アキレス腱炎・アキレス周囲炎

概要
アキレス腱炎はアキレス腱自体の炎症、変性、部分断裂、瘢痕化(傷が結合組織によって修復された状態)をいいます。一方、アキレス腱周囲炎はアキレス腱および周囲の軟部組織に炎症・変性が起こった状態です。腱の踵骨付着部の上方に圧痛がでます。

 

ポイント
1.アキレス腱およびその周囲の状態を注意深く観察します。
2.治療には運動鍼や灸の活用も考えます。

 

補足説明
アキレス腱は腓腹筋とヒラメ筋の両筋が合した停止腱です。アキレス腱の酷使、あるいはアキレス腱断裂の既往(縫い合わせた部分が硬くなったりして痛みが出やすい)でもみられます。
本治は筋、腱の問題ということから肝経に注目しますが、四診により治療方針は総合的に決定します。標治はアキレス腱自体には刺鍼せず、踵骨上方のアキレス腱の両側および腓腹筋、ヒラメ筋の硬結と腓腹筋の筋腹から腱に移行する部位に刺鍼します。また、数箇所に刺鍼した状態で足関節を上下(背屈・底屈)に動かす運動鍼を行います。また、踵骨は骨際と底部が治療ポイントですが、鍼は痛みを伴うため、鍉(てい)鍼を使って砕くように圧を加えたり、軽擦したりします。灸を用いる場合はアキレス腱上に施灸しますが、通常は3~5壮を目安とします。なお、内果後方の筋腱移行部に圧痛、硬結がある場合には、そこも灸のポイントになります。なお、痛みがある時は運動は中止します。