肉離れ

概要
肉離れの正式名称は筋挫傷であり、筋の表面の筋膜から筋線維の断裂までその状態は軽度から重度まであります。受傷時は傷害個所の出血を最小限に抑えることがその後の回復時間に大きく影響するため、RICE(ライス)とよばれる方法に基づく、横になり動かないことが大切です。下段「メモ」を参照ください。

 

ポイント
1.受傷時は出血を最小に留める措置、RICE(ライス)を行うことが重要です。
2.治療は筋肉の硬さ、硬結、しこりを取り除きます。
3.古傷でしこりのようになってしまっている箇所には運動鍼が有効です。

 

補足説明
肉離れが起きるとその部位には瘢痕(傷あと)ができます。これは筋膜や筋の損傷により出血が起こると、まず止血のための反応が起き、次いで組織修復のために酸素や栄養素が血液によって盛んに運ばれ、また、回復させるため白血球も集結してきます。

こうして肉芽組織(読み方はニクゲとニクガの両方があります)とよばれる状態となり、修復過程が進んでいきますが完全に元通りなるのではなく、膠原線維(主にコラーゲン)によってパッチをあてられたような状態になります。
従って、受傷以前の状態と比較するとその部位の筋力低下だけでなく、組織の軟らかさも低下しています。肉離れは十分なリハビリ期間を取り、筋力の左右差を同レベルにまで高め、同時に筋肉の軟らかさも取り戻しておかないと、再発する恐れが高く、多くのアスリートが繰り返す肉離れに悩まされているという事実があります。
鍼治療は出血が止まれば速やかに開始できます。軽度か重度かによりますが、受傷後24時間から72時間後というのが一般的です。治療の狙いは、「組織修復のための酸素や栄養素を運ぶ血液」を積極的に送り込むことです。また、過去の肉離れの古傷で硬くしこりのようになった部位(瘢痕)は、鍼を刺入した状態で、施術者がその筋をゆっくりと動かす運動鍼を行うことにより、軟らかな状態にすることが可能です。

 

付記
・RICE(ライス)療法

 RはRESTで「安静」、IはICEで「冷却」、CはCOMPRESSIONで「圧迫」、Eは

 EREVATIONで「高挙(横になって患部を心臓より高くする)」です。目的は出血

 や炎症を最小限にするために行います。