膝痛にはまず荷重X線撮影

これはエムスリー(https://www.m3.com)という医療情報等を提供されているサイトの医療ニュースになります。

『40代以上の患者の膝の痛みの初期診断にはMRIよりも荷重X線撮影が最も良いとのだとの研究結果が明らかになった。整形外科医の診察前に撮影されたMRIのうち、実際に変形性関節炎の診断治療に役立ったのは半数程度だったとも指摘されている。米国整形外科学会(AAOS)が9月8日、Journal of American Academy of Orthopaedic Surgeons誌9月号の掲載論文を紹介した。
 研究グループは、40歳以上の患者の膝のMRI 100件を検証した。最も多い診断は変形性関節炎で39%、次いで半月板損傷が29%だった、MRIのほぼ4件に1件が荷重X線撮影の前に実施されていた。整形外科医による診察前に撮影されたMRIのうち、実際に変形性関節炎の診断と治療に役立ったのは半数にとどまっていた。
 その上で、多くの場合は単純X線撮影が最善の診断ツールであり、時間とコストを抑えることができると結論。「関節炎が疑われる場合は、荷重X線撮影のみで診断と治療計画の決定を行えるケースがほとんどであり、適時に整形外科の診察を受けることが、まずMRI撮影を行うよりもコスト効率が高いと考えられる。」などと述べている。
 

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このニュースの要点は、変形性膝関節炎の画像検査は、時間とコストの両面から荷重X線撮影がMRIより優れているというものです。
私自身は「荷重X線撮影」というものを知らなかったので、ネットで検索したところ、奈良県立医科大学附属病院  安藤英次氏から発信された詳しい情報を発見しましたのでご紹介します。

 

 

要点は以下になります。

・撮影技師は、変形性膝関節症の病態解剖を理解し、病態に適切した撮影肢位とX線解剖について熟知が必要となる。
・変形性膝関節症による関節軟骨の退行変性は加齢だけでなく機械的負荷などで変性が進行する。
・変形性膝関節症の関節軟骨の変性や関節間隙を評価するには、臥位(あお向け又はうつ伏せ)画像
でなく立位(荷重)撮影による荷重画像が有用となる。