理解不足を補うため、近所の図書館から以下の本を借りて、興味ある部分だけを拾い読みしました。個人的には、頭鍼・頭皮鍼が1970年に出てきた新しいもので、まだ50年も経っていないことを知り、意外に思いました。

 

著者は淺野周氏、出版会社は三和書籍です。

内容は高度なため、鍼灸師でないと難しいと思います。

『一般的に頭鍼は、脳卒中や脳障害者を治療する鍼法と思われている。日本では田中角栄が、最初に頭鍼治療を受けた有名人だからだ。しかし方氏は、最初から頭鍼を脳卒中治療には使ってはいなかった。頭鍼に限らず、中国には眼鍼、耳鍼、鼻鍼、口鍼など、さまざまな流派があり、韓国の高麗手指鍼も手を人体の縮図と考えるため、現在では全息療法と一まとめにされている。』


頭鍼は中国で1970年から徐々に使われ始め、その後、国家臨床医師が常用する治療方法になりました。上記に登場する方氏とは方雲鵬氏になります。そして方氏と並んで頭鍼の権威であるのが、焦順発氏になります。また、焦氏の頭鍼は西洋医学の脳機能局在に基づいた頭鍼のため、伝統的穴位とは関係がありません。そこで1984年の世界保健機構西太平洋地区-鍼灸穴名標準化会議にて、頭鍼穴名国際標準化方案が検討されることになりましたが、これは焦順発氏の頭鍼療法を伝統的中医理論に適合させるというものでした。こうして1989年11月、国際標準鍼灸穴名科学組会議で正式に承認され、国際標準頭穴が世界の鍼灸界に推薦されるに至りました。
 この3つの頭鍼以外にも、林学倹(上海)、湯頌延(上海)、朱明清(北京)などの頭鍼がありますが、いずれも焦氏と方氏の系統を引き継ぐものとされています。

今回は、3つのうち焦氏と国際標準の2つについて、その概要をご紹介します。

焦氏の頭鍼です。

国際標準の頭鍼です。

下記の図は、経絡治療の経穴(ツボ)です。このように頭部にも多くの経穴があるのが分かります。また、中国の古い文献には、「十二経脈、三百六十五絡、その血気はすべて顔に上がり、空竅へ走る(霊枢・邪気臓腑病形篇)」や「頭は諸陽の会であり、百脈の竅である(鍼灸大成)」など、人体の経気は経脈などによって頭面部に集中していることが指摘されており、頭鍼という治療法が生まれたことは不自然なことではないと思います。

注)「空竅」は頭の中という意味です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

首から顎にかけての、天突、廉泉、承漿は「任脈」に含まれるものです。これに「督脈」、「膀胱経」、「小腸経」、「三焦経」、「胆経」、「大腸経」、「胃経」の計8つが頭にツボを持っています。