アトピー性皮膚炎

概要
多くは乳幼児期に乳児湿疹として発症し、年齢が進むとともに異なった皮膚症状を呈する広範囲の湿疹性皮膚疾患です。

 

ポイント
1.鍼灸治療は効果が出るまでに時間がかかりますが、リバウンドはほとん

  どありません。
2.ステロイド製剤を検討される場合は、ステロイド製剤に精通した薬剤師

  に相談されることをお勧めします。

 

補足説明
アトピー性皮膚炎は一般的にアレルギー性鼻炎や気管支喘息との合併が多く、アレルギーを示す指標(血清IgE値が高く、特異的IgE抗体が存在する)からⅠ型アレルギーの関与が考えられています(Ⅰ型は花粉症や気管支喘息)。

季節変動があり、一般的には冬から夏にかけて悪化する傾向があります。また、年齢によって症状の特徴が異なり、3歳頃までが乳幼児期、4~10歳頃を幼少時期、そして思春期、成人期と分類できます。多くは思春期頃までに軽快します。成人でみられる場合は、皮疹は乾燥傾向が強く、関節窩(膝の裏)に苔癬化局面がみられます。
東洋医学としてのメカニズムは「停滞した熱が皮毛を蒸す」という考え方をします。鍼灸治療は肥厚した角質が取れるまでを初期対応と考え、本来の皮膚の状態になった後は治療法(本治)を見直します。初期対応では虚熱の停滞が確認できた場合には通常、肝経と腎経を選択する場合が多いのですが、冬でも冷たい物を欲するなどの生活習慣があれば、脾経を重視します。
標治は肩や胸に熱感がある場合、瀉的散鍼により熱を発散させます。また発赤部には鍉鍼を使い軽擦することで角質を薄くし、皮膚が割れている場合は割れ目の上下2箇所に灸をします。ジュクジュクした箇所は周囲に鍉鍼を使うなどの治療を行います。

酷い場合はステロイド製剤との併用が望ましいのですが、副作用を考えた服用を処方する必要があるため、薬局で相談されることをお勧めします。鍼灸治療は効果が出るまでに時間がかかりますが(目安1~1.5ヶ月)、メリットはリバウンドがほとんど無いことです。